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消費税10%時代は貸玉個数調整方式が最適

市山経営税理士事務所の市山優所長からパチンコ業界の消費税対応についての寄稿が寄せられた。消費税増税はまったなしだが、業界の対応如何では1万軒を切ることも予想されている。



以下本文。



消費税についての概要



消費税法上、「事業者が行う資産の譲渡、貸付け、役務の提供には消費税を課する」とあることから、物を売った、物を貸した、サービスを提供したという、商売上のあらゆる行為には消費税がかかる。



また、消費税は資産の譲渡、貸付け、役務の提供を受けた人が負担することとなる。



これをホール営業に置き換えると、店舗が行う玉やメダルの貸付には消費税がかかり、その消費税は玉やメダルの貸付けを受けた人(お客様)が負担することとなる。



しかしながら、お客様は玉やメダルの貸付けを受けるにあたって消費税を負担している認識は総じて低い。



貸玉対応方式について



こうした、貸玉に消費税がかかっているもののお客様にはその認識が低いという事情がある中で、消費税の増税が行われる。



その事情を踏まえて、ホール業界として貸玉料金の対応が求められている。



対応方法は3とおりである。



1.現行方式



2.貸玉個数調整方式(玉切り)



3.カード徴収方式



であるが、それぞれ税率に応じた貸玉個数等は下記の通りとなる。



■4円パチンコ 現行税率5%の場合



  貸玉対応方式 貸玉個数と支払金額 貸玉料金(税込) 遊技料金(税抜) 消費税額
1 現行方式 25個/100円 4円 3.81円 0.19円
2 貸玉個数調整方式(玉切り) 24個/100円 4.17円 3.9714円 0.1986円
3 カード徴収方式 25個/105円 4.2円 4円 0.2円





■4円パチンコ 税率10%の場合



  貸玉対応方式 貸玉個数と支払金額 貸玉料金(税込) 遊技料金(税抜) 消費税額
1 現行方式 25個/100円 4円 3.636円 0.364円
2 貸玉個数調整方式(玉切り) 23個/100円 4.35円 3.955円 0.395円
3 カード徴収方式 25個/110円 4.4円 4円 0.4円





現状における最適な貸玉対応方式



筆者として、現状における最適な貸玉方式は現行方式と判断する。



理由として、第一に、他の方式ではお客様に値上がり感覚を与えてしまうことが挙げられる。



消費税が増えれば当然に支払は増えるものだが、消費税がかかっている認識を持っていなければ理由なき値上がりとなり、お客様には便乗値上げとしか映らない。



第二に、これまでも消費税が増税される中で、業界全体として貸玉料金についてはとくに対応がされなかったことが挙げられる。



表の通り、消費税率が増えれば増えるほど、遊技料金が落ち込む。つまり、売上が落ち込むこととなり、当然のことながら店舗にはダメージとなる。



その対応として過去に、いわゆる「大阪方式」という交換率での利益調整が行われたが、今回も同様の手立てをとることが手っ取り早くかつ適切な対応手段と判断される。



理由として、勝った人は気分が大きくなっていること、店舗の裁量のみで交換率を決めやすいことが挙げられる。



将来における最適な貸玉対応方式



将来的には現行方式以外の方式による貸玉対応方式を採用することが望まれる。



筆者としてはその中でも、貸玉個数調整方式(玉切り)が最適と判断する。



「現状では」現行方式が最適と述べた。その理由として、これまでも消費税の負担が増える中で、業界全体として貸玉料金についてはとくに対応がされなかったからとしている。



その対応があれば将来における最適な貸玉対応方式が採用できることとなるわけだが、具体的にどう対応すればよいか。



それは、貸玉料金に消費税がかかっている旨の明示をすることで、お客様に対して貸玉料金に消費税がかかっている認識を向上させることである。



単純な話であるが、ホール業界において、貸玉料金に消費税がかかっていることを明示している店舗が相当に少ない。



この明示をすることで貸玉料金に消費税がかかっている認識を向上させる。そのことから今後、消費税の増税に伴って貸玉料金を値上げしても、お客様の理解は以前より得やすくなる。



ただし、その明示のためには条件がある。



業界全体として明示の取組をすることである。



例えば、ある店舗では貸玉個数調整方式(玉切り)、別の店舗では現行方式を採用しているとしよう。



言い換えれば、ある店舗は100円24発、別の店舗では100円25発の貸玉料金とする。



そうなると、現行方式の店舗の方が割安とお客様に判断されるため、おのずと現行方式を採用している店舗にお客様は流れる。



こうしたことからも、「現状では」現行方式を採用することが最適となる。



ただし、現行方式は勝ちのお客様が負けのお客様の負担すべき消費税をも負担する形となってしまう。



また、消費税は本来、平等に広く浅く税負担を求めるという趣旨で創設されているが、その趣旨にも反することとなる。



そのため、将来的には現行方式以外の方式による貸玉対応方式を採用すべきと判断するが、とくに貸玉個数調整方式(玉切り)が最適と判断する。



その理由として、貸玉個数調整方式(玉切り)、カード徴収方式、双方ともに遊技料金がほぼ変わらないとするのであれば、お客様からすれば支払金額が安く済む貸玉個数調整方式(玉切り)を選択しやすいからである。



総論



筆者として、貸玉個数調整方式(玉切り)が最適な方式であると判断する。



そのためには、貸玉料金に消費税がかかっていることを知らないであろうお客様に、貸玉料金に消費税がかかっていることを明示し、認知させる必要がある。



ただしその取組は業界全体で行わなければならない。



そうでなければ現行方式を採用し、「大阪方式」による調整をすることになるであろう。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 遊べるパチンコに

    まず最初に、現在全国で約12000軒弱のパチンコ・パチスロのホールが存在しますが、これでもまだ数が多いと思っています。最終的には10000軒位まで下がればベストかなと、できれば地方のホールさんには生き残って欲しいですね。



    さて、消費税10%問題についてですがこれはひとつの「変革期」だと思っています。ホール側の予算、客側の懐事情から察するに業界全体が落ち込むことは明らかです。もはや「等価交換」では厳しいでしょうね。思い切って交換率を2.5円以下に下げましょう。(昔はこれで当り前でした)

    お客に「回る&玉が削られない」パチンコを体感してもらいます。そして、10%へ切り替わりと同時に23玉/100円に一斉変更すれば自然と受け入れられるんじゃないでしょうか?

    ギャンブルから娯楽へのシフトが10%時代を生き残る要素になると考えています。
    パチ☆プロ  »このコメントに返信
  2. ピンバック: パチ☆プロ

  3. 巨大生物、恐竜のごとく・・・

    《貸玉料金》

    1円→2円は昭和24年です

    2円→3円は昭和47年です

    3円→4円は昭和53年です

    4円上限の貸玉が30年以上続いています。



    昭和20年代(26年頃)の一万円は今の“価値”にするとどのくらいになるのか?

    単純に、昭和26年の公務員の初任給と現在の初任給と比較してみましょう。

    当時は約5千円で、今は約15万円。

    短絡的ですが、当時の一万円は、今の30万円に当たります。

    その視点では、昭和24年の貸玉料金2円は高額(価値比較)だったのですね。

    “手打ち”で発射数のコントロールも容易だったとは言え、ある意味、“高価な遊技”だったのかも・・・?



    昭和の時代の“大衆娯楽”は、平成の世に“格差娯楽”に変貌してしまいました。

    そこに来て、国民負担を象徴する“消費税”が10%に。

    P業界も新たな“極寒の時代”に突入しそうですねっ。



    約1億5000万年も地球を支配し、“隕石”の落下で6500万年前に絶滅した巨大生物“恐竜”。

    娯楽産業の“恐竜”も、○○○○と云う“小惑星”の落下で滅びる運命なのかも・・・?
    蜻蛉の親爺  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 蜻蛉の親爺

  5. 設備

    12000軒のパチンコ店の中には、玉貸調整を25玉から24や23といった端数設定が出来ない店があると聞きます。



    警察、組合が連動して、全国一律で消費税込みの貸玉を施行するようになったとして、

    島の数だけ新たに貸玉機械を取り付ける費用を捻出できない店は、

    自然淘汰と言う事なのでしょうか…



    業界縮小を食い止める一手として、

    設備メーカーが安価で取り付けできる貸玉設備のリースなどを提案していく姿勢が求められるかもしれませんね。



    一部では、換金所/交換所にて手数料名目で消費税を徴収する案もあると聞きます。

    これに関しては警察主導ではなく、

    あくまで問屋組合からの提案という形ですが。

    業界通行人  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 業界通行人

  7. Unknown

    昔に元店長が消費税増税時に備えて貸玉料金4円変更を訴えてました。同時に1玉切りにする提案もあったかと。

    パチンコ業界はほんま対応が遅いですね。

    ギリギリまで何もしない。

    聞くところ大手には有利に働くので何もしないらしい。資金力がないホールは大手にやられてジ・エンドでしょうかね。

    長年その場凌ぎ対応がお得意な業界ですから、ギリギリまで纏まんないのか?

    業界の体質が現れておる。
    SA  »このコメントに返信
  8. ピンバック: SA

  9. Unknown

    消費税が3%になった時から対策や検討が必要だったでしょう。何をやってたのパチンコ業界wwww
    通りすがりNNN  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 通りすがりNNN

  11. Unknown

    ぱち業界の人に質問です。

    消費税対応はどこまで詰められておりますか?
    一般人  »このコメントに返信
  12. ピンバック: 一般人

  13. Unknown

    業界人は見る人が減ったと思います

    今では一般ユーザーの

    掃き溜めになってしまっていますから



    もしかしたら

    見てはいるかもしれませんが

    コメントするだけ無駄と考えている人が

    増えていると思います
    ぶ~  »このコメントに返信
  14. ピンバック: ぶ~

  15. 業界、消費税アップに耐えられるんですか?

    どういう方式をとるにせよ、5%→10%の分のシワ寄せは全て打ち手の方に行くわけですよね・・・

    その値上がり分を何とかしてホールの企業努力で全て吸収するくらいの徹底改革をしないと、ますます客離れが加速してしまいますよ?
    ただの客  »このコメントに返信
  16. ピンバック: ただの客

  17. Unknown

    パチンコを23玉にするときには、スロットも46枚にするってことでしょうか。



    等価が当たり前、機械割に感心が高い客には、抵抗が強いかもしれませんね。



    余暇に使える金額がますます下がるなか、さらに期待値の下がったパチンコパチスロに、どれだけ使ってもらえますかね。



    消費税関連については、今後の動向をとても注目しています。
    みじんこ  »このコメントに返信
  18. ピンバック: みじんこ

  19. 消費税への対応

    消費税導入時と、5%への増税当初はまだまだ40個や42個固定など、低換金営業がメインだった頃なので、

    増税を乗り越えるだけの営業努力は充分できていたはずです。

    交換率差での利益確保で、消費税の確保ができていたのです。

    ですから、何もやってきていないわけでなく、増税を乗り越えるための営業努力をホールは常にやってきたと言えますね。



    しかし業界最大手を中心に、そのノウハウを自らかなぐり捨てたわけですが・・・。

    一物一価による等価営業禁止は、増税対応の足がかりになると私は考えます。一物一価を踏まえた上での市山所長の意見も聞きたいですね。
    A-R  »このコメントに返信
  20. ピンバック: A-R

  21. 業界で増税反対すべきだ

    > 消費税増税はまったなしだが



    そもそもこの考え方がおかしい

    消費税増税なんて、国の奔放を国民に押しつける詐欺行為だ

    政治家に圧力を掛ければ、今からでも止めさせることは可能

    財源なんて、金融緩和で景気浮揚させれば幾らでも沸いてくる



    業界全体で消費税増税に反対すべきだ
    名無し  »このコメントに返信
  22. ピンバック: 名無し

  23. Unknown

    素朴な疑問なんですが貸玉料金は4円が上限なのでは???
    えだまめ  »このコメントに返信
  24. ピンバック: えだまめ

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