一方で2021年度に閉店した店舗数は637軒、と2020年の612店舗よりも増えているが、閉店の割にはホールの倒産件数が少ないことが分かる。
「ホールの倒産件数が少ないのは、前向きな廃業をしているから。4店舗あった店を半分にしたりするケースが、その閉店数に現れている。個人経営しているところは会社に余裕はないが、オーナーの資産はしっかり確保している。むしろ、ホールにぶら下がっている販社などの業種が滅茶苦茶影響を受けている。1000万円以下の倒産数が多い。中には500万円の負債すら払えないケースもある」(シンクタンク関係者)
NHKでこの「前向きな廃業」について神奈川県のホールの事例を紹介していた。3代目の趙哲来社長が顔出しで登場していた。
ホールは54年前、祖父が立ち上げた。2店舗あったホールを今年1店舗を閉店した。経営は徐々に行き詰っていたが、コロナ禍でさらに悪化したために、閉店を決断した。1億円のコロナ融資の返済が開始される中、コンサル会社の提案は廃業の選択肢だった。
過去5年分の損益の推移を比較。将来予測を今の売り上げの50%で推計すると、どこで廃業を決めれば会社の痛みが最小限に抑えられるかを見極めることが必要で、「擬態的目安をつけることが重要」と指摘した。
趙社長は代々伝わって来た店を残すことに拘り続けてきた。しかし、廃業を一つの選択肢に入れたことで、事業を柔軟に切り替える意識を持てるようになった。
「一つの事業に拘らずに事業転換も含めて常に考えていく。撤退と転換選択の幅が広がった」と振り返る。
前向きな廃業とは財産を残すために事業を止めることで、廃業=負けではないことを認識しはじめたために、閉店が増えているものと思われる。
廃業はマイナスイメージが強かったが、倒産がハードランディングとすれば、廃業はソフトランディングである。廃業か存続かの見極めは難しいが、先が見えない時は、ソフトランディングによる廃業が今後も増えていきそうだ。
経営者は自分の会社に強い思い入れがあるので、なかなか止めようというところまでは行かないことも確か。経営者は経営が厳しくなればなるほど、誰にも相談できずにマイナス思考に陥り、倒産する羽目になる。
廃業、前向きな廃業は次へのチャレンジにつながる、というプラス思考の発想が生まれる。
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