女性はそれまでは旦那と連れ立ってホールに来ていた。男性客はその店の常連で女性客とは顔見知りだった。
ある日を境に夫婦で店に来なくなった。女性一人で来るようになった。理由は死別だった。
元々、ホールでは顔見知りの常連客同士だった。老いらくの恋が始まった。男性は何年も前に離婚していた。2人は結婚することになる。
2人とも資産家なので結婚してからも2人でホールに遊びに来たのだが、旦那の方がとんでもない焼きもち焼きだった。奥さんが若い従業員と話しているだけで焼きもちを焼き、「うちのかみさんとはなすんじゃねえ」と従業員に釘を刺した。
しかも、奥さんにはそのことを「口外するな」と口止めした。
困ったのは従業員の方だ。常連さんだったので、それまで気軽に声をかけていたのに、旦那が怒るので、できなくなった。
それまでのフレンドリーだった関係がぎくしゃくし始めて、店側としては非常に困っている。
スタッフはその女性が呼び出しランプを押すのが怖くなった。束縛が異常に強い旦那に何をいわれるか分からないので、関わり合いたくなくなった。
旦那からは口止めされているので、理由も話せない。
その嫉妬はお客さんにも向けられるようになってきた。
自分がホールで声をかけて射止めたものだから、他のお客さんに取られるのではないかと、猜疑心がわいてくる。
夫婦共々、昔から通っている常連客なので、ホール側にすれば、大事なお客さんを失いたくない。
昔は夫婦が一緒に働くケースが珍しくはなかった。
30代半ばの夫婦だったが、このケースでも旦那が非常なまでのやきもち焼きだった。店長や従業員が仕事のことで話しているだけで「何を話した」と奥さんに問い詰めるタイプだった。
奥さんの仕事はウンター係だったが、事務所に呼ばれただけで、後から旦那が入って来るぐらいのやきもち焼きだった。
焼きもち焼きに嫌気が差し、奥さんの方が一緒のシフトで働くのを嫌がるようになった。そして、店長に「旦那に内緒で会社を辞めたい」と相談した。
店長も旦那の焼きもちは、目に余っていたので、人事と相談して、辞めることを了承した。
会社を辞めるだけでなく、その後のことも打ち合わせた。
いつものように、朝、夫婦で出勤してきた。旦那に悟られないように、平静さを装った。決行したのは昼休みだった。
「買い物に行ってくる」と出かけたまま、そのまま失踪した。といっても店側は知っている。知らないのは旦那だけ。
旦那は心配で、心配で警察に捜索願を出したが、店側は警察にも事情を説明した。
こういう異常なまでに嫉妬心が強い人が、別れた後からストーカーに変貌するのだろう。
前出のケース、あなたが店長ならどう対処しますか?

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