Web広告を手掛ける会社は、社員60名ほどの規模だ。コロナ禍で毎日出社することもなくリモートワークが主体となっていた。この勤務体系で社員の同棲が発覚した。バレた理由は簡単だった。コロナに感染して男女が同時期に会社を休んだことだった。
社員の1人が女性社員宅に食糧を届けに行くと、自宅で静養しているはずの女子社員は不在だった。怪しい前兆はwebカメラに映る部屋の雰囲気が似ていたこともあったが、同時にコロナに罹ったことで完全にバレてしまった。
本題は同棲がバレたことではない。
この会社の取引先は150社ほどあるが、その中にホール企業が数社含まれていた。そのうちの1社から値引きの要請がきた。それまで一度たりとも値切り交渉はなかったのだが、コロナ禍で業績を大きく落としたホールの担当者は、会社から聖域なきコストダウンの指令を受けていた。
コストの見直しを図っているのは何もパチンコ業界だけではない。あらゆる業種がコロナ禍で業績が落ち込んでいるのだから仕方ないことだ。
値引き交渉に対して一切受けないわけではないが、ホールの値引き交渉は度を越していた。
Web広告会社の社長は40代。これまで一度パチンコをやったことがあるが、嵌ることはなかった。パチンコ業界に対してはこんな印象を持っていた。
「あんな面白くもないことをやっていて、儲かっているのが不思議」と思っていた。この10年でパチンコ店の取引先は半減した。
「パチンコ店の社員の方は、特に交渉能力がなかった。大阪のおばちゃん方式で無理な値切り方をしてきた。こんな手法はビジネスの世界では通用しない」と最終的には取引を止めた。ホールは同社が提供する勤怠管理システムも導入していたが、これも切られてしまった。
「三方よしでなければいい製品は作れません。ウチはいいものを作っているので値引きは受けないプライドもある。150社まで取引先が広がる中で、一番ビジネスマナーを知らないのがパチンコ店。とにかく対外交渉が酷い」と指摘する。
このケースは業界外の会社との取引ケースだが、業界内での取引にも異変が起こっている。あまりにも無理難題な強制値引きを要求をしてくるために、業者の方から三下り半を付けているホールもあるようだ。
それまでは上得意先で無理な要求にも何とか応えてきたが、さすがに三方よしにならない取引はできない、ということだ。
ホールも下手に出る時代になってきた。
強引な値引き要求はビジネスの世界では通用しない
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