思い起こせば、30年以上前、前職ではこの感謝デーを大々的に特集ページを組んで取材していた。何か変わった催しを行っているホールを探し、全国各地を回っていたことを思い出す。
当時はミスパチンコなるイメージガールを選出して、彼女らがホール回りもしていた。
全日遊連では24回の歴史だが、全遊協時代から遡ると40年近い歴史があるものと思われる。
長く続けるからそれが伝統となる一方で、マンネリ化も否めない。
「ファン感謝デーは意味があるのか、とつくづく感じる。あれで稼働が上がる実感がまるでない。景品はセット販売で買う費用ももったいないので、止めたいぐらいだ。抽選で家電が当たるのではなく、別な方法を考える時期が来ていると思う。ファン感謝デーより新規ユーザーを開拓することを考えるべきだ」(ホール店長)
確かに一理ある。ファン感謝デーがファンの間でどれほど認知されているのか、また、感謝デー期間だからホールへ足を運んだ、というユーザーのアンケートを一度実施してもいいかも知れない。
「無理くりやっているイベント。抽選も当たる気がしない。ぶっこ抜きイベント」とはスロプロ。
ユーザー側にはそう映るが、業界を斜め45度で見ると組合に景品を納入している業者を喜ばせるイベントに映る。
1セットは8万円。これを全国のホールが購入するわけだ。低く見積もって1万セット、高く見積もって2万セットは黙っていても売れる。
前出の店長が新規ユーザー開拓を挙げる理由は、1円だけでも運営できるノウハウを確立している、といわれている大手チェーンですら1円の稼働に陰りが見えてきたからだ。
稼働を維持するために他よりも開けているが、それでは体力勝負になる。持久戦にも限りがある。ならば、新規ユーザーの獲得にいかに知恵と予算を出すか。
「今のお客さんに感謝することも大事だが、未来のお客さんのために投資するほうを考えなければ、このままでは本当に業界はじり貧になってしまう」(同)
1円のお客さんがいなくなる前に行動を移さなければならない。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。