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チューリップから1パチまで~ある女性がパチンコに別れを告げる日

70歳になる一人のおばあさんは、人生の50年以上をパチンコと共に生きてきた。娯楽であり、仕事であり、そして居場所でもあったパチンコ。その長い付き合いに、静かに終止符を打つ時が訪れようとしている。

彼女がパチンコと出会ったのは、まだチューリップ機が主流だった時代だ。

20歳の頃、たまたまトイレを借りるためにホールへ入った。用を足して出ようとした時、トイレの床にパチンコ玉が一つ落ちているのに気づいた。

何気なくその一玉を弾くと、見事にチューリップへ入賞。15発が払い出され、夢中で打ち続けた結果、1500発を出して終了した。ほんの偶然の出来事だったが、このビギナーズラックが、彼女のパチンコ人生の始まりだった。

高校卒業後は都内の靴屋に就職していたが、パチンコの面白さにすっかり魅了され、「どうせなら好きなことを仕事にしたい」と思うようになる。そして新宿のホールへ転職した。以来、30年以上にわたり、パチンコ一筋でホールに勤め続けた。

休日になれば、パチンコを打つ。働いたお金は、またパチンコへ循環した。結婚はしなかった。理由は分からないが、人生を振り返ると、常にパチンコが中心にあったという。

現在は年金生活だ。とはいえ、パチンコを完全にやめたわけではなく、子どもからもらう小遣いの範囲で細々と続けてきた。ちなみに、この「子ども」とは実子ではない。両親を早くに亡くした甥を養子として迎え入れ、我が子同然に育ててきたのだ。

人生の大半をパチンコと共に過ごしてきた彼女にとって、ホールは職場であると同時に、憩いの場でもあった。しかし、そんな彼女の心を揺さぶる出来事が起きる。ある晩、夢枕に亡くなった父親が現れ、「パチンコはもうやめろ。宝くじを買え」と告げたのだ。

それをきっかけに、冷静に自分の戦績を振り返ってみた。ほぼ毎日のようにホールへ通っているが、勝てるのは月にせいぜい2回程度。1パチ専門のため、大勝ちはないが、確実に負けが積み重なっていることに気づいた。

普通なら、ここで多くの人は足を洗う。それでも彼女は、長年業界で働かせてもらった恩返しの気持ちから、パチンコを続けてきた。しかし、12月を境に、ついにパチンコをきっぱりとやめた。代わりに、子どもからもらった1万円で年末ジャンボ宝くじを33枚購入した。

現在のパチンコ台は1個返しで、スタートは15回前後。一方、全盛期の現金機は6個返しで30回以上回った。この差は、単なるスペックの違いではない。遊びとしての余白が失われたことを象徴している。

彼女がパチンコに別れを告げた理由は個人的なものだが、そこには、遊技人口が減り続ける業界全体の姿が、はっきりと映し出されている。



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