この番組を観たことがきっかけで、地方のホールに興味を持つようになったエンタメ系のライターが、自ら地方で低貸しを主体にしているホールを取材するようになった。理由は大都市圏でまだ遊技人口がある地域には興味がなく、地方で消えゆくものに興味が惹かれたからだ。
取材した当初はまだ経営も成り立っていた。それは安い中古機が手に入り、稼働が良かったことが挙げられるが、コロナ禍を境に状況は一転する。
「コロナで表に出なくなった60~70代のお客さんたちがスマホで競馬をやるようになってから、戻らなくなった。毎日25万人が感染しているようなニュースが連日のように流れれば、高齢者はますます戻ってこなくなります。前年比で2割は売り上げが下がっているようです。ネットで競馬をしている人はコロナが治まっても戻ってこないでしょうね。今やっているお年寄りもいずれ亡くなっていく。安い中古も入らず、稼働も下がれば今のビジネスモデルは続かない」(ライター)
取材先のホールは2店舗を経営する零細企業。オーナーの息子の専務は50代で、もうパチンコ経営にも未練はない。売れるものは売ろうという考え方に変わった。
2店舗中、1店舗(300台クラス)に買い手がついた。
いくらで売れたかは定かではない。これまでの借金を引けば、手元には2000万円ほどしか残らなかったが、それでも売却した。
ちなみにオーナーは単組の組合長も務めているが、この30年間で組合加盟ホールは8割減。店舗は建て替え時期をとっくに超えているが、遊技人口も少ないこの地で、建て替えは無謀である。
パチンコ店の過去と現在がデータベース化されている「ここパチ」の閉店情報を見ていると、パチンコ業界の栄華の歴史を紐解くかのようである。店舗数は最盛期に比べ全国平均では65%減だが、地域によっては8割、9割減というところもある。
過疎化が進む西日本の人口2万人足らずの街に9店舗が営業して過去は、それだけの遊技人口がホールを支えていた、ということだ。体力のないホールから脱落して行き、生き残れたホールが勝ち組かと言えば、そうでもない。田舎のホールを支える高齢者がいなくなれば、それでゲームセットだ。だから若年層を開拓していかなければならないわけだが、スマート系遊技機がどれだけに新規開拓につながるかにかかっている。ただ、どんないい遊技機でもホールの使い方が悪ければ、それまでだ。
前出のライターは地方のテレビ局に企画を持ち込んでいるようだ。「街から消えゆくパチンコ」というタイトルで特番を組まれないようにしなければならない。
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