例えば、手荷物。一般航空会社は20キロまでは無料だが、LCCは1700円かかる。無料のドリンクサービスは200円から。座席数を増やして多くの客を運ぶことで収益を出すLCCは座席の間隔も5センチほど狭い。
機内サービスの簡略化や人件費の削減、機材の運用効率を上げることで、格安料金を提供している。その結果、東京~新千歳の料金が1万3000円に対して、LCCは7400円、と半額近い料金を実現している。
で、このLCC理論をホールにも適応したい、と考えているチェーン店オーナーがいる。LCCが登場した頃から温めていたこの企画が、スマート遊技機時代になっていよいよ可能になると考えている。
LCCパチンコとは、接客サービスなどは一切しない、ということをコンセプトにしている。接客をしないということは、接客教育するコストも省ける。そうした人件費や教育費をカットした分を出玉で還元するというのが最大のウリだ。
LCCも座席も狭く快適性はない。ドリンクサービスもないが、それよりもより安く移動できることを重視する層には一定の支持を得ている。
特にパチンコ客は作り笑いの接客などを求めていない層が多いことも事実。LCCパチンコを考えたオーナーも90%は接客よりも出玉を求めている、と確信しているからこの発想に至ったわけだ。
物事には段階がある。そう、マズローの欲求5段階説のように。
最初の「生理的欲求」は食欲や睡眠、排せつなどの生きてくための本能的な欲求である。これがクリアされて次に「安全の欲求」になる。心身ともに健康で経済的にも安定した生活が送りたい、という欲求である。
以降、「社会的欲求」、「承認欲求」、自己実現欲求と昇華していく。これをパチンコ業界に置き換えてみよう。
ユーザーにとって最初の生理的欲求とは、「パチンコで勝ちたい」だろう。40玉交換時代なら16割営業でチャラだったので、13~14割営業で玉を出すことができた。それが等価になり8~9割営業になったものだから、「スタートが回らない」、「設定が入っていない」とユーザーは不満が鬱積して、それが離反にもつながった。
で、ホールがやっていることは、生理的欲求も満たされていないのに、次の段階である「安全の欲求」=接客サービスに力を入れてきたから、反感を買うことになる。順番としては出玉競争でそこそこの満足が得られたら、はじめて次が接客サービスの競争となる。玉を出さないで接客で胡麻化そうとしても通用しない。
LCCパチンコは、まさに今のユーザーの求めに応じるものだ。接客サービスを一切しないのはいいが、等価・高価営業で回らない、設定が入っていないでは、同じ轍を踏むことになるので、併せて低価交換で成功して欲しいものだ。
それ以前に気になるのが完全スマート機にするにはユニットを含めると台当たり80万円以上の初期投資が必要になる。もちろんそんな状況ではいかにLCCパチンコであろうとも出玉で勝負することはできない。台もユニットも中古が安く出回る何年も先のことになる。それまで、そのホールが持っているかどうかだ。
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