「今日の日報読んだか?」とプログラマーの下へ朝から着信があった。それは知り合いの遊技機メーカーのプログラマーからだった。フリーのプログラマーはリトンエソウ通信東京支社のエントリーの意味を熟知しているので、内心「引っかかったな」と思いながら、話を聞いた。
「S社がどこなのか、お前の伝手で調べてくれないか。どういう遊技機にするのか、出したメーカーは凄いことになるぞ」と真剣だ。
こみ上げてくる笑いを必死で抑えた。
「これ1パチコーナーに導入したらみんな打ちに来るよ。どういう映像を使っているのか気になる。それでサブリミナル効果が出るのかな?」
ちなみに電話の主は、映像演出のプログラマーを担当している。映像は自分の主戦場なので、映像と音によって睡眠を促進することが相当気になっている様子だった。
「メーカーはスマホ用も考えているはず。そうすれば世界中に売れる。俺も欲しいよ」と興奮気味に話す。
確かにパチンコ機だけでなく、スマホ版にすれば世界中がターゲットになる。スマホの見過ぎが健康被害を及ぼすとも言われているので、不眠症を改善するアプリの登場は待ち望まれるところだ。
また、ある遊技機メーカーの営業所のLINEグループでも話題になり、営業所長が「S社とはどこか探れ」と指示が出た。早速、営業マンの1人が日報の関係者を知っていると思われるホールに問い合わせを入れた。
25万円でどんな機械が出てくるのかということに加え、集客に使える、というのが関心事だった。
「例えば、30分無料で打たせることで、不眠症の人が来て集客に使える。コケても再利用ができる」(営業マン)と目の付け所が違う。
福祉系のパチンコを考えていた遊技機部品メーカーも不眠症改善というキーワードが刺さり、その開発に関わりたかった、という。
業界人だけではなかった。在京キー局の営業が日報を読んで「これは取材すべきだ」とリンク先を報道へ送った、という。
それほど、現代人は睡眠不足から快適な安眠を求めている。睡眠の質向上を謳い文句にヤクルト1000が品不足になるほどバカ売れしたことでもそれが実証された。
ヤクルト1000を飲むと深い眠りとすっきりした目覚めが迎えられることが話題になる。このビジネスチャンスを逃すものか、と競合他社も睡眠の質を高めるドリンクが相次いで発売されている。
で、話を最初に戻すと、電話を受けたプログラマーはタネ明かしすることもなく、電話を切った。
瓢箪から駒ではないが、こういうぶっ飛んだ発想が今の遊技機開発に求められるところだ。遊技機規則を掻い潜りながら、連チャンさせることしか頭にない開発陣の「連チャン脳」からの脱皮を図らないことには、面白い機械なんかできない。
追記
後日談をアップして新たに分かったことがある。
後日談のエントリーを読んでやっとエイプリルフールネタだったことを理解した都内のホールオーナーがいた。
4月1日のエントリーを読んだ時、ホールオーナーは取引先であるS社の営業マンに片っ端から電話を掛けた。
「ウチではありません」
「上層部のトップシークレットなのか、我々営業マンの所には下りてきていません」
「25万円はすごいですね。こんな金額でどんな機械がでてくるんですかね」
そんな反応がある中、1社の営業マンだけが意味深に答えた。
「知ってますよ。でも、本当のことは書けないのでS社としていますが、本当はN社なんですよ」
この営業マンはエイプリルフールネタだと分かっていたので調子を合わせた。
で、後日談を読んだオーナーはN社と答えた営業マンに電話を入れた。
「本当に信じていたんですか?」
チャンチャン。

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