パチンコ日報

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無趣味の人たちに支えられてきた低貸しの終焉

還暦で定年退職を迎えたAさん。彼は運良く再就職先を見つけ、健康食品の卸会社で営業事務職に就くことができた。60歳以上で再就職といえば、交通整理の警備員かビルの清掃員が定番だが、Aさんは幸運にもデスクワークを手に入れたのだ。「これで第二の人生も安泰だ」と喜んだのも束の間、突如としてリストラの影が忍び寄った。

その原因は、世間を騒がせた小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」による死亡事故であった。悪玉コレステロールを下げると謳われたこのサプリメントだが、摂取した人たちの間で予期せぬ事故が発生し、健康食品業界全体が揺れた。その余波はAさんの勤める会社にも及び、サプリメント全般の売り上げが激減。結果、会社はリストラを余儀なくされ、真っ先にAさんがその対象となってしまった。

「まさかこんな形で再び職を失うとは…」と嘆くAさん。しかし、人生は予測不能なもの。定年後の余生を彩るはずの職が消え去り、やることを失ったAさんは途方に暮れる。趣味もない自分を恨みつつ、日々を持て余す彼がたどり着いた先は、昔から好きだったパチンコホールだった。

かつてサラリーマン時代には4円パチンコで戦っていたAさんだが、今は1円パチンコで時間をつぶす日々。無職の身では贅沢はできない。1パチコーナーに腰を下ろし、昔を懐かしむように玉を弾く。だが、ふと周りを見回してみると、そこにあるのは同じように時間を持て余した高齢者たちばかり。

そんなある日、Aさんは一つの考えに至る。

「われわれの世代はゲームに嵌ることもなかったが、今の若者は違う。パチンコを打ちながらスマホでゲームを楽しんでいる。しかし、ここ1パチコーナーではスマホを見ながら打っている客は一人もいない。10年もすれば、この1パチコーナーから客は消えてしまうのではないか?」

Aさんの視点は鋭い。1パチコーナーは、60歳以上の無趣味な人々が支えてきたが、その次の世代となると事情が変わる。若者は多趣味で、パチンコの魅力など目に入らない。ゲーム、ネット、動画配信サービス…現代の娯楽は多様で、パチンコの単調な刺激では彼らの興味を引き続けるのは難しい。

Aさんが感じたこの危機感は、業界全体にも共通している。かつて低貸しパチンコが隆盛を極めた時代には、「これからは低貸しが主流だ」と言われていた。しかし、Aさんが気づいたように、世代交代が進む中で、1パチはかつての輝きを失い、徐々に衰退の道を歩み始めている。今後10年、20年を見据えたとき、1パチコーナーはその存在意義を失い、業界の片隅に追いやられる運命にあるのかもしれない。

結局のところ、1パチが支えているのは、もはや「最後の砦」となった高齢者たちだけなのだ。若者が振り向かない中で、この砦が崩れ去る日は、そう遠くないのかもしれない。


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