元釘師が自宅でゼロタイガーを2台整備して仲間内に打たせるようにしたのが、13年前。2台設置するのに、部品取り用に全部で4台購入した。当時、1台5000円だった。
いつしか、ただ打つだけでは面白くないからと、仲間から声が上がった。パチンコも含めてギャンブルはおカネを賭けなければ面白くない。
それで1玉10円で交換は5円に設定した。
最初に3000円分(300発)の玉を借りる。5000発終了にしている。終了すれば2万5000円になる。2台中1台は等価交換となっているので、終了で5万円となる。
違法賭博となるので、極々親しい仲間内だけでやっているが、そうした情報は漏れてくるものだ。ライターがこの情報をかぎつけ、紹介者の伝手で潜入することに成功はしたが、一切記事にしない約束で遊ぶことができた。運転免許証を提示して身分も明かした。
ライターは一線を退き年金生活する年齢で、昔夢中になったゼロタイガーを目の前にして当時が蘇ってきた。
「ボッタくり釘でないことはすぐに分かった。とにかく絶妙な釘だった。スランプも絶妙で開放釘ではないが、ハネモノは鳴かせてなんぼというのを感じさせてくれた。ゼロタイガーのVに入った時の音に、セブン機の大当たりとは違ったアドレナリンが出まくった」と興奮気味に語る。
1~2万円は負ける覚悟していたが、1万5000円の負けだったが、3時間も遊べて大満足だった。ハネモノを知らない世代の息子も連れて行ったが、ハネモノの楽しさに目覚めた、というが、今のハネモノは抽選によるラウンド性になっているので、面白さを半減させてしまう。
等価を打つ人は少なく、一発逆転を狙う時ぐらいで、大半は5円の方で粘る。元釘師もハネモノは等価には向いていない、という。
「おカネがかかっていないと真剣にならないように、おカネがかかっているから、釘調整をやる醍醐味もある。駆け引きがなければ、真剣に調整しない。皆、仲間内なのである程度勝たせる調整にしている」(元釘師)
2台しかない上に仲間内だけなので、毎日客が来るわけではない。月にして延べ人数で20人ほどだという。完全に趣味の世界で楽しんでいるが、違法であることには違いない。
ライターは旅行割が続くうちにまた来ることを約束して、名残惜しそうにその場を離れた。

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