異例だったのは同日付で同機構から業界誌向けに検査結果のプレスリリースが流されたこと。
1枚のペラものだったが「本日の結果については、残念ながら『遊技くぎ』の状況に改善が認められなかった」と短文の中に、自助努力の形跡がないことに飽きれ気味というか、静かな怒りが伝わって来る。
この新たな抜き打ち検査を一般週刊誌も嗅ぎつけ、記者が都内のホールを何軒か取材に回った。
「釘を直しているホールはゼロ。摘発されないことには動かないんでしょうね。まったく気にする様子もなく営業していました」と感想を漏らす。
匿名を条件に有力ホールの関係者にも取材しているが、その時の答えがこれ。
「半年の猶予があるのですぐにやるホールはどこもない。この業界は圧力がかからないと動かない」
実際、どこまでが許容範囲なのかが分からない状況で、機構の意向通りにやると営業にならない、という意見は多い。
「諸元表通りにテストしてホールがあったんですが、確変ベースが30で、時短時に玉が減るんですよ。これではお客さんが飛びます。これは換金率を変えれば済む問題ではなく、元ゲージそのものに問題があります」(ホール店長)
釘は概ね垂直という曖昧な表現もあり、実際の角度も0~5度まで幅もある。
営業ができる方向性のガイドラインが出るまでは動けない、動かない、というのが業界の本音だろうが、業界自らが動かなければ、「息の根を止めるまで徹底的にやる」と健全化推進機構の手綱は絞まるばかりだ。
業界が恐れるのは他入賞口に入ることでスタートが回らなくなる、ということだ。常に保留玉が点いて、ストレスを感じさせないスタートに出来ない、ということは客離れに直結する問題だ。
ユーザーにスタートは落ちるが、トータルのベースでは変わらない、ということを理解してもらうことも必要になる。
釘の問題は営業ノウハウにも直結することなので、ホール間同士でもなかなか聞くことができない。
「講師に機構の検査員を招いて組合で勉強会を開いて欲しい。しかも全国的に大々的にやらなければ意味がない」(ホールオーナ)
サラ金業界の大手の武富士が過払い金の対応や年収規制の法改正で倒産したが、決して対岸の火事ではない。釘調整が完全にできなくなる前にホールが姿勢を示さなければならない。
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