現在、パチンコ業界は集客力の低下や法規制の厳しさに直面している。永守氏の理念をトレースすると、この困難の流れを自ら迎え入れ、チャンスに変えていくことが重要ということになる。
パチンコ業界の課題は、「金を使い過ぎる」「マイナスイメージが強い」といった社会的レッテルによって、パチンコは良くない業界だと思われていること。
この課題を解決すれば「一度やってみよう」と思える機会を作り出すことで、新しい市場を開拓できる可能性は出てくる。
たとえば「小額で遊べるゲーム」や「SNS連携ゲーム」などは、今の時代のニーズにマッチしている。
パチンコ業界の将来性を考えるなら、特にZ世代を取り込まなければならない。この世代はデジタルネイティブであり、自分の体験をオンライン上で共有したいという気持ちが強いのが特徴だ。
遊技機規則の問題は横に置いといて、たとえば、VRを搭載したゲームや、自分だけのキャラクターをカスタマイズできるシステムを提供する。このような新しいゲーム体験は、Z世代にとって魅力的だ。さらに、この道具を使い、SNS上でランキングやアチーブメントをシェアする作戦も有効だろう。
それだけではない。地域との関係性を作り直すのも重要だ。日報でも何度か指摘されている様に、「イベントスペース」として地域社会に溶け込むコンセプトを打ち出すことで、地域からパチンコ店を見る目も変ってくる。地域の特産品やイベントとコラボするプロモーションは、地域の魅力を高める効果が期待できる。
しかし、ここで忘れてはならないのが、パチンコメーカーの力だ。フィーバー機が誕生した時は業界全体に激震が走り、売り上げを一気に10倍に押し上げた。しかしその後、メーカーは「規制をかいくぐる」ことに一生懸命で、フィーバーに次ぐ革新的な遊技機の開発が止まっている状況が長らく続いている。この状況を打破し、ユーザーをワクワクさせるようなインパクトのある遊技機の開発が期待されるところだ。
「困難」は絶対に避けられない問題だ。しかし、そこに気づき、ちょっとした困りごとでもとにかく動くこと。これこそが、業界を再生させるキッカケになるのだ。パチンコ業界も、この思想でパチンコ業界の構造改革に生かしていく時だ。

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