パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

対決ものではないパチンコバラエティー番組が見たい!

テレビ番組の制作会社からある伝手を辿って業界人の所にレクチャーオファーが来た。

雨が降る4月のとある日、新橋駅に向かった。

これまでにも日報ではテレビ局がパチンコドラマを企画している、という話は書いている様に、また、ドラマの話でもされるのかな、と思っていた。

制作会社が着目したのはパチンコメーカーがテレビCMを再開したことだった。

「メーカーがCMを再開するということは有望な業界なので、業界のことをもっと深く教えて欲しい」

若いディレクターは急にパチンコメーカーがCMを始めた時代背景も知らなかった。

東日本大震災で電力不足の時に煌々と電気を点けて営業する一部のホールによって、パチンコ業界が大バッシングを受け、それを契機に日工組が10年間に亘りテレビCMを自粛していたことから説明することになった。

その他、遊技人口が減り続け、ホール数も閉店ラッシュが続いており、その原因の一つに等価交換営業が起因していることなどをレクチャーした。

各メーカーのテレビCMは全てチェックしていた。

「あのCMを見て、メーカーのやる気も感じられない。費用対効果の望めないCMで終わっている。30~40代の脳裏に残るCMでもない。パチンコをやらない人にも目を向けさせる内容でもない。どこにCMを打っているのか、戦略が分かっていない広告」とバッサリ切り捨てる。

メーカーの役割は遊技機を開発して売るだけではない。スリープユーザーを掘り起こし、ノンユーザーにもパチンコに目を向けさせる機械作りが求められる。少なくとも、今流れているCMはほとんど効果がないことだけは言える。

で、テレビ局に求められるのは、業界が掘り起こしたい20~30代のユーザーがパチンコに興味を惹くようなバラエティー番組だ。従来からあるようなパチンコ対決では食傷気味で新味もない。

例えば、国道ごとのパチンコすごろく旅だ。国道沿いにあるホールをサイコロを振って、タレントが歩き旅をする。出た目のホールで与えられた課題をクリアすれば、前に進めるが、クリアできなければサイコロの目だけ下がる。閉店したホールだと罰ゲームが待っている。

ホールに集う人たちのエピソードをタレントが引き出して、トークバラエティーの要素も織り交ぜる。旅の費用はホールでアルバイトして稼ぎ出す。

テレ東っぽい内容ならより視聴率も取れること請け合いだ。


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パチンコ屋さん その5

田舎にあるパチンコ屋さんに訪問しました。顔見知りの主任とは久しぶりに会います。

元気かと尋ねると開口一番「先生、もう大変すぎて死にそうです」とのことでした。

何が大変なのかと問うとアルツハイマーと疑わしきご老人がいらっしゃってその対応に、四苦八苦しているとのことでした。

あるお婆さんはお金をサンドに入れたのに何も出てこない、と訴える。

本当にお金入れたの?と聞くと間違いなく一万円札を入れたと自分の財布を開けて見せる。
その財布の中にはお金で買った遊技カードが入っていた。

ちゃんと買っていましたね。良かったですね、とお婆さんと笑ってその場を収める。
それが1週間のうちに何度もあるのだという。

あるおじいさんはパチンコをしながらお漏らしをしてしまうそうで、おじいちゃんおしっこ漏らしたでしょ?と聞くとしていない、の一点張り。その問答を二、三度繰り返しじゃあ立ってみてと言うと椅子にはしっかり粗相の跡がある。

おじいちゃん今日は体調が悪いからもう帰ろうね。おじいさんは素直に席を立ち帰る。それから一時間ほどするといつの間にかまたパチンコをしている。

そして二度目のお粗相。そこで聞いてみる。おじいちゃんそれでもパチンコしたいの?と。

自分はパチンコが好きでたまらないのだと言う。それならば今度来るときはオムツを履いてきてみたらどう?とやんわり進めてみる。そしてその翌る日。そのおじいさんにオムツをはいてきた?聞いてみるとズボンを下げてはいてきたことをアピールしたのだという。

もう大変だというその主任の表情には意外と困った色はない。むしろそれを楽しんでいるくらいの勢いで苦労話を私に告げる。予想外の行動をしてしまうご老人。その対応に追われる若者。その現実は理想論や誹謗中傷など通用せず、ただ現実の出来事として存在する。

ひとしきり主任の話を聞いた後思い浮かんだ顔がある。皮肉にも私が知っているメーカーの人間であったり、ある特定のパチンコ屋さんのオーナーたちの顔だったりする。

解決策はないのですか。現場での出来事を聞いたことがありますか。
あなたたちは今何を考えているのですか。
これからも今まで同じことを繰り返すのですか。

彼の店を後にした私の感情は決して穏やかなものではありませんでした。


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飲食業で流行る店は毎日食べても飽きない味。これをホール営業に置き換えると…

元ホール店長が独立してフランチャイズの唐揚げ専門店を始めたのは5年前だった。この唐揚げ店はコロナ発生前の2019年10月の消費税増税の時にうまく時流に乗ることができた。店外飲食では軽減税率が適用されたことから、持ち帰り専門店は業績が上向いていく。

元々好調なところにコロナ禍で在宅需要が追い風となり、一層拡大したのが唐揚げブームだった。すかいらーくグループまでが唐揚げ専門店「から好」で市場に参入するほどだった。

唐揚げはご飯のおかずとしてだけでなく、子どものおやつ、酒のつまみまで幅広いシーンで活躍する。

味のバリエーションも多彩で、ポン酢やマヨネーズ、タルタルソース、ねぎソースなどの相性もいい。また、カレーやラーメン、そばなどのトッピングや、おにぎり、サンドイッチなどの具材としても使える、いわば主役にも脇役にもなれる変幻自在の食べ物なのである。

鶏肉は牛肉に比べれば原価が非常に安い。業務用を使えばさらにコストを抑えられる。また、唐揚げ店は冷蔵庫とフライヤー、排気口さえあれば開業できる。そのため、設備投資を含めた開業資金は最低35万円からとされている。

唐揚げの説明がいささか長くなった。

元ホール店長は唐揚げのフランチャイズを続ける一方で、コロナ禍が始まった2年前にテイクアウト需要を見込んで独自に弁当屋を始めた。

600円の弁当は業務用コロッケなどの揚げ物総菜を使いながらも順調だった。600円の弁当は食材費だけでなく光熱費なども入れて半分の利益があった。1日100食売れたら3万円の儲けとなった。

ところが、食用油や小麦の値上げなどで利益が減ってきただけでなく、味が飽きられて売れなくなってきた。

味付けはどちらかというと濃い目にしていた。味付けには自信を持っていたが、年寄りから客離れが進んだ。

フランチャイズはその辺の味加減が分かっているので、毎日食べても飽きない味付けのノウハウを持っている。唐揚げは本部の指示通りのレシピで作っているが、独自に始めた弁当屋にはまだそのノウハウがなかった。

このまま弁当屋を続けても先が見えない状況になり、店を閉めるべきかと悩んでいる。

パチンコホールは、リピーターづくりのために、新装開店で新規客を付け、1~2カ月かけて徐々に割を落としながら、リピーターを育てたものだ。そんな営業方法も過去の話。

ホール営業で言うところの「毎日食べても飽きない味」とは、取ったり、取られたりの繰り返しであろう。それを取りっぱなしで終わっているからすっかり飽きられているわけだ。



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リバースオークションであらゆるコストの見直しを

昨年、新電力に契約を変更した大手ホールが悲鳴を上げている。

それまで1日5万円、月額150万円だった電気代が倍の300万円に跳ね上がっていた。契約店舗数は1店舗や2店舗ではないので、電気代の値上がりは利益にも直接大きな影響を及ぼすことになる。

契約を元の電力会社に戻そうとしたが、「大口契約」を理由に断られてしまった。電気代を安く抑えるために新電力に契約したのに一挙に倍になるとは、踏んだり蹴ったりだ。

4年前から電気代を年間数百万円安くするために、新電力に切り替えていた新潟の遊園地は、今回の値上げで年間1820万円から3580万円、と実に倍近い値上げになることが分かった。遊園地の場合は、この値上げ分を吸収するために、入場料の値上げに踏み切ったが、パチンコの場合は、これでまた釘が閉まることになる。

そうすれば、客離れに直結するために、そんなことをやれば自分のクビを絞めるようなものである。

大手電力10社の電気料金は、火力発電に使う燃料価格の高騰などを背景に、この1年で約10%~30%値上がりしている。各社が示している「使用量が平均的な家庭」では、7月分の金額が2000円近く高くなるところもある。

新電力の話に戻す。

電気の小売りが完全自由化されたのが2016年。この新市場に様々な業種が参入してきた。新電力会社は自前の発電所を持つことなく、大手電力会社よりも電気代が安くなることで、顧客を増やしてきた。

新電力は電気の卸市場から余った電気を購入していた。それまでは1kWh当たり10円以下で調達できていた卸価格が燃料費の高騰やウクライナ情勢で3倍近くに跳ね上がっている。

調達コストの高騰で事業継続が困難な新電力が増えているのが現状である。

で、前出のホールのように元の電力会社に再契約しようにも断られたら困る。そのまま倍の電気代を払いながら新電力を使い続けるのか?ということになるが、“電力難民”を出さないように電気のセーフティーネットとして「最終保証供給制度」として、割高にはなるが送配電会社から電気の供給を受けることはできる。

ことしの夏は電力削減のためにガンガンに利かせていた冷房温度も28度に上げるなどの対策を講じることも必要になってくる。

何度もコストの見直しを図ってきているパチンコ業界だが、リバースオークションという手法はあまり浸透していない。

これは買い手が売り手を選択する逆オークションで、競争入札がそれに相当する。一番安い入札額を出した業者が仕事を落札する。

例えばコピー機を20台購入するときにA,B,Cの3社が入札に加わったとしよう。この時、A社は2000万円、B社は2050万円、C社は2100万円だったとすれば、従来は2000万円のA社が落札していた。リバースオークションではさらに2000万円から一定時間にそこから、各社が競り下げて、一番安かった会社が最終的に落札する。

今、一番問題になっている電気代のほか家賃、複合機、損保、通信、保守業務、印刷物、廃棄物などもコスト削減の対象品目にリバースオークションを代行する会社もある。


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第4話 爪痕 ⑤



「まあ、仕方がないか。西田もいなくなったことだしな。実はな、うちの店の金勘定っておかしいと思わないか。普通営業前に両替機に入れておくつり銭は金種別に何をいくら準備するかって決まってるだろ」

「え、そうだったんですか」

そこらへんの仕組みに全く疎い僕は思わず聞き返した。

「坂井さんはぱちんこのこと本当に何も知らねえですねえ。それは基本でげすよ」

「そうだな。いいか、坂井よく聞けよ。考えても見ろ。コンピューターではじかれた売上の数字と実際の現金の金額とが合わなかったらおかしいだろ。それを確かめるのには営業終了後に現金を全部数えてから朝用意していたつり銭を引き算すれば純粋な売上金額が出てくるよな。そしてその金額とコンピューターの数字がピタリと合えばその日はめでたしってことで事務処理は終わりよ」

言われてみればもっともな理屈である。

「ところが、だ。うちの崔社長は『ヒャクエンタマイレルノハ、タイタイデイイカラネエ。オカネイレルトコロニポクガマジックデカイタセンマデイレテネエ。タクサンイレルトオモイカラネエ。オチュリガナクナッタラトチュウデマタイレテネエ。ドーモー、ヨロシクネエ』って言いながら札束だけ自分で両替機から抜き取ると、その現金とコンピューターの数字を照らし合わせながら『タイタイコレクライタネエ。イイカンジ。ハイ、オスカレサマア、ドーモー』って帰るだろ。だから正確な今日の売上の金額って誰も知らないわけさ。おかしいと思わねえか」

関口さんの社長のモノマネがあまりにも似ていたのでさっきまで泣いていた木村くんと僕は大笑いしてしまった。今日の関口さんはいつになくよくしゃべる。何よりも滑舌がいい。と思っていたら

「関口さん、歯どうしたんでげすか」
と木村くんが関口さんの口元に向けて指を差す。

今の今まで気づかなかった。歯抜け状態で喋るとヒューヒューと音を立てながら喋っていた関口さんの今日は歯はひとつして欠けている部分がなく、綺麗な歯並びをしていた。

「まぁな、結構これだけするのにお金がいるってわけでさ」

「え?それと今の社長の話と何の関係があるんですか」

「坂井、全部言わせるなよ。だからあ、その現金回収の甘さに目をつけてちょっと借りたわけよ。勿論すぐに返すつもりでいたんだけどな。ほら、社長がいない時は店長が釘打つし、両替機の金は俺が回収してただろ。そんときにちょっとさ。いや、なんか最初は一万、二万くらいだったんだけどそのうち金額も大きくなってさ、それに毎日馬車馬みたいにこき使われてこんな安月給で働くのもバカみたいじゃん」

「それでお店のお金に手をつけたってわけですかい」
木村くんは自分のことを棚に上げて関口さんを責めた。

「まあそう言うなよ木村。でも俺なんかまだいいほうだぜ。ある日いつもするように両替機の金をくすねていたところを西田の奴にめっかっちゃってな、半分よこせときたもんだ。あいつは本当にワルだぜ」

僕は気分が悪くなってきた。どんな理由があれ店の金に手を付けるなんてありえない、と憤りを感じるのである。

「で結局今までいくらやってんでげすか」

「半年で二百万、くらいかな」
「えーーーー!」

驚いた。驚いて僕は再び椅子から転げ落ち、木村くんは自分の七千円と二百万という金額の違いにショックを受けて悔しさのあまり自分の頭を食卓にゴンゴンぶつけていた。

結局みんなが何らかの形で西田に弱みを握られていた、という事実が白日の下にさらされた。僕も決してその例外ではなかったが、今この場で二人に打ち明ける気にはなれなかった。僕はずるい人間だ。それより店長のことが気になる。カルティエが本当に今回の事件に関わっていたかどうかはまだ解明されていない。

奥さんの件で西田に脅迫されていたのは事実であろうが、本当に金庫からお金を盗んだのだろうか。僕には到底信じられない。しかし今の段階ではそれを知るすべもなく、僕自身もうどうでもいいと思い始めていた。
 
一ヶ月に一度あるかないかの個人公休日が瞬く間に終わろうとしてい る。みんな一癖も二癖もある人たちだけど決して嫌いではない。でも今日の出来事は僕にとってまさに驚天動地、青天の霹靂だった。正常な思考はなりを潜め、心は黒くその色を変え、ざわめきだけがまるで生き物のように動き出す。

無味乾燥な国道の風景にオレンジの夕日が色をなす。真っ黒いディーゼルエンジンの煙を無遠慮に吐き出しながらものすごい勢いで駆け抜けていくトラックたち。「不毛だ」と独りごちた。いったい誰を信じて何を信じればいいのか。世の中ってこんなものなのか。僕は黒く深い沼に落ちていった。

つづく