パチンコ日報

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アメリカで芽吹くホームパチンコ文化

アメリカ・テキサス州で4年間の駐在勤務を終えたAさんは、帰国直前に隣人から思いがけない頼まれごとをされた。手渡されたリストには、アニメ版権のパチンコ機が50機種あまり。これを日本で調達して送ってほしいというのだ。

困り果てたAさんは、父親の同級生がパチンコ業界関係者だったことを思い出し、SOSを出してきた。

聞けば、隣人の職業はカーペンター(大工)。自宅の居間には、歴代のエヴァのパチンコ台が3台も並んでいた。

週末のホームパーティーではその台を目当てに友人たちが集まり、激アツ演出に歓声が上がり、大当たりになればまるでロックフェスのような大騒ぎになるという。

気がつけば、いつしかホームパーティーの主役はパチンコ台になっていた。アメリカでも日本のアニメ人気は根強く、特にエヴァのような版権機は、アニメ文化の一部として受け入れられている。

カーペンターはこれを商売にできると考え、ガレージを改造して25台のパチンコ台を並べる計画を立てた。中でも綾波レイの巨大フィギュア付きはマストのリクエストだった。

アメリカの家は土地も家屋も広く、島設備など自作できる。実際、日報でも以前紹介したことがあるが、アメリカでは補給装置なし、手作りの島で営業する“パチンコ店”も存在する。換金は禁じられているが、景品や商品券の提供は許されており、合法的に楽しむことができる。

興味深いのは、アメリカでは換金なしのパチンコが、むしろ新しい娯楽として受け入れられていることだ。

大当たりで玉がジャンジャン出なくても、演出の盛り上がりで拍手が起こる。光と音の演出があれば、それだけで会話が生まれる。日本のように「勝てるかどうか」ではなく、「みんなで楽しめるかどうか」が価値の中心にあるのだ。

日本のパチンコが「出玉」を追い求めて自ら首を締めていく中で、海の向こうでは「体験」を軸にしたパチンコ文化が静かに根づこうとしている。しかも、その中心にあるのが日本のアニメ版権機というのが何とも皮肉である。

「出玉より物語」「利益より体験」。

この価値観の転換こそ、もしかすると業界再生のヒントなのかもしれない。天井付き、スマパチ、スマスロ――仕組みを変えても人の心は動かない。しかし、物語でつながるパチンコなら、再び人を惹きつける可能性がある。

今、日本ではパチンコがオワコンと呼ばれつつある。しかし、アメリカでの価値観の違いから新しい形で生まれ変わろうとしている。

皮肉なことに、パチンコの未来は、日本ではなくアメリカのガレージの中にあるのかもしれない。


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