「パチンコ店は3店方式(換金)が前提になっている。そのために風俗営業で縛られ、出店する場合も規制が多い。この換金と風俗営業から脱却した発想の転換がなければ、新しいパチンコ店はできない。まず、新しいカテゴリーの店舗を作らなければ、店舗数も増えない」(メーカー関係者)
4パチでユーザーが減る受け皿となったのが、1パチであるが、スリープユーザーの掘り起こしに寄って、遊技人口の下げ止まりに寄与はしたものの、新規ユーザーを開拓するには力不足だった。
このメーカー関係者が考える新しいカテゴリーのホールとは、換金を一切行わない、一般景品だけで集客するホールだ。
このカテゴリーに果敢に挑戦したホールは過去にあった。
今から10年ほど前、ドン・キホーテの中にスロ専をオープンさせ、換金なし、一般景品との交換のみ、メダルは1枚10円で、いわゆる“7.5号営業”を展開したことがあった。
景品はドン・キホーテで扱っているもので、店内はドン・キホーテよろしく圧縮陳列で、ホール内の至るところに景品を展示していた。パチンコ店の景品にはないような賞品が取り揃えられ、景品と交換する楽しさがあった。
これを展開したのは元々8号営業の経営者で、7号営業はこれが初めてだった。
業界でも話題になった。
1号店は広島市、2号店は金沢市のドン・キホーテ内にオープン。その後4号店まで展開していたような記憶がある。営業許可は7号営業で取っているので、8号営業と違って1万円までの景品と交換できる。ここがゲームセンターとの大きな違いだった。
新しいビジネスモデルとしてFC展開の話もあった。ところが、いつの間にか業界からフェードアウトしてしまった。
「メーカーとしても換金目的ではなく、レジャーとしての台を開発しなければならない。ゲームセンターのクレーンゲームの人気が高い。クレーンゲームは技量が必要で、そこに欲しい景品があるからなかなか廃れない。技量を必要とする今までとは違う遊技機にして、景品もパチンコ店でしかないものを取り揃える。店の規模は50台でもいい。換金がなくても遊んでもらえるホールを作ることを業界が一丸となって取り組まなければいけない」(同)と力説する。
今のパチンコ台をそのまま使っても無理だろう。換金なしで、一般景品だけでも十分遊技性を楽しめるパチンコ台の開発の方が先になる。ただ、今回はメーカーが考えているので、可能性はゼロではない。
次はパチンコ店でしか扱っていない魅力的な景品の開発も必要になって来る。
それを大手メーカーを巻き込んで、プロジェクトで取り組めば、明るい未来も見えてくる、というものだ。

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