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「いきなりステーキ」や「俺のフレンチ」が儲かっているのは、サービスをそこそこにコストを抑えて安く提供している、これは半分正しく半分間違っています。
これらの店舗は何れも立食いです。ゆえに回転率が高いのは確か。食べ終わったらすぐに退店してくれる。
さらに、椅子が無い分、客一人当たりの店舗占有面積が少ないのです。結果、同じ店舗面積で客数が倍近く多い。だから薄利多売が可能になります。
実際、これらの店に行くと立食いである以外のサービスは普通の店とそう変わりはありません。
ホールのサービス過剰、スマイル過剰は確かに必要ないかもしれませんが、ここで質を落とすと「店の印象が悪くなった、サービスの質が落ちた」と言われるでしょう。出さなくなっていたとしたらなおさら。
一度質を上げたら、それを維持し続けるのは商売の基本であり必須事項です。
こんなに美味しくて安いなら多少の狭さや立食い位は許容する、というお客さんが行列を作ります。ゆったり食事をしたい、金額に糸目をつけない、あるいはお年寄りはこの様な立食いの店には足を運ばないでしょう。
ある意味、ニッチなマーケットなんだと思います。
この様な商法がホールに活かせるか、例えればすぐに分かりますが、提供する料理の質が問われます。
メーカーが良い食材を提供してくれないと嘆く前に、良し悪しを見極める目利きの力と、調理の腕を上げる事を努力してみてはどうでしょう。
少なくとも、止め打ち捻り打ち禁止なんて言っているうちは台の出来について文句を言う以前の問題です。
「ホールはどんな客に店に来て欲しいのか」
本音を言えば、勝ち負けを気にせずお金を使ってくれる、借金してでも打ってくれる客、というところでしょうか。
でも、そんなお客さんはもう殆どいないのです。
今大切なお客さんは「長く通ってくれる」常連さんでしょう。だからサービスにも意味が出てくる。
常連さんにも2種類います。勝っても負けても来てくれる人と、勝ってるから来てる人。
でも勘違いしてはいけないのは、負け続けても来てくれてはいるけれど、来店頻度が減ったり投資額が減ったりしているはずです。
勝ってるから来ているお客さんも、たまには負けてるはずです。勝ったり負けたりしているのに店に来てくれるのは、その店に勝てる可能性を感じているから。
これらのお客さんに満足して打って貰える様な営業をすべきでしょう。ここで言う満足を100%出玉でこたえるか、サービスの比率をどの程度にするかが店の腕の見せどころではないでしょうか。
ネット世代のお客さんはホールに来るのをやめても、業界の動向は常にチェックしています。
勝てる可能性が上がったらさっと戻ってきます。戻らないグループは動向など気にしないでしょう。
店が賑わうと一般のお客さんも戻ってきます。経験者が初心者を連れて来る光景も増えるかもしれません。
客が増えれば薄利多売に出来るのに、と言うならまずは台に責任転嫁せずにホールでできる事をやるべきです。接客や設備の向上は間違ってはいません、が的を外しています。
最後に「そんなこと出来るものならとっくに実行している、客は好き勝手言うだけ、こちらにはこちらの事情がある」とホール関係者は言われるかもしれません。
でも、生き残るホールはそれを実行したホールになると思います。答えが出るまで10年かからないのではないでしょうか。

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