いまや、どこのホールでも共通した悩みだ。しかし、それは当然の帰結でもある。新台を導入して、稼働があるうちに“抜く”のが営業の定石になって久しい。短期回収が当たり前になり、客の財布だけが痩せ細っていく。そんな営業を何年も続けてきたツケが、今まさに回ってきているのだ。
つまり、新台が回らないのは、客の問題ではなく、ホール自身がつくった構造的な問題だ。勝てない、面白くない、信用できない──その3拍子が揃えば、誰だって離れる。結果、残ったのはイベントでおいしいところだけを狙う専業・軍団だった。
ところが、その専業・軍団にも陰りが見え始めている。
「顔認証システムで軍団メンバーをすべて把握しているホールがあるんですが、そのホールによると、最近はそのグループ数自体が減っているようです」(都内ホール関係者)と声を潜める。
軍団の減少は、業界の衰退を象徴する現象でもある。彼らは普通に働くよりもウチコとして稼ぐ道を選んできた。彼らの日当は13時間打って1万5000円が相場。今はもっと効率のいい副業やアルバイトがいくらでもある。わざわざホールで汗を流す理由がなくなっているのだ。
専業・軍団の存在は、好き嫌いは別にして“ホールの命綱”でもあった。彼らが動くことでデータが動き、台が回り、にぎわいが演出された。ところが、軍団が消えれば、ホールに残るのは「やることのないお年寄り」だけの世界。新台を入れても、打ち手の世代交代がない業界に未来はない。
パチンコは「抜き営業」になって久しい。しかし、かつてのように「遊ばせる業界」へと舵を切らない限り、客はもう戻らない。ホールは新台の出来を語る前に、自らの営業姿勢を見直す必要がある。
「パチンコ店のニーズは、ヘソ賞球1個の高速吸込の高射幸LT機。なので現在の状況は、娯楽の原点からどんどん離れています」、「今や20スロの軍資金は朝から晩まで遊技する為には『10万円必要』だってさ。メーカーもホールも大○○!!」、「今のパチンコはアホらしくて打つ気がしない」と日報のコメントにも表れている。
そんな声がファンの口から出るようでは、どんな機械も報われない。メーカーがどれほど力を入れて新台を作っても、それを“抜く”ための道具としてしか扱わないのなら、業界全体が縮小の一途をたどるのは必然だ。
軍団が去り、若者が寄りつかず、年寄りだけが残る。
この構図を放置したまま、「新台の稼働が悪い」と嘆くのは筋違いである。
パチンコ業界よ、まず鏡を見よ──。
業界人が「抜いたのは、客の財布だけではなく、信頼そのものだった。
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