パチンコ日報

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経営を圧迫する1円ではなく2円で未来を切り開け

あるメーカー関係者が次のようなコメントを出したのは、4年前の2021年のことだった。

「1パチをなくさない限りパチンコ市場は元気にならない。今振り返ると、1パチは諸悪の根源だった。良性だった腫瘍が悪性に変わった。それが今の1パチとも言える。1パチは延命治療でしかない。1パチで利益を出すビジネスモデルが無理になった。低貸し専門のホールはこれからどんどん淘汰されていく。1パチを脱却しない限り業界の将来はない。1円脱却後は2円ですね。新台価格を下げて2円で営業ができる遊技機開発が今後の鍵になってきます」と危機感を露にする。

パチンコ日報では10年以上前から2パチの可能性について取り上げてきたが、芳しい成功例はなかなか出てこない中、低貸しのイメージが強かったダイナムが2パチ、10スロに舵を切ろうとしている。

2025年は2パチの時代が本格的に訪れるのか? 2パチ導入を検討しているホール関係者がこれまでの失敗例を踏まえ、成功するための研究を行っている。そもそも論だが2パチ需要があるのかだ。 

「ユーザーの掘り起こし案はまだ叩き台レベルですが」と前置きした後で、こうつづける。

「全国的な失敗事例として、4円、2円、1円、0.5円など多レート構成が原因かと思われます。仮説ですが、遊びたいお客様は、1円や0.5円があるのなら、そちらを打ち、勝負したいお客様は、4円を打つと思います。多レートだと2円は中途半端になります。これが失敗の要因の一つです」と指摘する。

川の水は高いところから低いところへ流れるが如く、4パチからドロップアウトする客の受け皿となるのが2パチだ。1パチ客が流れに逆らうように2パチへ移動することはない。

やるなら2パチ専門店か2レートにすることを提唱する。

「商圏内の設置台数・客数で優位に立てないのであれば、2円に専門特化した店舗は生き残っています。また4円の代用として、1円・2円の2レートでは、キクヤ堺北店やオメガ草津店があります。1円の代用として、4円・2円の2レートではキング観光サウザント名古屋駅柳橋店があります」

2パチ客を掘り起こすうえでは、交換率にもこだわりが必要になる。

「2.5円の2円交換です。遊べる(時間消費型)と勝負できる(まとまった景品)の両立が、この交換率で2円パチンコの需要の掘り起こしになることが考えられます。ダイナムさんは現在2円の設置割合は1BOX、10%程度です。今後、ダイナムさんが2円を増やして差別化を図った場合、競合店は追随できず、脅威だと考えます。しかしながら、4円減台で売上は失いたくない、1円は客数を失いたくない。減台のベストバランスを模索中ではと思います」

全国的に稼働がない4パチではあるが、売り上げ・粗利が上がるのは4パチであることから簡単には捨てきれないのが現状だ。かと言って低貸し路線を突き進めば、業界の将来はない。肝になるのはやはり2円だ。

厳しさを増すパチンコ業界は強いものが生き残れる訳ではない。また、賢いものが生き残れる訳でもない。店の生き残る方向性を明確にし、変化に対応したものが生き残ることになる。



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