その人気は衰えることを知らず、昭和40年にタイトーが日本で発売してから、なんと60年もの歴史を誇る。時代を超えて愛される理由は明白だ。遊んで終わりではなく、実際に手に入る景品があるからこそ、その魅力は色褪せることがない。
さらに驚くべきことに、現代では自宅にいながらネットを通じてクレーンゲームが楽しめる時代となった。スマホで景品を狙う手軽さは、もはやゲーセンの壁を越え、全国どこでもクレーンゲームの醍醐味を味わえるようにしてしまった。
この進化を見て、遊技機メーカーの中には「このクレーンゲームのエッセンスを遊技機に取り入れられないか」と考える開発者たちが現れているようだ。
だが、ここで立ちはだかるのが現行の風営法である。遊技機にクレーンゲームの仕組みを取り入れるには、法改正が不可欠となり、そのハードルはかなり高い。しかし、ハードルが高いからといって諦めてしまえば、そこに革新は生まれない。挑戦こそが未来を切り拓くのだ。
では、どのような遊技機が考えられるのか? そのコンセプトはズバリ「欲しいものが見える遊技機」である。クレーンゲームの最大の魅力は、狙いたい景品が目の前にあることだ。これを遊技機に応用するとなると、ただ玉やメダルを使うだけのパチンコやスロットとは一線を画すものになる。
ゲーセンのクレーンゲームでは景品の価格が1000円以下に抑えられているが、これがパチンコ店では景品が1万円相当だ。高額景品を狙えるという点が、このアイデアの肝だ。
そして、この景品は「パチンコ店でしか取れない」という限定感が、新たなファン層を惹きつける可能性がある。
さらに、景品の価値が高額であるだけでなく、その景品が転売可能で人気商品となればどうだろうか? まさに一攫千金の夢が詰まった遊技機が誕生することになる。例えば、限定コラボグッズや人気ブランドの商品、さらには体験型の景品――豪華な旅行券や特別イベントの参加権なども考えられる。
もちろん、このアイデアが実現するには課題も多い。風営法の改正だけでなく、高額景品が引き起こす可能性のあるトラブルや、転売市場との兼ね合いなど、クリアすべき点は山積みだ。しかし、その分だけ実現したときのインパクトも計り知れない。
現代の遊技機は、出玉数を競うだけでなく、いかにエンターテインメント性を高められるかが問われている。そんな中、クレーンゲームの「欲しいものが目の前にある」というシンプルながら強烈な魅力を取り込むことで、これまでにない斬新な遊技機が誕生するかもしれない。

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