こう語るのは、とある中小ホールのオーナーだ。数字だけ見れば、75%もの経費削減を実現しているにもかかわらず、収支は3割程度の落ち込みで済んでいる。
話をよく聞いてみると、「機械代を削った」のではなく、「削らざるを得なかった」というのが実情である。新台を買い続ける体力がもはやない。導入できないのではなく、したくてもできない。その状況に追い込まれただけに過ぎないのだ。
そんなオーナーが今、最も悔いているのが「低貸し営業」に手を出したことだ。
20年以上前、業界の潮流は等価交換へと一気に傾いた。ほとんどのホールが横並びとなり、おカネがかかり過ぎる等価営業からドロップアウトするお客の受け皿として、始まったのが1パチ営業だった。
当初は空席対策や集客の手段として注目され、先取りした北海道のホールが成果を上げたことから業界全体に広がるにつれ、状況は一変した。
「1パチを始めた頃は、店を賑やかに見せるのが目的だった。ところが今や、4パチの海物語ですら稼働しない。残ったのは低貸し目当てのお客さんばかり。4円のお客さんは戻ってこなかった。あの時、低貸しに安易に飛びつかず、3円交換に舵を切っていれば、今とは違う未来があったかもしれない…」
口惜しそうにそう語るが、すでに後戻りはできない。
現状打破のために、コンサルからは「2円パチンコ専門ホールに転換する」などの提案を受けているが、もはや動く気力すら残っていない。交換率を3円に戻す案もあるが、「今いるお客さんを失うかもしれない」という恐れから踏み出せない。
こうした悩みは、このオーナーに限った話ではない。中小・零細ホールの経営者たちの多くが、似たような葛藤を抱えている。だが、同業者同士で話をしても、前向きな話題は出ない。出てくるのは、暗く沈んだ話ばかり。「だったら、話す気にもならない」と孤立を深めていく。
そして、気づけば何も動けないまま、ただ業績悪化を見つめる日々が続く。だが、待っているのは「座して死を待つ」未来だけだ。
変化には痛みが伴う。だが、行動しない限り、愚痴と後悔で終わる人生が待っているだけだ。どんなに厳しくとも、変わる勇気と決断がなければ、未来を切り開くことはできない。業界再生の道は、そこからしか始まらない。
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