ほぼ同じ調査項目と数なのに、2回目の調査結果が悪い。
ところが、店長やオーナーは店舗が良くなったと感じていた。
調査報告書を拝見した。
最初に感じたのは、調査員の年齢の違いである。これは結構違いが出る。
加えて、調査員の性別の違い。これも差が出る。
調査員の年齢、性別によって違いが出る。 つまり調査結果には、バラつきはつき物だ。
しかしこのバラつきが重要なのです。バラつきがあって初めて気が付く事が多い。
一部の調査会社では、バラつきをなくすために、毎回同じ調査員を派遣する場合がある。
どっちがいい悪いではなく、「業種」や「店舗レベル」によって使い分けるのだ。
しかし、要領のいい調査会社は、その内容を分けて調査する。はじめから1回で全部調査すればいいのに・・・(笑)
ホールで毎回同じ調査員を使うと、志向性が固定化される傾向が見受けられる。
何枚もの調査報告書を見るとその傾向が読めてくる。
最後は粗探しの調査になることも多い。
ホールが初めて覆面調査を行う場合、オーナーや店長が従業員の普段の行動の探りを入れる、という感覚がある。
これは実に危険な要素を含んでいる。
現場従業員の士気低下につながることがある。
実際に聞こえたケースを紹介する。
「うちの店長は、調査員にこんな指摘をされるまで、気が付かないレベルなんだな」
「覆面調査を入れる前に、何故俺たちに注意をしないのかな?上司が威張るための項目探し=粗探しだろ!」、
「こんな調査を内緒でするなら、はじめからその調査内容の項目を全部、俺たちホール担当に教えて普段から頑張ればいい」
これは全て実話である。私がどうしてスタッフの声を聞くことができたのか?
それは私が以前行った手法があるからだ。
この方法の利点は大きい。ホール運営の無駄な動きも調査できる。無駄な動き=コスト管理となる。
実は従業員の覆面調査よりも、このコスト管理のための覆面調査の方が店長やオーナーからの評価は高い。
私はこのコスト管理のための覆面調査を80店以上経験している。
方法はこうだ。
ホールスタッフに内緒で、私が「アルバイト」としてホールに入る。
早番も遅番も経験して、そうじも手伝う。一番下端として最低2日間働く。
この”スタッフ侵入作戦”の前に次の様な準備をする。
調査対象ホールの覆面調査を事前に行い、競合店舗の調査も同時にする。
この調査の過程で上記のスタッフの声が聞こえて来たのだ。
つまり、覆面調査するホールは、事前に最大限の店舗サービス向上の努力が重要であり、努力した結果後の覆面調査に一番効果が出る。
これに異議を唱えるコンサルや調査会社がある。その逆に賛同される会社も多い。
調査員はホール運営の経験がなくても可能だが、会社側の人は、「覆面調査をするホールは、事前に最大限の店舗向上の努力が重要」ということに異議を唱えるには無理があるだろう。
よく「ホール店長は忙しいから、店舗運営を見る目安として覆面調査が有効」というコンサルがいる。
本来店長が忙しいのであれば、部下を育て、店舗調査の項目を明確にして、ホール従業員全員でそれに向かう努力をすればいい。
まず、スタートはそこにある。だから覆面調査がスタートでは「効果が半減する」と経験上感じる。
ホールの覆面調査は最初に行うのではなく、サービスの総仕上げで行うのがよいと考える。
だから私は覆面調査を依頼されると、自分の考えを話させてもらう。
この流れが一番効果もあり、コストもかからず、従業員の士気向上に役に立ち、明朗な店舗運営ができる。
店舗運営の基礎と幹が出来上がっているホールの覆面調査を行い、常に安定したサービスが提供できるようにしたい
つづく
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