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詐欺防止とのめり込み対策に学ぶ、自主規制の力

島根県大田市にあるコンビニでは、電子マネーを用いた詐欺を未然に防ぐため、独自の取り組みが行われている。

具体的には、3万円以上の電子マネーカードを購入しようとする高齢者などがいた場合、店員が即座に警察へ通報するという仕組みだ。

そして、警察官が到着するまでのあいだ、客には「300円分のお買い物をおごるので、店内で待ってください」と案内する。この取り組みは、大田警察署が主導し、2022年7月から開始された「全件通報制度」に基づくもので、現在では署管内の10店舗のコンビニがこの制度に協力している。

この制度はこうだ。まず、店員は高額な電子マネーカードを購入しようとする客に対して、警察署が作成した注意喚起のチラシを提示する。そのチラシには「電子マネーを販売するときは通報するよう強く要請されています」といった文言が記載されていて、客自身が状況の異常さに気づけるようになっている。そのうえで、警察官が到着するまでの待機時間を、300円分の買い物を通じて過ごしてもらう。この代金は、到着した警察官が後に店に支払う仕組みだ。

この制度の効果は着実に現れている。現場の警察官が直接、声をかけることで、被害を未然に防ぐ事例が相次いでおり、地域の高齢者にとっては安心材料となっている。

この施策にヒントを得たホールオーナーがいる。それは「のめり込み防止」対策だった。

業界としても自主的な依存症対策を実施しているが、オーナーはそれでも不十分だと考えていた。そこでオーナーが考えたのは「自分で決めた遊技金額に達したら、それ以上の遊技を制限し、あわせてささやかな報酬を与える」という仕組みだ。

具体的には、会員カードで、来店時にあらかじめ「今日の上限利用金額」を設定できるようにする。カードリーダーの液晶画面にその金額を入力し、設定金額に達した場合は「本日の利用金額は限度に達しましたので、本日の遊技は終了します」と表示される。

そして、それ以上はおカネを入れてもシステムが自動的に受け付けず、おカネは戻ってくるようにする。

この仕組みの技術的に難しいものではない。フリー客には対応できないが、現在の会員管理システムを活用するだけで実現可能である。

また、設定金額内で遊技を終えた客には、総付け景品限度額の200円相当の記念品を進呈するという、心理的な報酬も与える。

金額自体は小さいものだが、「自分で決めたことを守った」という自己肯定感と、「ホールが自制を評価してくれた」という安心感が、利用者の満足度を高める効果をもたらす。

詐欺防止と依存防止。一見、別々の問題のように思えるが、いずれも「判断が鈍った人を、そっと止める仕掛け」を社会が用意することに本質がある。そして、その仕掛けは決して大げさなものではなく、300円の買い物や、200円の記念品といった、小さな報酬で十分に機能するという点に、今後のヒントがあるのではないだろうか。



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