30兆円産業下では、それぐらい広告を出稿する余力がクライアントにはあったから、多数の業界誌が存在した。今、業界各誌の広告インデックスを見ると、寂しい限りだ。広告料金にクライアントの数を掛けると、おおよその売り上げは分かる。
よく、これで経営が成り立つものだと毎度感心させられる。筆者が現役時代の一番忙しい時代は、広告ページだけで150ページもあったので、第三種郵便の関係(広告と記事は半々)で毎月300ページの雑誌を作っていた。さらに、表4の広告スペースが欲しい、というクライアントの要望に応えるために、別冊を作って分冊する、という裏技も使っていた。とにかく業界が儲かっていたので、クライアントはバンバン広告を出稿してくれた。
業界回顧に浸っている場合ではなかった。
東北で不動産業とM&Aを手掛ける業者の下に、地元ホール11社からの売却案件が舞い込んでいる。
ホール業者とは昔から付き合いがあったわけではなく、ここ最近の話のようだが、東北一円と言う立地もあるが「全く売れない」とお手上げ状態だ。
売れない理由は簡単だった。
例えば、13億円の負債があったとしたら、借金をゼロにしたいので、13億円の市場価値もないのに、オーナーは13億円で売ろうとする。その半値でも高いので買い手はつくはずもない。
思わず不動産会社の社長はホールオーナーに対して「あなたが買主の立場なら、この値段で買いますか!」と声を荒げた。
じり貧の経営状態でも営業を続けているのは、日銭が入ることに加え、メインバンクにすれば、潰すに潰せない。
不動産会社の傍らM&Aも100社ほど成立させてきた実績がある。他業界でM&Aが成功するのは、本当に後継ぎがいないとか、独自の技術を持っているケースなのだが、「ホールにはオンリーワンがないからM&Aが成立しない」と分析する。
「ホールオーナーに共通しているのは、昔の儲かっていた自慢話ばかり。危機感がないから未だに高級車に乗っている。他の業界なら社長でもカローラに乗り換えるのが普通です。パチンコでずっといい生活をしてきたので、普通の生活ができない。過去の自慢話をしている場合ではありません」
業界誌が儲かっていた時代も儲かったのは社主であり、サラリーマンは所詮サラリーマンである。ボーナスに色が付く程度だ。
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