しかし、その背景を冷静に見れば、手厚い待遇の結果ではなく、組織としての未成熟さゆえでもあった。福利厚生は未整備で、退職金制度が存在しない企業も少なくなかった。月4日の休みが当たり前、深夜まで続く長時間労働、そして高い離職率――。過酷な環境を金銭でカバーしていたのが実態である。
そんな時代から30年余りが過ぎた今、衝撃的なニュースが飛び込んできた。うどんチェーン「丸亀製麺」を展開するトリドールが、9月17日に「店長の年収を最大2000万円に引き上げる」と発表したのだ。
店長になれば誰もが2000万円ではなく、ランク分けがあり、その最上級が2000万円ではあるにせよ、パチンコ業界関係者にとって、この数字は耳を疑うものだった。
なぜなら、現在のホール企業で、店長が2000万円を稼ぐケースは存在しないからだ。営業本部長でもその水準は難しい。
かつて「給料の高さ」が唯一の魅力だったはずの業界が、外食チェーンに年収で大きく水をあけられることになりそうだ。
さらに丸亀製麺は、高年収だけではなく、従業員の子育て支援にも力を入れている。15歳未満の子どもがいる家庭向けに、全国のチェーン店で食事代を無料にする「家族食堂制度」を導入した。
子どもの食事作りに悩む親の負担を減らし、安心して働ける環境を整えた。これは、単なる給与水準の高さを超え、人材を惹きつける大きな魅力となっている。
翻ってパチンコホール業界を見れば、人材確保のための給与改善や福利厚生の整備に取り組んでいる企業もある。しかし、遊技人口は減少の一途をたどり、売上を大幅に伸ばすことが難しい現状では、給与を引き上げる余力は限られている。
業界構造そのものが「メーカー主導」である以上、ホールが自力で客数を増やす施策を打ちにくい。結果として、給与や待遇改善は遅れがちになり、他業界に比べて魅力を失いつつある。
かつて「高給だから」と集まった若者が、今では「高給どころか、飲食チェーンの方が上」と感じてしまう現実。この逆転を誰が想像しただろうか。
ホール業界が人材難を克服するには、単なる給与アップではなく、働く人の生活全体を支える仕組みを構築し、真に選ばれる職場へと変わることが不可欠だ。
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その結果が現在の惨状w
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