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私がサポートしている店舗(1円専門店)から歩いて2分の場所に、昨年11月に競合店が加わった。
不採算店だった店舗の賃貸でのグランドオープン。新台も大量導入。設備も最新のものに入れ替えた。
営業形態は4円だった。
この時期の4円は先が見えていた。
300台クラスのホールで、オープン当初は賑わいを見せていた。サポートしている店舗のお客様もそちらの新店へ流れた。
当然店長は焦りを感じていたが、私の指示は「一切動くな」。
新店は1カ月も経たないうちに、客数は1桁にまで一気に落ちた。
競合店は12月に入ったところで全台1円に切り替えてきた。
再び、お客様は競合店に流れることになるが、必ずお客様は戻ってくる自信があったので、「釘のアケシメもイベントも一切打たなくていい」と再び指示を出した。
釘は開ければ、必ず閉めなければいけない。
相手は新台を大量に導入しているが、その分機械代の回収を図らなければいけない。ましてや高い賃料も払っている。
稼働状況から売上げを推測して、必要経費や支払いにかかる経費を計算していけば、いくら手元に残るかも予測がつく。
サポート店は賃料も必要ないし、この1年半新台を買わせていない。
どちらが営業的に有利かはいうまでもない。
競合店が釘を閉めてくるのは手に取るように分かっていたので、「動かない」ことを指示した。
競合店は新台がたくさんあるので、最初はお客様が1カ月ほどで戻ってくるだろう、と予想していたが、わずか2週間で戻ってきた。
これは嬉しい誤算である。
相手の手の内が分かれば、作戦はいくらでも立てられるものだ。
動かざること山の如しである。
何事にも揺らがされない心を持ち、動くべき時までは決して軽々しく動いてはいけない、という教えを忠実に守った結果でもあった。

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