パチンコ日報

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消えるガム、消えるメダルで変化に適応する者が生き残る

ある街頭インタビューで、ガムに関する調査が行われていた。インタビューを受けた中年男性は、「もう10年以上、ガムなんて噛んでいない」と答えた。理由は「歯の詰め物が取れそうで怖いから」というものだった。おそらく、そこまで深く考えて答えたわけではないのだろう。だがこの一言に、現在のガム業界が抱える構造的な問題が凝縮されている。

ガムは眠気覚ましや口臭ケアの定番として、日常的に消費されていた。しかしここ20年の間に、ガムの市場は半分以下に縮小している。特にコロナ禍による生活様式の変化は決定的だった。外出が減り、人と対面する機会が減少。マスク生活によって「自分の口臭を気にする機会」すらなくなった。仕事もテレワークが増え、自宅でガムを噛む理由はますます希薄になった。

そうした背景の中、2023年3月には明治が26年間販売してきたロングセラー「キシリッシュ」を終売にした。2007年に260億円を誇っていた売り上げは、2022年度にはわずか20億円。76%もの激減だ。

一方で、意外なところに“恩恵”もあった。街中の清掃業者によれば、「噛み終えたガムがそのまま道路に捨てられることが激減し、清掃作業が格段に楽になった」という。以前はアスファルトや駅の床にへばりついたガムをヘラやスチーマーで剥がすのが日常業務だったが、その負担が激減したというのだ。

この話は一見、ガム業界だけの問題に思えるが、実はパチンコ業界でもよく似た現象が起きている。

キーワードは「端玉」だ。

かつてホールでは、端玉景品としてロッテ・ヤクルト商品が定番だった。しかし、貯玉システムの普及により、景品として端玉を持ち帰る客は減少。ヤクルトの出庫数は激減し、いまや端玉景品にヤクルトを置かないホールも珍しくない。

もちろん、それが即ホール経営に直結するほど大きな問題ではない。だが、この現象は、業界の仕組みが静かに、しかし確実に変わっていることを示している。ヤクルトが消え、そして今、スマート機の登場によって、メダルや玉すら消えようとしている。この変化によって、長年ホールに供給していたメダル・玉メーカーにとっては死活問題だ。

ただ、これも事前に分かっていたことだった。変化の兆しは何年も前から見えていた。だからこそ、先手を打っていた企業は、メダルや玉が不要になる時代に向けてホール運営の効率化を支援するソリューションの開発を模索している。

そして今、その差が表れはじめている。

ガムが売れなくなっても、清掃現場では「楽になった」という声が出る。メダルが消えても、それに代わる価値を作れる企業は次のステージへ進める。逆に、変化にしがみつくばかりの企業は、静かに市場から退場していく。

時代の変化は残酷だが、適応のヒントはそこかしこに転がっている。生き残るのは、常に変化に対応する企業だ。



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