転職理由がこのホール企業の社風にあった。
大卒のAさんは10年以上勤務していたが、役職は主任だった。主任からその上の店長を目指していくわけだが、ある程度の勤続年数を重ねながら、店長になれる人材ではない、と分かった時から、「法に触れないパワハラ」が始まり、それで辞めていく人が少なくない。
どういうことか?
「店長が急によそよそしくなってきます。必要最低限の対応で、ほとんど店長との会話がなくなり、無視されている気分になってきます。30過ぎて『使えない』と判断されるとそんなパワハラが始まります。ついに自分もその対象になった、ということが分かり辞めました」(Aさん)
Aさんは社交的ではなく、人付き合いも得意な方ではなかった。ホール現場がダメなら間接部門もありそうだが、そういう選択肢はなかった。
退職を決めて有給休暇を使いながら二種免許も取った。
現在はタクシードライバーとして働いているAさんは、もう一つの転職理由をこう打ち明ける。
「ホール現場で50~60歳になって働いているホールは、前職も含めてありませんよね。タクシーなら70歳までは働けるし、実際、50~60代の人が沢山働いています。ホール企業の場合、店長になれなくても真面目にコツコツ現場で働ける業界ではないですよね。そもそも新卒で入って全員が店長になれるわけでもない。新卒で入った人は、定年まで働けると思って入っているんですかね? リクルートのパンフレットに定年まで安心して働けることを謳うホール企業を見たこともないですしね」
パートで定年過ぎても雇用しているホール企業はあるが、正社員で定年間近までホール現場の第一線で働いている姿はない。地方に行けばそういうケースもあるのかも知れないが、まず見かけることはない。
「出世コースを外れた頃から転職を考えていました。タクシーは50歳以上の人が沢山働いているので、ここなら定年まで安心して働けます。妻は看護師をしているので私より給料は高い。そういうこともあり、給料よりもずっと腰を入れて働ける会社を選択した結果がタクシー会社でした。前職は居づらくなる会社の雰囲気があり精神的に不安定にもなりました。今はストレスからも解放され、ずっと働ける先輩の手本があるので将来の不安もない」(Aさん)
定年まで安心している働ける業界か? 新卒採用を始めて30年以上が経つパチンコ業界が抱える大きな課題である。
※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。