商品や食べ物、娯楽などを網羅することで、世代ごとの認知度の差が浮き彫りになる仕組みだ。
この調査で業界関係者にとって衝撃的な事実が判明した。パチンコの筐体写真を提示された際、20代の実に90%が「分からない」と答えたのだ。ホールに足を運ばなければ実物を見る機会がないのは理解できる。しかし、ネット上でも関連情報に触れないということは、若者にとってパチンコそのものが完全に視界の外に置かれている証といえる。
外国人ならともかく、日本の20代がパチンコ台を見ても「知らない」と答える状況は、業界的に深刻といわざるを得ない。
なお30代では非認知率は55%、40代で25%と徐々に低下する。つまり、年齢が上がるにつれてパチンコとの接点は増えるが、若い世代では完全に切り離されているのだ。
一方で、60代では最新アニメの認知度が低いなど、世代ごとの興味の違いも明らかになった。ちなみに、全世代で高い認知度を示したのはクレーンゲームだった。
こうした状況に危機感を抱いたMIRAIぱちんこ産業連盟は、「U-25世代の新規顧客獲得」をテーマに北海道で夏合宿を開催した。130名を超える業界関係者が参加し、2日間にわたり若者獲得の方策について議論を重ねた。
合宿には現役女子大生の立場から参加したひすいさん(ぱちスロ部副代表)は、業界誌「グリーンべると」のコラムで次のように書いている。
「私たち若い世代がパチンコに求めているのは、単なる射幸性だけではありません。エンターテインメントとしての楽しさ、コミュニケーションの場としての価値、そして何より安心して楽しめる環境です。スマホゲームに慣れ親しんだ世代にとって、直感的で分かりやすいゲーム性や、SNSでシェアしたくなるような体験価値が重要です。また、パチンコ店への入りにくさという心理的ハードルも無視できません。清潔感のある店内、初心者でも相談しやすいスタッフ、温度管理や台間の快適さなど、女性や若者が『また来たい』と思える空間づくりが欠かせません。大切なのは若者の声に耳を傾け続け、変化を恐れず挑戦することです」
この発言は、単なる外部の感想にとどまらない。業界が見失いかけている顧客視点を的確に突いているといえるだろう。
現状では「射幸性を高めれば客が戻る」という短絡的な発想が根強いが、それだけでは若者は振り向かない。
特に現在の遊技機仕様では、スタート1個返しが標準化し、長時間遊ぶ楽しさを削いでしまっている。この根本問題を是正しなければ、どれほど会議を重ねても若者獲得にはつながらない。実際、全国青年部の集いでは毎回同様のテーマで議論を重ねているが、それが実行された形跡はない。集まって話し合ったことに満足しているようにも思える。
20代の9割が「知らない」と答えた事実は、単なる調査結果ではなく、業界の未来を左右する警鐘である。
求められているのは、過去の成功体験にしがみつくのではなく、若者世代の生活様式や価値観に合わせた大胆な発想転換だ。パチンコが再び娯楽としての存在感を取り戻せるかどうかは、いままさに試されている。
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