パチンコ日報

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崩壊する1パチビジネスモデル:高齢化社会がもたらすホール企業の未来

かつて、何でも揃う「総合スーパー」は、街の中心に君臨し、多くの家庭のニーズに応えていた。

食料品、衣料品、日用品、家電製品まで、一箇所で手に入る便利さは圧倒的だった。しかし、少子高齢化とライフスタイルの変化が進むにつれ、そのビジネスモデルは徐々に崩壊していった。

消費者の多様化したニーズに応えきれず、専門店やネット通販に押されていった結果、総合スーパーはかつての輝きを失ったのである。

11月26日付のヤフーニュースにも詳しい。春日部の“シンボル”「クレヨンしんちゃん」の聖地 52年の歴史に幕…イトーヨーカドー相次ぐ閉店の背景は

少子高齢化に伴い、若年層が減少し、家庭を持つ世帯も少なくなっていく中で、総合スーパーの顧客基盤は縮小していった。かつては家族全員で週末に買い物を楽しむ風景が当たり前だったが、今や一人暮らしや共働き世帯が増え、消費行動も変わってきた。

効率を重視する現代人は、日用品をコンビニで手早く購入し、洋服はファストファッション、食料品は専門店で買い求めることが多くなった。

さらに、オンラインショッピングの台頭が総合スーパーにとって大きな脅威となった。Amazonや楽天といったECサイトが、24時間いつでもどこでも購入できる利便性を提供することで、総合スーパーの来店客数は大きく減少した。

消費者は、わざわざ足を運んで店内を歩き回る必要がなくなり、クリック一つで欲しいものを手に入れることができるようになった。

このようにして総合スーパーのビジネスモデルが崩壊していった背景には、顧客のニーズの変化に対応しきれなかったことが挙げられる。総合的にすべてを取り扱うことにこだわり続けた結果、専門性を持った小売業態や、利便性を追求するオンラインショッピングに太刀打ちできなくなったのである。

この総合スーパーの失敗は、パチンコ業界、特に1パチのビジネスモデルに重ね合わせることができる。

1パチは、かつては「手軽に遊べる娯楽」として多くの高齢者を惹きつけてきたが、その顧客層はまさに少子高齢化の影響を受けている。高齢化が進む中で、1パチを支える年金生活者たちは、体力や興味の減退とともにパチンコホールから足を遠ざけている。これは、総合スーパーが顧客の減少とともに崩壊していったのと同じ道を辿っていると言える。

さらに、パチンコ業界は許可産業であり、自己改革の自由が少ないことが、この問題をさらに深刻化している。

総合スーパーが安売りやセールで集客を試みたように、パチンコホールも1パチを主軸とした薄利多売のビジネスモデルを採用しているが、それは一時的な延命措置に過ぎない。

総合スーパーが価格競争に敗れ、結果的に店舗を閉鎖していったように、1パチユーザーが減少し続けることで、ホール企業の経営はさらに厳しさを増すことが予想される。

ホール企業が今後生き残るためには、新たなビジネスモデルの構築が不可欠である。1パチに依存し続けるだけでは、総合スーパーが辿った崩壊の道から逃れることはできない。

スロットに押され、最近の4パチの稼働低下も深刻だ。このままではパチンコ自体がスロットにシェアを奪われ、パチンコそのものの存続が危ぶまれる。


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ファン感くじの「残念」に替わる一言

今年もパチンコファン感謝デーのシーズンとなった。この時、賞品が当たるくじが配られるのだが、客の1人が引いたくじは「残念」だった。その残念という文字にぶつくさと文句を言っているのが聞こえてきた。話を聞いてみるとこういう主旨だった。


「パチンコ屋から残念と言われるのは腹が立つ。残念に替わる表現がないのか。ウチの会社では年末に福引をやっているが、『残念でしたね』とは言うな『申し訳ありません』というように指導している。その方が誠意の伝わり方が違う」

世の中、色んなことに拘る人がいるが、まさかくじの「残念」に一家言があるとは思ってもみなかった。

そこにはパチンコ業界ならではの背景がある。

パチンコのリーチ演出のほとんどは、ハズレで終わることを前提としたゲームである。プレイヤーは数々の派手な演出に一瞬期待を抱くが、その大半は「ハズレ」という結果に終わる。演出による高揚感と、それが外れた時の落胆を繰り返すことが、このパチンコ“抽選機”の本質である。

長々と「ハズレ」が続くことで、プレイヤーは徐々にフラストレーションを貯めていく。そんな中で行われるファン感デーのくじ引きで「残念」と表示されれば、プレイヤーにとっては「またか」と感じられる。

普段の遊技では避けられない「ハズレ」ではあるが、ファン感デーや特別なイベントがある場合には、少しでもプレイヤーの気持ちに寄り添う必要である。

では、「残念」に替わる表現とは何か? 答えはポジティブな言葉の選択がある。いくつかの候補を挙げてみる。

まず、「次回に期待!」。このフレーズは、今回の結果が「ハズレ」であっても、次回に繋がる希望を示している。プレイヤーに「また挑戦してみよう」と思わせる効果があり、ポジティブな印象を与えることができる。

次は「あと少しで当たり!」。残念だというニュアンスを含むこの表現は、プレイヤーに「今回は運が少し足りなかった」と感じさせる。落胆を次への期待感を持たせる言葉である。

最後に「もう一歩!」。プレイヤーが勝利に近づいていたことを暗示するこの言葉は、ハズレとは異なる印象を与えることができる。

「残念」や「ハズレ」といった言葉は、どうしてもネガティブな印象が強くなる。ポジティブな表現に置き換えることで、プレイヤーの気持ちも和らぐ可能性がある。

くじ引きは、店舗側からの「感謝の気持ち」を伝える場であるため、使う言葉ひとつで印象が変わる。

ホールでくじ引きの結果に表示する一言は、単純な結果以上の意味を持つ。普段の遊技で「ハズレ」に慣れているプレイヤーだからこそ、ファン感デーでは、少しでも明るい気持ちで「次回に期待!」や「もう一歩!」といったポジティブなフレーズを使うことだ。

結果がハズレであっても、プレイヤーは前向きな気持ちで次の挑戦の意欲が湧き、店への好感度アップにもつながる。



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業界はいつまで4パチに拘り続けるのか?

秋晴れの行楽シーズン、日曜日の大阪・ナンバは人、人、人! インバウンド効果が爆発的に影響して、道頓堀界隈は外国人だらけ。観光客でごった返し、歩くことさえ一苦労だ。大阪名物たこ焼き店の前には長い蛇の列。射的場では若者の歓声が上がる。観光客たちはスマホを片手に、SNS映えする瞬間を探しつつ、ひたすら大阪を楽しみ続けているようだ。

一方のホールはというと旗艦店と銘打っている店舗の稼働に目を疑った。ほとんどの島に閑古鳥が鳴いている。どの島もスカスカで、台の前に座る人影はまばらだ。 誇らしげに店内に掲げられた「旗艦店」という看板が痛々しい。 ま、この低稼働ぶりは今に始まったことではないが、旗艦店としては寂しい限りだ。

閑古鳥の理由は4円パチンコに拘り続けているからだ。人目につかない隅の方に、わずかばかりの1パチコーナーがあるのだが、ここだけは客が付いている。業界のジレンマを見事に体現しているのがこの旗艦店とも言える。

4パチの稼働は年々下がり続けているのに対して、20スロはその逆で稼働は上昇傾向にある。4パチは稼働低下で利益をカバーするために、玉単価が2020年1.59円だったのに対して2024年は1.93円まで上昇している。

玉単価が上がるということは、それだけユーザーの懐を痛めて、さらに4パチ客が離反する結果になっている。

4パチを維持しようと思えば、以前は台粗3000円で経営できていたものが、現在は4000円となっている。この台粗を見ても分かるように4パチ客はますますいなくなっていく傾向にある。

4パチ客は日曜日の旗艦店を見ても分かる通りだ。しかし、粗利貢献ができるという理由だけで、4パチ客がいないのも関わらず、4パチ台数を減らせないジレンマに陥っている。

これはパチンコ業界という言葉があるように、パチンコの設置台数を減らせないというメーカーとホールの妙な意地があるように感じられる。しかし、市場の動向を見れば時代は確実にスロットへと向かっている。

メーカーの年間生産台数比率は、2021年では170万台中、パチンコ64%、スロット36%、とパチンコの方が勝っていた。2024年は年間販売台数140万台に対して、パチンコ51%、スロット49%、とやっと半々になってきた。

東京の主要エリアではついに設置比率がパチンコ43%、スロット57%と逆転している。あるホール関係者は「現在パチンコで稼働が安定しているのは『海物語』だけ。他の台はもういらない」 と言うほどだ。

これまでパチンコ業界の歴史はパチンコとスロットが交互に隆盛を繰り返してきた。しかし、若者がスロットから入門する現状ではパチンコの比重はどんどん低下することになりそうだ。実際、パチンコを支えている年配層が減り、遊技頻度も低下している。これはやがてパチンコが消えていく前兆なのかも知れない。


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パートタイマーの薬剤師採用でホールから薬局経営へ!?

東北の片隅で2店舗を経営しているホール企業がある。しかし、そのうちの1店舗は閉店予備軍となっている。

そんな状況下で、50代の女性が求人に応募してきた。履歴書を見た店長の目が飛び出る。なぜなら、その女性が薬剤師の資格を持っていたからだ。薬剤師がなぜホールに?と店長は頭をひねるが、話を聞いて納得した。

この女性、薬剤師同士で結婚し、離婚後は一度薬剤師を休業。再度薬剤師として復帰する予定だが、ひとまずパートタイムで、ホールで働きたいということで応募してきたのだ。

店長はこの予想外の展開を社長に報告した。すると社長が「俺も会いたい」と言い出した。なぜそんなに興味を持ったのかと言えば、実は閉店危機の店舗に対し、以前ドラッグストアーチェーンから「その建物を貸してほしい」というオファーがあったからだ。まだドラッグストア需要がある地域であることを知った社長は、他人に貸すくらいなら自分で薬局をやった方がいいのでは?と急にアイデアが閃いたのだ。

「実は前々から薬局をやろうと思っていた」と社長は面談の際、堂々と張ったりをかました。そして「ついてはその責任者になってほしい」と持ちかけ、その場で女性を採用した。

他の社員には内緒で、時給2000円という破格の待遇を約束した。この女性が応募してこなければ、薬局経営なんて微塵も考えなかったというのが本音だろう。

しかし、社長が薬局経営に踏み切るのはいいが、薬局の運営は全くの門外漢。そこで頼ったのが、ドラッグ業界のコンサルだった。

コンサルは廃業予定の店舗について、サイズ的にはちょうどいいが建物の寿命はあと15年と判断。また、現在のドラッグストア事情について「薬は通販が主流となり、今では薬だけでなく、食料品まで一気通貫で扱うことで客が1カ所で買い物を済ませられるようになっている」と説明した。

ここで第三者的にも一つの疑問が浮かぶ。果たして、この激しいドラッグストア業界の中で、個人経営の薬局が生き残れるのだろうか?

コンサルは社長に「なぜ、パチンコ業界が儲かっているときに多角化しなかったのか」と逆質問を投げかけた。

その答えは単純明快だった。

社長曰く「パチンコが儲かっていた時代には、他の業界の利益がバカらしく見えたから」というわけだ。利益が薄い商売より、儲かる商売に力が入るのは当然の話である。

パチンコが衰退した理由についてコンサルは「客がパチンコに飽きたのではなく、ホールが玉を出さなくなったからだ」とズバリ指摘。これには社長も二の句が継げなかった。

社長は「機械代が20万円だったのが50万円に跳ね上がったから」と反論したが、コンサルは「商売人にその言い訳は通用しない」と一蹴した。

さらに、等価交換が主流となった現状を指摘し、「ギャンブラーしか来ない業界にしたのは業界の責任だ」と断罪。ホールは朝6時から集客するような発想が足りないと続けた。

社長が「昔はモーニングサービスをやっていたが、警察の規制で廃止された」と言い訳すると、コンサルは「警察に規制されない方法で集客する発想を持たなければならない。出勤前に1時間でもパチンコを打ってもらうためのアイデアを考えるのが商売の楽しさだ。パチンコ業界はその辺りから発想を変える必要がある」と薬局よりもパチンコ業界へのアドバイスに熱が入ったのであった。



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なんでもかんでもカスハラと一括りにすることなかれ

ハラスメントの中でも最近クローズアップされているのがカスハラだ。中でも鉄道会社の駅員は客の立場という威を借りて、些細なことにも理不尽な要求を突き付けられることが少なくない。

特に酔っぱらった客は駅員に暴力を働いたりする。そのため、鉄道会社の業界団体はカスハラ撲滅に向けた指針を策定。「働きやすい環境を損なう」としてそのような乗客には対応しない、とJR東は声明を発表している。

こうした風潮から客からクレームがあると、すぐに「カスハラ」と受け止められてしまうと問題解決の本質から外れてしまうこともある。

特にホール経営は負けるお客さんで成り立っている要素があるので、自己防衛に陥りやすい。

最近こんなことがあった。

あるホールのカウンターでの出来事。普段、ウンター係は1人で対応しているのだが、景品交換の客が増えてきたため、2人態勢で対応していた。

1人体制の時は、カウンター係はヘッドセットマイクを付け、声はスピーカーを通して聞こえるようにしている。この時2人目はマイクを付けていなかった。隣のスピーカーから流れてくる声のボリュームが大きいので、何を言っているか聞き取れなかった。

内容は500円分の端玉は何にしますか、ということなのだが、これがお客の耳には届かなかった。

今は何か文句を言うとすぐにカスハラと受け止められるので、慎重に言葉を選びながらこう言った。

「文句を言ってるんじゃないからね。隣のスピーカーの音が大きくて何を言っているのか聞こえないよ」

カウンター係の女性に言っただけでは問題解決にならないと思い、お節介でもいいから、役職者の人を呼んでもらった。

対応に出たのは主任だった。

声が聞き取りにくいということを説明すると「スピーカーが一つしかないので仕方ありません」と言い訳から入った。

この対応にまずガッカリした。ホールは自分たちを正当化する気持ちが働くのか、言い訳から始まる。

「まずは、ご意見ありがとうございますから始めるのが一般的な会社の対応なのに、どこのホールも自己防衛から入る。客からの問題提起でも全部苦情と思うから、すぐに顔に出るのも特徴。今回の面倒くさいことを言われた、と思っていることが分かった」

スピーカーが1台しかないのなら2台にするだけで問題解決だ。これで聞き取りにくいという客の不満も解消されるというものだ。

なんでもかんでも、客からの意見を苦情と受け止められたら会話が成り立たなくなる。カスハラと受け取る風潮にも問題がある。



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