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端玉景品のミルキー200個大作戦

「ミルキーはママの味」とは、不二家の名キャッチコピーだが、実際にミルキーを最後に食べたのがいつだったかなんて覚えている人は少ないのではないだろうか。筆者もその一人だ。あの独特の柔らかい食感とミルクの濃厚さ。子どもの頃には馴染み深かったが、大人になるとすっかり遠ざかってしまう。なんとなく「幼児の食べ物」というイメージが強いからかもしれない。

そんなミルキーが、あるホールの端玉景品として6粒入り箱を扱っている。正直、あまり注目されない存在だ。


ところがある日、この地味なミルキーに脚光を浴びせた事件が起きた。常連の70代後半と思われるおばあちゃんが、なんとミルキーを200個、貯玉で一気に交換したのだ。

カウンター係は驚いた。

「これは一体どうするんですか?」と思わず聞いた。

普通なら、自分で食べるにしても200個は多すぎる。親戚中に配るとしても、この量は異常だ。

おばあちゃんの答えは「養護施設に寄付するのよ」。

え? 養護施設? 景品のミルキーを? カウンター係だけでなく、その場に居合わせた他のスタッフも耳を疑った。おばあちゃんによると、施設の子どもたちにお菓子を届けたいという思いで貯玉を使ったのだという。

だがこの心温まるエピソードには、少々の波乱があった。施設のスタッフによれば、最近の養護施設ではおやつはグミが主流で、飴類はほとんど扱わないのだという。その理由は5歳以下の子どもたちが飴を噛み砕いたり、飲み込んだりする力が弱く、喉に詰まらせるリスクがあるからだ。

これにはさすがのおばあちゃんも一瞬動揺したが、施設で試験的にミルキーを提供してみたところ、子どもたちから意外な反応があった。

「こんなに美味しい飴は食べたことがない!」

施設から感謝の手紙が届き、子どもたちの喜ぶ姿を思い浮かべたおばあちゃんの心は大いに満たされた。これに気を良くしたおばあちゃんは、さらに上を行くリクエストをホールに申し出たのだ。

「ミルキーの千歳飴を取り寄せてもらえないかしら?」

この一言にはホールのスタッフ全員が目を丸くした。千歳飴といえば七五三でおなじみの細長い飴だが、ミルキー版なんて聞いたことがない。だが不二家の商品ラインナップを調べてみると、なんと存在するではないか。


実はホールによっては、お客さんが交換した端玉景品を施設や福祉団体に寄付する取り組みを行っているケースもある。だが今回のように、個人が直接大量の景品を寄付するケースは極めて珍しい。

この出来事は、ホールが単なる娯楽の場ではなく、人と人との繋がりや、思いやりの輪を広げる場所にもなり得ることを示している。



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