一部のメーカーでは、版権の「賞味期限」をおおよそ20年と見積もっている。また、パチンコを楽しむ年齢の上限をおおよそ70歳と仮定して開発戦略を立てているという。つまり、現在50歳の客が、20年後の70歳になるまで遊び続けてくれることを前提とした計算である。これが暗黙のセオリーとしてメーカーに浸透している。
かつては各メーカーにとって絶対的な「鉄板コンテンツ」だった版権機も、次第に売れなくなってきている。新機種としてリリースされても市場の反応は鈍く、販売台数は伸び悩んでいる。これはすなわち、版権の「賞味期限」が切れたことを意味しており、同時に、当時のファンが年齢を重ね、パチンコから引退し始めているという現実を示唆している。
メーカーにとって生命線だった看板コンテンツが通用しなくなれば、新たな「鉄板版権」を見つけ出す必要がある。しかし、現在の市場規模を考慮すれば、それは極めて難しい課題である。
かつて業界が隆盛を誇っていた時代には、人気版権を取得するために10億円もの資金を投入することも珍しくなかった。しかし、現在では年間のパチンコ機販売台数が78万台程度にまで落ち込んでいて、2万~3万台売れればヒットとされる状況だ。これでは、高額な大型版権など到底手が出せるはずもない。
パチンコ黄金期には「新海物語」が160万台、「大海物語」が70万台、「スーパー海物語」が65万台という桁外れの販売実績を記録した。また、「必殺仕事人III」は27万台、「北斗の拳」は26万台、「AKB48」は20万台と、どれも一時代を築いた。
しかし、現在のヒット基準では、その1割にも満たない販売台数で成功とされるのだから、まさに隔世の感がある。
このような状況でメーカーがすべきことは、版権に依存した遊技機開発から脱却することだ。独自のゲーム性や魅力的なハラハラドキドキする電動役モノを備えた機種開発にこそ注力することだ。現行機が液晶演出に依存しているのは、版権ありきの構造であるからだ。つまり、版権を前提としなければ、液晶に頼らない斬新な遊技性を追求する姿勢が生まれる。
パチンコ初心者やライトユーザーが思わず打ってみたくなるような、「見て楽しい」「触れて楽しい」「予測できない驚きがある」ような役モノの開発は、今後のキーポイントとなる。
複雑な演出や背景知識が不要で、直感的に面白さが伝わる遊技機は、幅広い年代に受け入れられる可能性がある。
現代のパチンコ市場では、40代から50代のプレイヤー層が最後の主力となっており、彼らが今後20年遊び続けてくれるような「価格的にも開発的にも手頃な」新しいコンテンツを模索する必要がある。
もはや版権信仰の時代ではない。今こそ、メーカー各社が自らのオリジナリティを武器に、真に面白い遊技機を生み出す時代が来ているのではないだろうか。
※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。