売り上げ・粗利を求めるということは、ユーザー側には優しくない営業を強いてきたことになる。その結果が710万人(レジャー白書調べ)という数値に現れている。今こそパチンコ業界が追求すべきことは、売り上げではなく、遊技人口を増やすことだ。業界全体で遊技人口の目標値を掲げ、そのために何をすべきかは、自ずと分かってくる、というものだ。
今、ホールの低貸しコーナーを支えているのは、年金生活者と言っても過言ではない。
都内で人気の立ち食いソバ屋がある。かき揚げのてんぷらは丼一杯になるぐらいの大きさで特に人気だった。去年、かき揚げうどんを10円値上げしたところ、客足が落ちた。
その原因をシンクタンクが調査したところ、来店回数を減らしたのが年金生活者であることが分かった。
安いかき揚げうどんを毎日食べていたとしたら、10円の値上げでも月に換算すれば300円になる。サラリーマンなら10円の値上げは少しも気にならないが、年金生活者にすれば、10円の値上げは大きい。なぜなら、物価が上がっても支給される年金は上がらないからだ。
特に今年は食料品から電気代まで値上げラッシュの年になっている。年金生活者にすれば、どこかを削らなければならなくなる。
それが立ち食いソバ屋の来店回数を落とすことだったのだ。
スーパーで売られている30円のもやしと28円のもやしでは、2円安い28円のもやしの方が、1.5倍多く売れる。スーパーは庶民に目が向いているから、1円の値付けにも気を配る。それぐらい庶民は値段にはシビアなのだが、パチンコ業界にはスーパーのような庶民に目が向いていないし、立ち食いソバ屋の10円値上げしただけで客数が落ちる感覚がない。
パチンコを大衆娯楽と言い続けるのであれば、年金生活者の気持ちをもっと分からなければ、値上げラッシュでさらにパチンコから足が遠のくというものである。
東京ディズニーランドは1デーパスポートの値上げを何度か繰り返すうちに、土日祝の一番高い入場料は大人が9400円になった。それでも定額制なので安心感があるから、ディズニーファンには値上げは関係ない。パチンコは定額制で遊べるわけでもなく、公営競技のように配当が青天井でもなく、出玉の上限は規制されている。
こうした問題をクリアしながら、遊技人口を増やすことに業界を挙げて傾注しなければならない。
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