「もうこれ以上、続けても意味がない」と2代目はついに会長である父親に全店舗を売却してしまいたいと訴えたのである。
父親としては、これまで築き上げてきた財産と地位をこんなにも簡単に放棄してしまうのは耐え難い。しかし、2代目が経営に対する意欲を失ってしまった現状を前に、会長もまた悩み抜いていた。自分が一代で築き上げた帝国を、このまま衰退させるわけにはいかないが、かといってやる気のない2代目に引き継がせることにも限界がある。
そこで会長が出した結論は、パチンコ業界から静かな撤退。新たなビジネスチャンスを求めて航空機リース業界へシフトするというものであった。ホール経営を縮小し、そのリソースを航空機リースに投資する計画だ。「地上から空へ」とは言うものの、この決断はまさに「空に賭ける」一大博打である。さらに、会長が出資していた遊技機の開発会社からも資金を引き揚げたのであった。
意欲がないと言えば、それは遊技機メーカーにも共通する。営業所や工場を閉鎖し、開発会社に特化する動きを模索するメーカーが出始めている。これは、リスクを軽減しつつ、効率を高めるための戦略であるが、同時に人員削減の波が押し寄せる可能性も含んでいる。
このような状況下で、会長は業界全体が変革の時を迎えていることを痛感している。2代目のやる気を取り戻すためには、何か新しい刺激が必要だと考えたのだろう。しかし、その新たな挑戦が果たして成功するのか、航空機リース業界で真価を発揮できるのかは未知数である。
一方で、ホールを売却すれば、2代目は一生遊んで暮らせるだけの資金を手にすることができるだろう。だが、それは2代目が本当に望んでいることなのだろうか。父親として、会長は息子に「一生遊んで暮らす」だけの人生を歩ませることに強い抵抗を感じている。
むしろ、彼が新たなビジネスで真価を発揮し、再びやる気を取り戻すことを願ってやまないのだ。
結局のところ、2代目の未来もまた、パチンコ業界の行方と同様に、空高く舞い上がるか、それとも地に堕ちるか、まさに運命の分かれ道に立たされているのである。今後、2代目がどのような決断を下すのか、そしてそれがパチンコ業界全体にどのような影響を与えるのか、その行方はまだ誰にも分からない。
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