「0円パチンコ」と言えばパチンコ日報のエントリーで取り上げたのが、10年前の2015年9月19日のことだった。当時のタイトルは「0円パチンコの可能性を議論する時期が来た」。ちょうど1円パチンコが登場して10年余りが経った頃であり、業界の将来像を巡る議論のひとつとして浮上していた。
1パチが普及し始めた当初、4円からの単純な移動は少なく、むしろ休眠ユーザーや新規客の取り込みに成功していた。
実際、2007年の遊技人口は1450万人だったが、2008年には1580万人、2009年には1720万人と上昇に転じている。しかし効果は長続きせず、2010年に1670万人、2011年1260万人、2012年1110万人、2013年には970万人と急速に減少した。
結局、4パチユーザーが1パチコーナーに移る「店内移動」が加速し、売上も粗利も下落。ホール経営を直撃する「低貸しの罠」に陥った。
この背景には等価交換が主流になった影響もある。4パチオンリーの時代は、店舗数を増やせば比例して売上も伸びるはずが、低貸しが広がることで「店舗数は増えても売上は減る」という逆説的な現象が業界を覆った。
そんな状況のなか、販社が2015年に「遊技人口をどう回復させるか」をテーマに社内会議を開いた際に浮上したのが「0円パチンコ」だった。
グランドオープン前に無料体験デーを設けるホールも一部には存在したが、提案の本質は常設の「0円コーナー」で休眠ユーザーや新規層を掘り起こそうというものだった。ただし、単店で導入しても効果は薄く、全国規模で普及してこそ意味があると結論づけられていた。
実際、ピーアークは0円パチンココーナーを常設していた実績がある。
当時のエントリーには読者から次のようなコメントが寄せられた。
「0円で当たる成功体験が、有料遊技へ移行する動機になる。しかしその後に勝てなければ失望して去るだけだ」
「パチンコの楽しさは“玉が出ること”ではなく、その結果として景品や換金があるからだ。景品交換を伴わない遊びに大人は夢中になれない」
「0円で興味を持たせても、実際にお金を入れて遊んだ瞬間、そのギャップに失望する。自分たちホールが痛みを引き受ける覚悟がなければ、何をしても無駄だ」
いずれも0円パチンコの趣旨を理解しつつも、効果には懐疑的な意見が多かった。
むしろ問題は遊技機そのものにある。現在は「1個返し」の機械が主流だが、これでは新規ユーザーが成功体験を得にくい。もしハネモノ以前の「オール15の電役機」のような分かりやすく出玉感のある台が復活すれば、休眠ユーザーが真っ先に飛びつくだろう。
それだけに、今回全日遊連が改めて協議している「0円パチンコ」が単なる無料体験の延長なのか、それとも業界全体を巻き込む新たな仕組みとなるのか。発表される中身に注目が集まる。
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