
第二次安倍改造内閣の目玉として登用された女性閣僚5人中、2名の相次ぐ辞任劇に、元々プライオリティの低いカジノ法案を出すとなると、推進派の安倍首相にさらなる火の粉が飛んでくる可能性もある。
女性閣僚辞任劇のゴタゴタから審議日程がタイトになり、国民としての優先順位が高い労働者派遣法改正案の審議が先送りになったぐらいだ。
しかし、カジノ法案の審議が先送りされる理由はそんなことではなかった。
「東京の舛添都知事がカジノ誘致には非常に消極的で、お台場のカジノ構想が早々と頓挫してしまった。すっかりはしごを外されてしまったことで、お台場カジノの利権で動いていた先生たちがまったく動かなくなった。これがカジノ法案がトーンダウンした大きな理由」(政界関係者)
東京都知事としての最優先課題は東京オリンピックを成功させることで、会場建設やインフラ整備などやらなければならないことが山積している。
なによりも、東京の様に財政が潤沢な自治体は、カジノによる税収を期待する必要もない。舛添都知事は厚生労働大臣の経験者でもあり、依存症問題も含めてカジノには消極的だった。
舛添都知事に東京でのカジノにGOサインを出させるためには、お台場ではなく築地だとも言われている。築地市場は豊洲へ移転することになっており、その跡地をいかに有効利用するかが問題となっている。
現状では跡地はまったくの白紙状態で、この土地を一括して買い上げてカジノを建設してくれるとなると、話はまた別問題だ。
実際、アメリカ・ラスベガスのMGMリゾーツ・インターナショナルが築地市場の跡地を候補地として検討している。
東京都としては築地市場の豊洲移転コストも発生することを考えると、土地を売却できておつりがくれば、願ったり叶ったり、というもの。
「このまま、東京でのカジノが実現しないとなると、来年の国会でもカジノは審議されないかもしれない。舛添が2期都知事をやると、完全に東京の芽はなくなる。横浜に先を越されないためにも、舛添おろしもあるかも知れない」(同)
東京オリンピックの開幕に合わせてIRを実現させる、という大義名分がなくなれば、そう急がなくてもよくなる。
元々、カジノは海外からの観光客を増やすための推進装置で、むしろ、東京オリンピック後に必要になるものである。
カジノ法案が先送りされたとすれば、パチンコ業界は換金問題も含め法整備する時間がたっぷりできたことになる。

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