使える台はチェーン店に移動したが、古い台は廃棄処分するしかない。新台の時は40万円近くするものをみすみす廃棄するのはもったいない。
そこで廃棄する台の有効利用について、社員の間で話し合った。
その時に出たアイデアの一つが、「お客様にプレゼントする!」。発案者はお客さんにも喜ばれると自信満々だったがすぐに却下された。
理由は「店に来なくなる」。
台だけプレゼントしても玉がなければ遊べない。遊ぶためには補給装置を必要になる。
おカネに余裕がある人がパチンコ好きのおじいちゃんのために、自宅で中古台を打てるように、簡易島と補給装置を付けてプレゼントした。台数も4台ほど付けた。同じ台ばかりでは飽きるからだ。
最初のうちはおじいちゃんの仲間も来て、遊んでいたが、そのうちまったく打たなくなった。理由は「おカネがかかっていないので、打っても面白くない」。これでは、メーカーのショールームで打つのと同じ。麻雀だって賭けるから面白い。
ということは台をプレゼントしたら店に来なくなるというのは、一瞬であって、間違いでもある。
正社員の一人はスロットの廃棄台を会社からもらって、家で遊んでいた。飽きて捨てる時は粗大ごみになるのだが、捨てる時に1000円のシールが必要になる。
そこで表に「ご自由にどうぞ」と書いて置いていたら一晩でなくなったことがあった。
そんな話をしているうちに、社員の間で廃棄することはもったいない、という意識が芽生えるようになった。
なぜなら、32インチの液晶は3万円台まで値下がりし、10年以上は使えるのに、40万近くで買った機械は、3年あまりで廃棄処分になってしまうからだ。
ホールに勤務しているが、パチンコ台が最後はどのように処分されているのか、知っているものは誰一人としていなかった。
爆裂4号機が闇スロ市場に流れて問題になっているように、本来、適正に処理されなければいけないので、お客さんにプレゼントは別の意味でもNGだ。
廃棄台はただ単に捨てられているわけではない。
一番高価な液晶や基板はリユースで再び遊技機に使われるほか、質のいい液晶はカーナビやDVDプレイヤーへと生まれ変わる。さらに、鉄クズ、木くず、破砕樹脂、破砕基板はマテリアルとして再び素材に生まれ変わり、それ以外のものは燃料としてサーマルリサイクルされている。
遊技機が高い、高い、といわれるのはそれ以上に利益を生んできたからだが、利益を生まない内に廃棄されるようになって久しい。3年間使えて、利益を生めば、ホールからも機械代が高いと文句は出ない。
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