パチンコ日報

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パチンコ産業革命その6

■新規オープンまで



パチンコ店の新規オープンはとても大変。特に現在は各地域で設置台数の自主規制も殆ど無く、1千台クラスの新規店舗も珍しくない。これらの最大のポイントは機種構成にある。



大概が市場調査をして出店計画を立てるのだが 中には地域の集客力が凄い、という理由だけで出店する所だってある。驚くばかりだが・・・



自分は当然、地域格差はあるのだが設置台数は5百台前後がベストであると考える。理由のひとつは、それ以上になると店舗責任者が二人以上必要であるという事。



そうすると考え方の相違が起きた時に、悪い方に転がる可能性が高いから。

一人の人間が十二分に遊技台を管理しようと思えば5百台ぐらいまでだろう。



当然 それ以上の能力を発揮できる店長だっている。しかし、自分が今まで見てきた中では 全国でも指折り数えるぐらいしかいない。となると複数の責任者を置くしかないのだ。



もうひとつの理由は、5百台前後であれば現状も今後も、非常に設置機種のバランスを取りやすい。これは経験則もあるのだが、主軸機種の安定とむやみな入替コースを無くすのにちょうど良い。



そして新規出店において、さらに大事なのは駐車場の問題。駅前や繁華街の中という特殊な例を除いては、必ず駐車場が必要である。それも出来れば遊技機の設置台数分を確保出来るのが望ましい。



平面がベターで、その際の注意点は必ず全箇所に車止めがある事。そしてやむなく立体駐車場にする場合には、通常よりも広めの通路と広めの駐車枠が望ましい。駐車台数が減る事になってもスペースは広く取るべき。



次にホール内の注意点。



最近は島の通路幅が広い店舗も増えてきたけど、悪い事ではない。しかし、広すぎるのは良くない。常に満台状態で出玉もビックリするぐらい大量であれば見た目にもいいだろう。



しかし、常時そういう訳にはいかないので、適度な広さというものがある。出ているという錯覚を起こさせる事もホールの営業手法の一つなのだ。



次は両隣の遊技客の間隔。これも広すぎず狭すぎずという事。通常はパチンコであれば遊技台プラスCRユニットの幅4センチプラスαといった所。



このαが大事で、10から15センチぐらいがベストだろう。設置台数を増やしたいが為に1センチなどというのは遊戯環境から考えると好ましくない。



あと意外に大事なのは、お食事所。身内でやってもいいが、大切なのは手軽で早くできるもので更に安ければ言うことはない。身内でやるのであれば、ここで儲けなどなくていいのだ。



遊技台については、その時々の内規に沿った遊技機がある為、一概には言えないが、間違いなく言えるのは、前述したように機種バランスが大事だという事。



主軸機種の設置比率も大事だが、確率のキツイ・普通・甘い機種それぞれのバランスを地域の客層や、周辺店舗の設置状況を考慮して設置を考えて欲しい。



■会員システム



この業界には様々な会員システムがある。ホール主導のものと、そうでないものがありそれぞれ利点・欠点がある。最近はメール会員というものもあり、意外と利用客も少なくない。



しかし最近は個人情報に敏感な時代となり、なかなかホールとしては最大限効果を発揮できるツールでは無くなってきている。来店ポイントを貯めてどうのこうのというホールも見かけるが、だから? という感じがしないでもない。



他の業界と違って、物品を提供できないため、サービスという部分にも限度がある。それらを踏まえても行ないたいというホールは、やればいいだけの話。ただその時間を作ってまで実施するのは利点が少ない。



近所のドラッグストアで、ポイントカードなるものがある。2つの店舗が競合しているわけだけど、意外とささやかな行いであるがチョッと嬉しい。



しかし男性と違って主婦感覚で言えば、同じ商品が1円でも安ければ、そちらに来店する。



ホールでのキーポイントはソコなのだ。



全員に公平・公正で同じサービスが基本なのだが、対象とするユーザー層によって内容を変えてアピールすべきなのである。



学生・サラリーマン・自営業・主婦・更にシニア世代の男女別など、それぞれの立場によってパチンコに対する考え方も金銭感覚も違うのだから、差別化があって当然なのだ。



その為にも、より多くのユーザー層の心理状態をホールは把握する必要がある。専門の部署があってもいいぐらいだ。



■貯玉システム



単なるメール会員と違って、貯玉会員システムは十分な個人情報が必要である。その為管理にも慎重さが必要なのだが、殆どのホールは驚くほど緩慢である。というよりも機能を十二分に利用できてないのが現実だ。



この問題点の一つとして、貯玉会員システムは現在数社ほどがシステム機器を販売しているけど、確固たるノウハウが構築出来ていないまま販売促進をしたのではないかという事。



どういう事かというと、機器の使い方や役割などはホールに対して説明があるが、それを使う事によってユーザーへの影響はどのように変化していくのかは未知のまま導入した経緯がある。



ホールも、ただ会員を募り貯玉をしてくださいといっても、何百人に一人入会するかどうかだろう。ユーザーの最大の望みは勝った時ぐらいは即現金が欲しいものだ。それがホール側とユーザー側のギャップである。



次の問題として、再プレー玉数と等価玉数の差を『手数料』と表現してしまった事。例えばユーザーが玉を借りる時は百円で25個だが、35個交換の店では10個の玉数が手数料扱いの範囲となる。



そして再プレーをするには5個の手数料だけホールが頂き、お客様は5個お徳ですよと訴える。しかしユーザーは一部の人しか理解できず、大半の人は常連であろうと毛嫌いをする。



特に常連に多い年配者に理解を得られないのだから、普及するはずがない。ではシステムをやらなければいいというのではない。せっかくあるシステムならば十二分に活用すればよいのだ。



説明不足であれば、ひとりひとり説明すればよし、色々な機会を設けてアピールするもよし。そういった努力をホール側は十分出来ているのかがとても疑問である。



大事なのは、ユーザー任せの姿勢ではなく、ユーザー側に立った考え方をどれだけ理解し、従業者全員で物事に対する取り組む姿勢なのだ。



■ホール設備の役割



ホール設備においで一番の根幹となるのが『島』と呼ばれるもの。これは現在主流の島還元方式が普及して以降、非常にトラブルが少なくなった。



これは業界内において非常に大きな事で、更に進化していく事を個人的に望んでいる。



がしかしその中でもネックだと思っているのは『音』。玉を磨く音であり還流させる音というのは顧客にとって正直耳障りでしかない。



それでなくても、パチンコ屋=ウルサイ、という図式が成り立っているのだから、そこを嫌っている人は、はなから店に立ち入る事がないではないか・・・



技術的に解消できる方法というのは、素人ながら難しくないと思うのだがどうだろう?



次に『ホールコンピューター』。ホールの人間からすると、出玉管理・売上管理が出来るものと理解しているけど、驚く事にユーザーの半数以上は『ホルコン』と呼び遠隔操作できるものと勘違いをしている。



その要因として、実際に遠隔操作店が摘発されているという事実に他ならない。殆どのホールは裏で操作などしていないにも関わらず、事が明らかになると、あの店もそうじゃないかと思われるのも仕方がない。



それを払拭する為には、それなりの専門機関を作り徹底調査を定期的に行ない、顧客に理解してもらう事が必要である。ただそれでもゼロにするのは容易な事ではないとも思う。



平成十九年春、遊技産業健全化推進機構というものが活動を始めた。これはホールに誓約書を提出してもらい、提出のあったホールに予告なく立ち入り調査などをして不正・その他を監視していくというものだ。



逆に誓約書を提出しなければ立ち入り調査が出来ないだろうし、提出しないホールに対して入替検査などが厳しくなる事などあってはならない。



そしてそもそも遊技産業健全化推進機構が天下り先であってはならない。そして機械にたいして精通した人間が調査に来るのかどうかという不安もある。形骸化だけに終わらなければいいが・・・



次に『監視カメラ』。これはホールだけに限らず、多くの店・場所で使われている。ビデオ録画だった時代と比べ、ハードディスクに録画するという格段の進歩を遂げた。



画像もかなり良くなり、不正防止対策としてはとても貢献していると思う。しかし正直不正はなくなってはいない。実際に不正を行なうものはそれらを掻い潜って行なっている。



上質の監視カメラを設置しているという安心感が、そのような油断を生む。最高の監視カメラというのは ホールで働く従業員の目であり直感なのだ。





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ガンは治療すれば命を縮め、ホールは機械を買うことで命を縮める

内部留保金額は1兆円?だという。



専門の調査会社を使って調べた結果の数字だというのだが、にわかには信じがたい。



ソフトバンクがボーダフォンを買収したときに1兆円規模の有利子負債が発生した、と報道されたが、借金と利益の1兆円では雲泥の差だ。



ちなみに今年度で内部留保のトップはトヨタの12兆6892億円。2位は三菱UFJフィナンシャル・グループの6兆2679億円、となっている。



何年間も貯め込んで積み重ねられた数字なんだろうが、内部留保が1兆円もあれば、それはそれで好きなことができるわけだ。



新規事業へ100億円投資できるのも、この内部留保があればこそか?



パチンコの主要メーカーは、上位ホールの内部留保を調べているということなのだが、それに基づいた安心感から、強引な販売方法を止めない、というのだ。



カネがあるうちに搾り取れといわんばかりの営業方法は、人間の体に巣食うガン細胞と同じなのだが、一般的にガンになれば、手術か放射線治療か抗がん剤の3つの選択肢しかない。



がんに罹ったら病院の世話になるのが、当たり前のように一般的に刷り込まれている。



これって、ホールは新台がなければ営業できない、と思い込んでいるホールと一緒だ。



慶応大医学部放射線科講師の近藤誠氏は著書の「医者に殺されない47の心得」として、長生きするには病院と薬を遠ざけることである、と説く。



近藤氏はガン治療の手術、放射線治療、抗がん剤こそが、医療の悪しき洗脳習慣であり、医療ビジネスとなっているからだ、と指摘する。



ビジネスだから定期健診の義務化を訴える。



近藤氏は「ガンの9割は治療するほど命を縮める。放置が一番」と言い切る。



血圧を薬で下げると数値は改善されるが、早死にするリスクが高くなることが世界の追跡調査でも明らかになっている。薬を飲むために薬を飲む医療界の風潮が薬漬けを増殖させる。これで喜ぶのは医薬品メーカーだろう。



医薬品メーカーはさしずめ遊技機メーカーだろう。



新台を入れないと集客できない、という恐怖感をホールに植え付け、新台漬けにする構造はまったく一緒。



近藤氏がいうように、ホールは新台がなければ営業できない、とメーカーに完全に洗脳されている。



善良なメーカー関係者はいう。



「カネがあるホールは、ちょっと煽てておけば、機械を買ってくれる、と営業マンは腹の中では舌を出している。台を買わない営業することでしかホールは強くならない」



ガンは治療すれば命を縮めるように、パチンコホールも機械を買うことで命を縮めていることに早く気づくべきだ。







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ローコスト運営

200台規模の併設店で社員を一人も雇わずにアルバイトだけで運営しているお店があります。



店舗は自社物件で家賃はなく、経費といえば、アルバイトの人件費100万円、水道光熱費50万円、その他諸経費100万円の月間経費250万円で運営しています。



機械代は1台あたり5万円前後の中古機を月間4台平均で20万円。



どれだけ多く見積もっても、月間300万円もあればお釣りがくると言いきっています。



このお店は200台規模なので、1台あたりの日粗利が500円あれば成り立ちます。



社員を雇っていないので、お店の開け閉め、日々の釘や設定、入れ替え書類の作成と提出、機械のメンテナンスまでを全て一人で行います。



この経営者は普通にホールに出て、お客様と挨拶をしたり、接客もしていて、昔の大衆娯楽であったパチンコ屋のような雰囲気をかもし出しています。



1年365日休みなく働いていて、苦ではないのかと聞いたら、「他の大手の人たちはもっとキツイですよ。私なんか空いた時間にゴルフも出来ますし、夜はお酒も飲めますから」と笑って答えていました。



このお店はお客様が少ないのですが、十分成り立っていて、このスタイルで10年ぐらい営業を続けています。



最近の新台は高額なうえ寿命が短くなっています。



また、機歴による販売や台数による納品日の遅れ、台数値引きもあり、中小店舗での新台頼みの営業は厳しさを増しています。



中小店舗が大型店と新台入れ替えで競いあっても数の論理でほとんど勝ち目はありません。



今後、遊技人口の減少や消費税アップなどパチンコ業界はますます厳しくなっていきます。



中小店舗が生き残っていくためには、売上を増やそうとする努力も必要ですが、いかに少ない経費で運営するかを考えなければなりません。



売上げや粗利の高さよりも利益率の高さが大事になると思っています。



例えば、



A店の月間売上げ1億円、粗利1,500万円、月間経費1,200万円、利益300万円に対して、



B店の月間売上げ4千万円、粗利600万円、月間経費400万円、利益200万円の場合、利益金額が高いのはA店ですが、利益率が高いのはB店になります。



A店は客数が30%減ってしまったら、150万円の赤字に転じますが、B店は30%客数が減っても黒字のままになります。



この経費の比率の違いは家賃と機械代によるものが大きく占めています。



パチンコ物件の家賃は他の業種と比べて、高く設定されているケースが多く、場所にもよりますが、都内だと200台で月の家賃300万円ぐらいが相場になります。



300万円の家賃の物件ですと、物件価格の相場が3億円ぐらいなので、利回り計算だと12%になり、家賃で借りたら、12%を払い続けなければなりません。



12%といったら、金利の高いノンバンクで借りるよりも高く、しかも、永遠に返済不能なものになります。



家賃は店舗を運営するうえで大きな負担になっているので、家賃値下げ交渉をしてもいいかもしれません。



機械代も下げて、経費を落とす必要があると思っています。



その他に、人員配備などの店舗運営の効率化をはかり、ランニングコストを落とし、損益分岐点を低くして、利益金額よりも利益率を上げることが、生き残れる手段になるのではないかと思っています。



客数が減るであろう将来を考えると、最大手ホール企業2社で生き残るのは、利益率の高いローコスト運営をしているほうなのかもしれません。







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夢の会員パチンコ

現実論として可能か不可能かは別として読んでいただこう。



「会員パチンコって聞いたことはありますか?」



「10数年前、会員カードがなければ入れないホールが実際、広島にあった、と思いますが」



「そういう会員カードがなければ、入れない、という意味ではありません」



ここでいう会員とは、月会費を払う会員のことを指す。



机上の空論といわれようとも、書き進む。



会員ホールを実行する都市は人口30万人以上。



ホールは1000台。この規模で2000~最大で3000人の会員を募る。月額は3万円。



仮に2000人の会員が集まった、としよう。これによってホールには月額6000万円の固定収入が入る。



月額3万円を払う会員のメリットは何なのか?



「出玉100%保証の釘調整と設定です。台の売り上げもすべて公表します」



この説明ではまだ会員のメリットがピンと来ない。



「出玉100%ですから、パチンコなら4万稼働は期待できます。仮に台売りが5万円なら5000万円の売り上げとなります。通常、ホールの粗利が15%とすれば、5000万円の15%で750万円になります。本来これがホールの利益ですが、会員パチンコはこの750万円をお客さん同士で分け合ってください、というイメージです。ホールは月額6000万円の会員収入だけでやっていく。日々の売り上げは、すべてお客さん同士で山分け」



段々、会員パチンコ像が見えてきた。



「ホールは極力経費を使いません。土地は坪500円以内の借地。建物は平屋建て。人件費削減のために全台各台計数機です。新台は入れません。全部中古。年間の入れ替え台数は500台。それもお客様の人気投票で決めます。会員パチンコなのでチラシやDMの経費もすべて削除できます」



100%出玉の店内は各台計数機なので、出玉感はないが、ランプ表示で何箱積んでいるかは分かる。



「お客様にすれば、こんなに出ているのに負けたのは、きょうは運がなかっただけ、と諦めもつきます」



逆転の発想とはまさにこのことだ。



1000台クラスのホールで月額粗利が6000万円とは、かなりレベルの高い数字だ。



6000万円を確保するために、新台を大量に買い続け、効果測定もできていないチラシ代もバカにならない。



イベント規制で集客努力も限界のところまで来ている。



それなら、会員パチンコにして、安定した月額収入が確保できるほうが、どれだけ楽かは容易に想像できる。



夢のような会員パチンコ。



法的にどこに問題があるのか指摘していただければ幸いだ。







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郷ひろみファンだったからパチンコ業界に入った

「さ5163」

「さ1635」

「さ5050」



この暗号的な番号が何を意味するか? 分かる人ならすぐに分かるが、興味のない人には何のことやらさっぱり分からない。



これをクイズに引き延ばすのもあまり意味がないので、タネ明かしをしよう。



最初の「さ」は深い意味がある。



これ以外のひらがなは、まったく意味をなさない。



後の数字はごろ合わせである。



ここまで書けば分かる人は分かってきた、と思う。



これは、車のナンバーだ。



では、答えを。



さ~、ゴーヒロミ

さ~、ヒロミゴー

さ~、ゴーゴー



郷ひろみの熱狂的ファンは、自分の車のナンバーにも5163を入れたがる人がかなりの数がいることが分かる。



過日、郷ひろみのコンサートが行われた会場の駐車場には5163、1635、5050の車だけで10数台を数えた。



ひらがなはいずれも「さ」。



「への5163では意味がない。あまりにも弱弱しい。5163にはさが一番似合う」(熱狂的ファン)というように「さ」ではないと価値が半減するらしい。



1971年8月1日、郷ひろみが鮮烈なデビューを果たした。新人の郷ひろみが九州・福岡の市民プールでイベントを開いた。当時中学1年生だったSさんは、デビュー曲の「男の子女の子」を歌う郷ひろみを見て、背筋が凍った。



「世の中にこんな美しい男がいるのか!!!」



それ以来、「郷ひろみ命」の人生が現在まで続いている。



で、自分が乗っている車は「さ5163」、奥さんの車は「さ1635」のナンバーを付けるほどの熱の入れようだ。



ある時、白いクラウンにぶつかりそうになったことがある。するとナンバーは「さ5163」。ドライバーはおばちゃん。止めて話を聞きたらやはり郷ひろみのファンであることがお互いに分かった。そんなことは一度や二度ではなかった。



中学時代から郷ひろみのファンになったSさんは、それがきっかけで、やがてパチンコ業界に入ることになる。



前置きが長くなったが、郷ひろみ物語の始まり、はじまり。



東京の大学を卒業したSさんは大手旅行代理店に就職する。その頃、郷ひろみは活動の拠点をニューヨークに移した時期があった。



ニューヨーク時代、カーネギーホールの隣のダンススタジオで郷ひろみはレッスンをしていた。そのダンススタジオが取り壊された。その跡地に78階建てのタワーマンションが建設された。



Sさんは郷ひろみに少しでも近づきたいと思うようになり、旅行代理店の社員でありながら、そのタワーマンションの49階の一室を5000万円で購入してしまった。



今から26年前のことだった。



5000万円のローンは、旅行代理店のサラリーマンの給料で返済するには荷が重かった。学生時代落語研究会に所属していた関係で、当時、駆け出しの落語家と一緒に住んでいたことがあった。



売れない落語家の下には結婚式の司会のアルバイトが入って来ていた。若手落語家がこなしきれない時に入ってきたのが、結婚式の司会の話だった。ローンの返済もきつかったので、このアルバイトの話は渡りに船だった。



1回3万円からスタートして、最高で5万円になった。



忙しい時期になると月に10本も司会のアルバイトの仕事が入った。月50万円稼ぐこともあった。



これで、返済も楽になった矢先だった。ある結婚式の主賓に勤め先の上司が呼ばれていて、アルバイトしていることがバレてしまった。



それを機に結婚式のアルバイトができなくなるのだが、捨てる神あらば拾う神あり。



当時、パチンコ業界ではラスベガス視察が始まりだして、ここに特化した営業企画でパチンコ業界に入り込むことになる。



今から20年以上前、組合団体、メーカーなどのラスベガス詣でが始まる。筆者もこの時期取材でラスベガスに行かせてもらったことがある。



往復の飛行機はビジネスクラスで、ワインが飲み放題。贅沢をさせてもらった。



Sさんはラスベガス旅行で一人のホール経営者と知り合う。



Sさんの企画力や行動力に惚れこむ。



やがて、立ち上げる新店に専務待遇で迎え入れたい、という話が舞い込む。給料は現職の4倍以上の厚遇だった。



ニューヨークのマンションの支払いに行き詰りかけていたので、渡りに船だった。



ただし、いきなり専務待遇で迎え入れるのは他の社員の手前もあるので、とりあえず半年間、自分で最低、最悪のホールを探しだして、現場経験をすることが条件だった。



新宿のホールで半年間住込み生活を送り、晴れて新店の会社に専務で迎え入れられた。



斬新なアイデアを持っていたので、専務として取り組んだ新店は業界常識を破ったホールとして話題にもなり、上々の滑り出しを見せた。



ニューヨークのマンションの支払いも楽になった。



一時期は歌手で女優のNMさんにも貸していたことがある。最近ではNHKの朝の連ドラで主人公の晩年役で出演していた。



いいことはそんなに長くは続かなかった。



そのホールを追われるように退職すると、私生活でも離婚問題などで、全財産を失う。その時にニューヨークのマンションも手放すことになる。



郷ひろみに恋焦がれて買ったニューヨークのマンションのローン返済のために入ったのがパチンコ業界だったが、すべてを失い、裸一貫から再スタートを切ったのもパチンコ業界だった。



前職の肩書はゼロで、ホール現場の玉運びから始めた。すぐに頭角を現し、現在の部長という役職を手に入れた。



50歳を遠に過ぎた今も、郷ひろみファンであることは変わらない。



「郷ひろみのファンでなければ、パチンコ業界にも入っていなかった」と述懐した後、こう続ける。



「郷ひろみはファンを裏切らない。肉体を鍛えているので、まったく年を感じさせない。コンサートに行くと一気に10代の頃が蘇り、当時の自分に戻れる。私が60になってもそんな気分にさせてくれる唯一のエンターティナーが郷ひろみ。安心感でいうところの海物語に通じるところがある。パチンコホールも最終的にはファンを裏切らないホールが生き残る」



郷ひろみの機械を販売しているニューギンやCMキャラクターに起用して入るホール企業に転職することはないが、接触機会のある会社がちょっとだけ羨ましい。





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