パチンコ日報

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判断を先送りして結局、買い手がいなくなった

10年前に売却していたら…

ホール企業のM&Aが活発化し始めたのは2018年からだった。その理由は旧基準機の撤去・入替問題、2019年10月からの消費税10%導入、2020年4月からの受動喫煙防止法の施行が予定されていて、オーナーのやる気を削いでいった。加えて、予期せぬコロナ禍の逆風がダメ押しとなった。

社員のことを考えると路頭に迷わせることもできず、毎日悩みながら苦しんでいたが、ホール営業は日銭が入ってくる商売だけに、そのタイミングを見誤りがちになる。コロナ禍の3年間余りでホールの閉店ラッシュが加速した。2020年から今年3月までの閉店数は2368軒にも及んでいる。

「売れるときに売っていれば良かったのに」と今頃になって後悔しているオーナーも少なくないだろう。

関東で10店舗以上を運営するホール企業が一括譲渡を希望している。そのうちの半数は築年数30年以上の1パチ専門店だ。さらに、ホール以外の転用も効かない立地では買い手もつかない。買う価値があるのは1店舗ぐらいしかない。この決断を10年以上前にしていたら状況はもう少し違ったかも知れない。買い手がついた可能性もあるが、時すでに遅し…。

ホールのM&Aに詳しい関係者はこう話す。

「1パチ専門店は安い機械が入らなくなったら、ビジネスモデルが成り立たなくなるので、4パチコーナーがあるホールよりも早く潰れていく傾向がある。4円で客がつかなくなって1パチ専門店に舵を切るケースが多いが、まずは1パチ専門店にしないことが肝要。1パチの収益では店舗の改装もできない。古くて閉店予備軍は全国にまだまだたくさん残っている。特に地方では従業員の給料や経費を払ってオーナーの手元には10万円しか残らないようなホールが急速に増えている」

パチンコ以外に転用が効く立地であればとっくに売れている。過疎化が進行する地方は相当厳しいだろう。

閉店判断に拍車を掛けるのがスマート遊技の導入だ。4月からはいよいよスマパチの導入が始まった。中小・零細ホールではそんな設備投資もできない。大手と中小の格差がさらに広がって行く。

パチンコ客には考える暇を与えないことが鉄則

税収が足らない政府は、いずれ消費税も15%に上げることは予想できる。この事態を想定してホール経営をしている法人は何割ぐらいあるだろうか? 消費税10%に伴い、コインの貸し出しを1000円で47~46枚にしている。

15%になれば、単純計算で150円→7.5枚=8枚分を削らなければならない。随分損した気分になる。

消費税が上がっても必要なものは買うが、必要でなければ買い控えることになる。たとえ話は極端だが、砂漠のど真ん中で喉が渇いて死にそうなら、1本5000円のペットボトルでも買う。テーマパークは入場料が1万円になっても客が納得する新アトラクションを提供すれば来てもらえる。つまり、必要と思わせることが重要だ。

では、パチンコを必要なものと思わせるにはどうすればいいか?

答えは面白い機械と出玉しかないの2択しかない。機械はホールでは作れないので、結局、ホールは出玉で勝負するしかない。

「おカネに無頓着な人がパチンコ業界を支えている。そういう人には深く考えさせないで思考力を停止させること。考えさせる間を置いてはいけない。鉄道会社の自販機は紙幣を重ねて入れられる。ホールの台間サンドも一度に何枚も入るようにして、考える時間を与えないのが鉄則」(同)

100円しか使えなかったサンドが1000円札対応で、しかも一発1000円貸しが登場した時は、業界が衝撃に包まれると共に、売り上げアップに貢献した。

おカネばかり使わせ、リターンが極めて少なくなったから業界は衰退したのに、あまり賛同できる話ではない。

最後はなんか脈絡のない話になってしまった。


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