例えば、帝国ホテルでは1杯1900円のコーヒー、1杯3000円のカレーを提供している。そこには誠心誠意尽くす奉仕料が含まれているから、客からの不満も出ない。
一方、パチンコはコーヒー代で帰る人はいない。普通に1万円ぐらい落として帰ってくれる。さすがに、パンチパーマでくわえタバコの従業員が表回りをしていた時代に比べれば、接客レベルは格段に向上したが、それは同業他社を比較してのことだ。
若年層を取り込むことができず、パチンコ店のコア層であるシニアはあと10年もすればいなくなる。さらに売り上げは落ち込む。そういう状況が分かっている以上、ホールは顧客の流失を防ぐ努力をしなければいけない。
デパートではどこも同じような商品を販売している。しかも定価販売が基本のデパートがどこで差別化を図っているかというと、それは人の力でしかない。
最後に差別化するポイントは人間力になる、ということは頭では分かっているが、パチンコ業界の場合、未だに機械営業に頼っている。コロナ禍以降ホールも新台購入に慎重になったが、新台がなければ商売にならない。少ない稼働で機械代を回収するために、釘を閉めることで、客離れに拍車をかけることが分かっていても、だ。
単純接触の原理がいうのがある。心理学用語で「個体間の親密さは、接触回数、接触頻度が多ければ多いほど増す」。接客業に応用すると、しょっちゅう会っていると相手に好意を持つようになる、という原理原則だ。景品カウンターは勝っている人がハッピーな気分で来る場所なので、相手に好意を抱かせる絶好のチャンスである。
好意を持つようになれば、少々の苦情も一瞬で吹き飛んでしまう。相手の立場に立って相手のことを考えれば、一層の好意を持ってもらうことができる。
従業員がホールで働いていて一番嬉しいことは、お客さんから「ありがとう」の言葉をかけてもらうことだ。
そのためには、より、お客さんを好きにならなければならない。
店長は毎日、ホールに出て常連客の顔を見て、積極的に会話をすることだ。それを実践しているホールは稼働が高い。そんな基本を教えられることもなく、事務所でデータとにらめっこの店長が多すぎる。
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