パチンコ日報

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もしも「パチンコ業法」が成立していたら

「10年前、風営法からパチンコ業法に切り替わっていたら、今のような業績低迷には陥っていなかった。むしろ、業界はもっと活性化していた。新しい発想の遊技機も次々に誕生し、ユーザーの支持も得られていたはずだ。あのとき業法に反対した連中には、先見の明が本当に欠けていた」と大手メーカーの技術者は、忸怩たる思いを口にした。

そもそも風営法は、本質的にはパチンコ業界を育てるための法律ではない。あくまで治安維持や青少年保護を目的とした、取り締まりのための法体系である。

したがって、その条文には「やってはいけないこと」が延々と並び、可能性を広げる余地などほとんど存在しない。

その最たる例が、遊技機に搭載されるメイン基板の仕様である。パチンコ・パチスロ機の心臓部ともいえるこの基板には、いまだにZ80という8ビット・マイクロプロセッサーが使われている。

このZ80は1970年代に登場した古代の遺物ともいえるもので、現在のスマホや家庭用ゲーム機の処理能力と比較すれば、まさに天と地の差である。

メーカーに新卒で入社してきた若い技術者たちは、Z80の分厚いマニュアルを手渡された瞬間に絶句する。「まさかこんな時代遅れの環境で開発することになるとは思わなかった」と肩を落とし、志半ばで去っていく人も少なくない。これでは、優秀な人材を業界に引き留めることなど到底できない。

なぜ、ここまで規制が緩和されないのか。それには過去の業界の「暗部」が影響している。90年代、メーカーが裏モノなどに関与していた時代があり、その影響で警察当局からの信頼は著しく損なわれた。「CPUの容量を増やせば、何を仕込むか分からない」──そうした不信が、技術革新の芽を摘んでいるのが現実である。

しかし、仮に10年前に「パチンコ業法」が制定され、業界が独自のルールと監督のもとで再構築されていたとすれば、状況はまったく違っていたはずだ。前出の技術者は次のように語る。

「他業種からの参入も増えて、外からの知恵や技術が流れ込んできたでしょう。たとえば、家庭用ゲーム機では両手を使って複雑な操作を行いますが、パチンコは今も右手でハンドルをひねるだけ。もし左手のハンドルで玉の軌道をコントロールできるようになれば、ゲーム性は格段に向上する。そうした発想も、業法のもとでなら実現できた」

さらに、風営法によって課されている立地制限──たとえば、病院や学校から100メートル以内には出店できないという規制も、業法では緩和される可能性が高い。これは都市部での出店戦略にも大きな影響を与える要素である。

「スマート遊技機が普及してからは、補給機の騒音もほとんどなくなりました。以前ならホールからの騒音が問題視されていましたが、今は病院の隣にあっても問題ないほど静か。そういった点でも、業法の導入は理にかなっていた」

さらには、長年の懸案である「3店方式」についても見直しが可能になるという。現行では、パチンコホールと景品交換所、景品問屋の三者が独立して運営される必要がある。しかし、業法が成立すれば、店内での直接換金はダメでも2店方式でホールが自ら交換所を運営することも可能になる。

もちろん、業界内でもパチンコ業法を支持する声は年々増している。とはいえ、制度の刷新には政治的、社会的なハードルが数多く存在し、一朝一夕で実現するものではない。

もしあの時、ほんの一歩だけでも未来を見据える決断がなされていたら、今のパチンコ業界の風景は、まったく異なるものになっていたかもしれない。


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