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ホリエモンに学ぶ地方FM局の3カ月黒字化

ホリエモンが、倒産寸前に追い込まれていた北九州市のFM局の経営を引き継ぎ、わずか3カ月で黒字化に成功したことが話題を呼んだ。地方局の多くが苦境にあえぐ中でのこの成果は、従来の常識に風穴を開ける事例として注目されている。

地方のラジオ局を取り巻く環境は厳しい。リスナー数の減少に伴い広告収入は細る一方で、放送機材の老朽化による更新費や送信所の維持管理コストが経営を圧迫する。首都圏の大手局ならともかく、地方局にとっては存続すら危ういのが現実だ。

では、なぜホリエモンは立て直しに成功したのか。その背景には、彼独自のラジオに対する視点と営業手法があった。

「僕は車移動が多いからラジオをよく聴くんです。斜陽産業と言われるけど、黒字化のやり方はある。今や専用ラジオを持っている人は少ない。多くはスマホでradikoを通じて聴いている。つまりラジオは地域放送にとどまらず、全国規模で勝負できるメディアになっている。全国の人が聴きたくなる番組を作ればいい」

従来、ラジオ局の広告営業は電通や博報堂といった大手代理店任せで、局の営業マン自らが広告営業に回る文化はなかった。そこにホリエモンは切り込み、自ら地元経営者のもとを訪れて広告を直接集めて回った。トップ自らが顔を出すことで広告獲得の成功率は格段にアップし、地域企業との新たな関係も築かれた。

ホリエモンは「日本のメディは営業をナメテいる」と憤る。

ホリエモンは会長に収まり、経営を引き継いだ大出社長も、地元のデベロッパーや建設会社、医師などを訪ね歩き、スポンサー獲得に奔走した。王道でもある「地道な直接営業」が、従来の代理店依存体質を変えたのであった。

番組面でも積極的な改革を進めた。ホリエモン自身が出演する番組を制作し、そこにスポンサーを付ける形で収益を確保。

また、スキャンダルでテレビ出演の場を失ったお笑いタレントの渡部建を起用し、話題性と独自性を兼ね備えた新番組を立ち上げた。スキャンダルでテレビでは使いづらくなった人材を今後も柔軟にキャスティング行く。これがラジオの強みといえる。

こうした一連の取り組みが功を奏し、短期間での黒字転換を実現したようだ。

そして今、この成功に刺激を受けたのかどうかは分からないが、ホールの経営者がFM局の買収を検討しているという情報も流れている。周囲からは「本業と無関係な門外漢の事業に手を出すべきではない」との反対意見もあるが、もし本気で参入するなら、ホリエモンが示したように従来型のラジオ局の経営感覚を覆す覚悟が必要だ。

ホールもまた、客数減と高射幸性で市場が縮小し続けている中で、新しい事業の柱を模索することは必要だ。ラジオ局経営はラーメン屋のような「副業」感覚で通用する世界ではない。

地域社会とどう結び付き、どのようにスポンサーを巻き込むのか。本業で培った「集客力」をラジオ経営にどう応用できるのか…。

ホリエモンの事例は、地方FM局にまだ活路が残されていることを示した。しかしそれを自分のビジネスにどう落とし込むのかは、経営者の胆力と発想力が試されることになる。



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