ところが大半のホールは自店で打つことを禁止しているため、他店で打つことになる。そうした習慣が身についているためか、調査するにしても競合店が対象となる。
あるホールが会社の経費を使って競合店で打つ調査を行った。
「そんなことにカネを使うのなら、自店におカネを落とせばいい。競合店調査よりも自分の店に行って、自分が打ちたい台になっているか調査する方が先でしょう。それには社員に打たせて聞くのが一番早い。現場を上がった社員ならお客さんも顔を知らない。客のふりをしてお客さんから店の評判を聞くのもいい。競合店調査をしただけでは自店はよくならない」(某コンサル)
釘だけではない。玉飛びとかハンドルのガタ、椅子の不具合、空調、騒音レベルまで自分がカネを払ってまで打ちたくなる店になっているかどうかも分かる。
本来は店長などがチェックする項目であるが、なかなかできていないのが実情だ。
「最近はスロットを打つことが多いのですが、客として一番いらつくのがメダルサンドに札を入れて、戻ってくることです。その原因は紙幣が折れているとか濡れているケース以外には、センサーの汚れが原因です。定期的にメンテしなければいけないのですが、そんなこともおざなりになっていることが、お客さんのストレスになってきて、やがて離反につながっていく。おカネを使って競合店を調査しても、自店の粗は見つかりません。同じカネを使うなら自店調査で生きたカネを使うべきです」(同)
それだけではない。業界では当たり前の業務になっている頭取り調査も疑義を呈する。
「稼働調査を分析して対策を立てるのなら意味はありますが、その日の勝った、負けたに一喜一憂するだけならまったく意味がありません。アルバイトの時間を割い時給を払ってまですることではありませ。そんなことをさせるのなら、店内のゴミの一つでも拾ってもらうほうがよほど店のためになります。まず、自店でやるべきことをやって競合店を調査すべき。やるべきこともできていない状況でやるのは無駄な経費です」とバッサリ。
稼働が落ち込む店はお客さんの懐具合のほかに、お客さんのストレスを溜めこむようなことを積み重ねているわけで、離反の原因となることを最低限取り除かなければいけない。それは競合店調査では見えてこない。

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