パチンコ日報

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釘調整雑感

かつて釘学校を取材したことがある。講義に入る前に講師は受講生に対して次のように心構えを説いた。

「企業は利益を上げないことには、社会貢献ができません。利益を上げることは税金を納め、社会インフラを支えていることです。利益を出せないのは、社会から奪っていることで貢献していない。つまり、与える側で生きるか、奪う側で生きるか、ということです。もちろん、与える側で生きなければなりません。存在理由を表現するのが、釘のクオリティーを高めることです。釘1本をいい加減にすると奪う側になるということです。本気でやれば大抵のことはできます。本気でやっていると何事も面白いものです。『つらい』『苦しい』と感じるのは本気になっていない証拠です。本気になるとつらいことも含めて楽しくなってきます」

5日間の実技講習を終えたホールの専務はこう感想を語った。

「釘を叩く上での心構えもなく軽い気持ちで受講していましたが、こんな哲学や精神論があるとは思ってもいませんでした。非常に深い話でした。ホールの仕事の辛さ、単純さは私なら3カ月も持たない。ホールの社会的責任や目標が分かりにくかったが、希望を与えられると思いました」

釘学校の存在意義はただ単に利益を取るためではなく、理念を持って教えていたが、そんな学校も姿を消してしまった。

釘調整を摘発された京都のホールの社長が取り調べに対して「客が離れないようにしつつ、店の利益が出るよう調整を図る必要がある」と容疑を認め、店長は「自分が入社した27年前から行われていた」と話した。

これ、業界の大常識。業界に入って役職者になるにつれて、釘調整の研修が始まる。釘のアケ、シメで利益コントロールすることがパチンコ経営の根幹であることは、今も昔も変わらない。それはスマパチ時代になっても踏襲されていくが、もはや釘調整に対する理念はなく、ただ取ることばかりに専念した釘になってしまっている。

一連の釘摘発では店名こそ公表されるが、経営者や店長の実名は発表されていないものの、これだけ続くと明日は我が身とばかりに、釘調整担当者の間では動揺が走っている。

ホールによっては社内の釘調整試験に合格することが店長昇進への必須条件となっている場合もある。

釘調整の取り締まりがこれだけ厳しくなると、アルバイトはもちろん、社員さえも完全に退社した後で、1人で行うように指示が出ていたりする。それは証拠の動画撮影などをされないための防衛策で、釘帳や道具も一切事務所には保管せず、証拠を残さないように必死になっている。隠すということは違法であるからで、中には前科者になりたくないと、降格を申し出る店長もいるとか、いないとか。

一方で、釘で摘発された店長を会社は処分できないケースもある。会社のためにやっているのに、処分したら逆恨みで何をされるか分からないからだ。

これからは、釘調整は昔からの慣習だからという言い訳も通用しない時代になってきていることは間違いない。



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