立花が原資として当て込んだのは政党助成金だった。ガーシーが当選し、政党としての得票率も2%以上となれば、同党としては6年で12億円以上の政党助成金を受け取れる。立花は当選したら3億円を支払うとガーシーに約束していた。
その結果は周知の通りで、ガーシーは個人で30万票を獲得して見事当選した。その後はドバイから一度も日本に帰国することなく、結果的には国会議員を「除名」という形で、資格もはく奪されることとなる。
それでも立花はガーシーの成功体験から、次の参院選では若手の人気ユーチューバーに声を掛け、大量当選を目論んでいる。旧来のどぶ板選挙戦を一切することなく、30万票を取った実績は、選挙の方法を根本から崩すものだった。
2019年の参院選で立花自らが当選した時も、選挙戦術はユーチューブが中心で「インターネットが鉄砲とすれば街頭演説は刀で戦っているようなもの。鉄砲の数を増やす戦いだった」と振り返る。
永田町界隈からはこんな声が聞こえてくる。
「立花はパチンコユーザーから70万票を支持者にする戦略を立てているらしい。要はパチンコユーザーが悦ぶ政策を打ち出せばいい。ネット選挙戦略なので、ネットに弱い高齢者は最初からターゲットにはしていない。彼の選対委員長としての能力はウチでも欲しいぐらいだ」
旧NHK党は今後の議員数次第では自民党との閣議協力も辞さない構えだ。立花は憲法9条の改正にも前向きで、「日本の平和は日本を強くすることで守れる。軍事力があって初めて外交が出来る」と思想的には公明党よりも親和性が高い。ということは将来的には与党の立場になっていることも考えられる。
野党では法律を変えることは難しいが、与党なら俄然と実現性を帯びてくる。
パチプロで食い、軍団を率いていた時期もある立花はパチンコ業界には造詣が深い。ユーザー視点ではこんな苦言も呈す。
「パチンコ離反の理由は新台入れ替えが多すぎる。これではエンドユーザーは持たない。地域の店が連携を取って新台入れ替えは年1回。ユーザーは新台をそんなに望んでいない。ユーザーは、パチンコは回して、スロットは設定を入れて欲しい。今のような新台入れ替え頻度では釘は締まり、設定は入れられない」
2019年、敗れた大阪・堺市市長選では、公開討論会で堺の活性化のためにこんなパチンコ振興をぶち上げた。
「堺はパチンコ屋が滅茶苦茶多い。NHKを辞めて7年間パチプロをやっていた。今はパチンコが衰退しているが、堺市だけパチスロ4号機を解禁すれば一気に全国から世界から人が来る。そういう大胆なことをしないと堺は活性化しない」
最後は新規事業の提案だ。
「東京から6時間ほどの公海上ならギャンブルができる。パチスロ4号機の爆裂機を合法的に打ちたい。1枚100円。ミリオンゴッドなら500万円ぐらいは出る。おカネを持っている人はたくさんいる。豪華客船をホールが買う。カジノ船ビジネスをオススメします。仕事をした後は趣味が必要。コントロールできない人が依存症になる。所得の少ない人が負けて借金を重ねるからよくない。だから、所得に応じた免許制にする」
業界からの議員を出すためには、旧来の方法だけでなく、案外立花を応援した方が正真正銘のパチンコ議員が出る可能性が高い。

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