パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

セカンドエフォート⑤設置台数1

母を亡くしてからも、それなりに仕事は忙しく複数の同時進行案件が有るため、あまり考えないでおこうと蓋をしていた自分もいた。

身勝手だが、心の中で言葉にはせず母の顔を思い出す事で偲び、落ち着いてからゆっくりと考えようと思ったのだ。
ただ時折あの声「誰を助ける?」が頭に浮かんだ。
それはいつのまにか「助ける」という言葉となって心の中で反芻していた…


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私の顧客の一人に治療院の経営者Aさんが居ます。

その方は資金繰りに窮しており、これまでも先輩や税理士の先生から何かとアドバイスを貰っているようだったが、効果的な改善に至っていないケースです。

匙を投げているような税理さんから試算表などの各財務諸表や必要な資料を取り寄せえて貰い、実効金利や債務償還能力等について一通り分析した。

その内容を経営者さんに伝える大事な席で、Aさんは目を逸らしたいのか関係の無い話をされます。

曰く、可愛がっている後輩がプロ野球のドラフトにかかりそうだといった内容で、ストックしたスポーツ紙をいくつも出して、これまでのエピソードを話す。

そのうち、今後有名になったらご飯奢っても良いのか?等、なんとも回答しにくい話に及んだ。何とかやり過ごして、危機感や少し心構えについて一歩でも進むような形でその席は手仕舞いにした。

そして次の機会がやってくる。

前回至らなかった内容にいくつかの改善案・施策と将来的な予測、付け加えて複利の怖さを伝えながら具体的なシミュレーション等をまとめて話しているうちに、Aさんは自身の認識のと現実のギャップに少し顔が青ざめていた。

そこで私は確信を突く話を切り出した。

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前回は国内の賃金や価格は先進国でも低い(伸びていない)事を踏まえ、インフレの質が変わる過度期であり、そのような外的要因を受け商品コスト(機械代)は下がらないのではと云う内容でしたが、内容的に少し詰め込みすぎましたね。

この内容ついては、一歩踏み込んだ内容はコメントや他の寄稿で挙げられるかなとも考えており、多様多面なご意見に期待していました。ただ具体案についてしょうゆさんからコメントをいただき(しょうゆさん有難うございます)ましたので、近いうちに(イシュー①とします)に取り上げます。

今回は営業視点的な話として、適正台数について触れましたのでそのつづきをお話したいと思います。

市場導入台数や機械評価・現状のポジション・セグメント等から、適正台数が5台と弾きだされたある機種の話でした。

ここでの5台をもう少し実態の店舗に近い形で定義すると、そもそもの導入店舗は機械評価が良いという場合は10台前後、メイン的な機種はそれ以上(20台以上)という店舗です。

今回の機種は最大で5台しか入らないが減らされる可能性も有ります。また5台以上には販売金額の10%程の台数値引きが適用されます。なおシマの台数などの設置場所の規模による個別要因は除きます。

このようなケースでは理論上から5台が最適解とすれば、次の選択順位は単純に5→4→3→2→1→0パターン(傾向)になります。

先に挙げますが、パチンコ業界もひと昔前に比べ、多くの方がマーケティングの重要性に触れ学び実践する機会が増えました。

その結果、理論値など合理的な思考や戦略に行きつくのは良い事だと思いますし、実際私自身も気づきや学ぶ機会がより簡単に増えたこと環境を実感しています。

またSNSをはじめとする環境の変化で、社会全体が単純なロジックや思い付きについても壁打ち相手が沢山居る状況(この相手が居るという事が大きい)で、よりブラッシュアップにも繋がっている状況です。

脱線しますがそんな多様な環境下で、ことブログや掲示板等の媒体では、叩かれる事や論の優位性を過激に競ったりする事や意見や視点の相違に疲れた方達は、より楽で便利でストレスの無い関わり方や各々に合った異なる媒体へシフトしています。

マーケティングの話に触れましたが、マーケティングは5→4→3→2→1→0パターンのような、そんな単純な数値のロジックでは有りませんし、実際問題として先のパターンは最適解という方は殆ど居ないでしょうから、5→4→3→2→1→0で止まるのでは無く、他の要因を踏まえて進めます。

5→4→3→2→1→0の話ですが、現実のケースでは5台の次に考えられるのは1台という結論になるケースが多いのではないでしょうか。

理由として挙げられるのはバラエティなら動く(回収しやすい)・ダメでも低玉へシフト(二毛作)という考えや転売しやすい等で、そこに至る根拠も有れば間違いでは無いです。

そうしますと、これも単純化すると5→1→4→3→2→0となります。

さらに一歩進めると、期競合への導入予測や希望台数が4以下になる可能性が高い事から、買わない選択(他の機種・リソースへの転嫁)、0も有りだと云う事になりました。

その結果5→1→0→4→3→2や0→5→4→3→2→1という答えに行きつくケースが多いのでは無いでしょうか? 0の位置は領域の違う話や・要因が増えるため、ここでは取り除きさらに単純化すると、A.5→1→4→3→2かB.5→4→3→2→1の2パターンです。

A.Bで考えられるケースは、例えばよりリアルな話で進めると、資金力や台数が多い大型店舗は、資金力・調達力・購入先(メーカー)からの評価もあるため交換条件を提案するなど、値引きだけでなく市場シェアに重きを置き5台をほぼ満額回答貰えるようなケースはどちらかというと5台にこだわったB。

5台入らなくても1台でも多くといったシンプルなケースもB。

対してAのケースでは、資金や台数的に限りがある店舗で、競合にもそれなりに導入される機種と想定しているけど、無理に台数にこだわって、余計な抱き合わせ機種を買わされる位なら、線を引いてバラエティ1台でも良いという判断でA。

どちらにも共通するのは0の扱いを除いた場合、バラエティといったセグメントの異なる属性1を除くと、5台からの降順が共通する答えとなります。

他社様を支援する立場の私は、その店舗のポジションを明確にしたうえで戦略・方向性が目標・目的にズレが無いか?を踏まえた内容を出発点としています。

その中でも、使える大きな資力が無い(資本が無いでは有りません)或いは規模で劣るなど競合が優位ないわゆる弱小店や3番手以下(2番手と3番手以下では戦略が異なるケースが多い)のホールで気を付けていたのは、コモディティ化を避けると云う事。

補足しますが、コモディティ化を避けるためにと言っても、逆張りや思い付き(思い込み)一発で大きな投資はまずやりません。

ただし思い付きを全否定することは有りません。

それは中々身になりませんし、再現性が乏しいからですが、革新的な一歩はこういった中や多様性から産まれるケースが有る事を経験上認識しているからです。

ただ現実としては、期待値が大きい或いはチャレンジしたいと云う主体の声を受けた場合、投資額を絞ったケースについてはGOを出すケース(投資というよりかは少額投機)が多かったりします。

コモディティ化を避けるために奇をてらう事は、まぐれ当たりは有っても永続を前提とする経営では成立しませんし、私の思う差別化とは本筋は抑えた上で、少し疑ってみる或いは視点や視野を変えてみる等の、僅かな差と小さな種や武器が先ずは第一歩となります。

54321や51432は1を除くと降順で同様の話に戻すと、これはあくまでも理論上の適正値です。 

理論=現実・結果は適正値と異なるケースが多く存在しますし皆様も認識されているでしょう。

理論値や期待値は試行が増えるほど、収束しはじき出された結果に近づくのですが、ここで伝えたいのは、試行が少ない・たまたまではなく差別化・戦略化出来るケースが有ると云う事実です。

それもコモディティ化を避けた奇貨みたいな物では無く、実際に54321や51432と異なる答えが有ると云う事です。

これらはPDCAの中の検証(ロジック先行或いはPDに比べCAが弱い方・店舗はとても多いよう思います)から実際に多くの場面で見られた、再現性のある結論なのです。

優秀な経営幹部やマーケティングを身に付けた方も多い業界ですから、実際に過去の実績から検証されるていらっしゃる方には分かると思います。

つづく


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セカンドエフォート④商品コスト

「お母さん死んだ!」

妹からのショートメールは10文字にも満たなかった。

あの日。在宅仕事のやり取りを済ませた朝から4日が経っていた。定期的なコンタクトを取っていたケースワーカーさんの連絡を受け、倒れた母を見つけた兄は警察に行っていた。

事件性は無いという事だが、身内は皆パニックになっていた。

私は「通夜や告別式は今日・明日じゃないしバタバタしないように。それから遺体を見て動揺している兄への連絡は避け連絡を待つようにして」と妹から他の兄弟や身内へ伝言をお願いした。

頭の中では色々な事が浮かんでくる。

それから告別式までは本当に早かった。 推定死亡日を聞いたのは、一報を受けた翌日だったと思うが記憶が曖昧になっている。覚えているのは、枕元に立ったのか…という思いに悲しみや寂しさや後悔などが入り混じったつらい思いだった。

初七日を過ぎた頃から私は「誰を助けるの?」という、あの声の意味を考え続けていた。

多面的な視点や考えを説く機会が多かった私は、いつしか誰を助けるだけ?では無く様々な事に置き換えて考えていた。


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前回はパチンコに代わる余暇という事で公営ギャンブルについて進めました。

例えば店舗視察一つをとっても、ベンチマーキングの結果には差が有る。

STP分析などのフレームワークも大切でしょうが、ちょっとした違和感や自身(店舗や会社)との違い・その業界では当たり前な事でも部外者には??な単純な疑問への答えに、チャンスはイノベーションの種が有るように思います。

〇商品(機械代)コストの上昇

今回はコストの上昇について進めます(セカンドエフォート②で取り上げた内容を補足して行こうと考えていましたが、反応が無ければ適宜変更します)。

インフレには様々な種類が有る中で、現在の日本市場は、コストの上昇や人手不足が要因のコストプッシュインフレと言われています。

上がった物価が下がる事は、今後相当期間に渡って無いと思いますし、日本は徐々に需要が上がっていくデマンドプルインフレに移行して行く過渡期だろうと見ています。

円安を受けインバウンド需要はコロナ前より上回るのは確実視されている中、それらをターゲットにする1杯2000円~3000円のラーメンなどは、珍しくない。

現在の関西空港の国際線フロアのメニュー表

画像は先週の物だが、その時日本人は皆無で座っているのは外国人ばかり。お腹が減っても、さすがにこの価格は二の足を踏む。

海外に行けば、ラーメンなどの外食以外にもユニクロ等のアパレル店も日本より割高な価格です。

長いデフレが続き現在に至る中で、いつからか日本は先進国でも物や人件費が割安な国になっているのが現状です。

今のパチンコ業界の現状はユーザーへお金が回る(すでに回っている業種もある)状況待ちとも言えます。

あらゆる省庁の施策もこれに沿った内容が多いと感じます。

客層やロケーションにも依りますが、このまま恩恵を受けられないコストプッシュの転嫁=価格を上げられない(売上増・粗利増)ホールも数多く有る。

実質の所得は冷えたままですし、これから長い期間は日沈む国日本と無らないとは断言できませんが、少なくとも国の方向性としては第2・第3の施策を打っている途中でもあります。

自店の顧客は実質所得が上がっているのか? 実質所得が上がり可処分所得に回るのか? その回ったお金はホールに流れてくるのか?

機械の話に戻すと、ホールはジリ貧で苦しくメーカーは好調だが、それでも機械価格が下がる事は無いと見ています。

ビジネスモデル的にホール(購入客)が減り、購入金額(台数)も減っていく事に対応するために、価格を下げる経営判断をしますか?

ホールとの違いはビジネスモデルだけではなく、投資家や金融機関の目線がより影響されるという事も理由の一つです。

今後さらに省力化を含むコストダウンが有っても、価格を下げる資金は他の使途に使う方が有益と考えるのが普通です。

他業種展開が上手く行ったメーカーが、市場規模が縮小されていく本業にその利益を投資する事は考えられないですし、ホール経営に於いても仮に他業種で莫大に利益が出ていたとしても、ホールの利益率を下げるケースは無いでしょう。

これらに対するために、大手チェーンのように購買力を背景に価格交渉をする事や自社開発に取り組む事例が有ります。
前者はとてもマネできる物では有りませんが、後者は他業種のボランタリーチェーン等も含め可能性が多いように感じます。

現在はそれに繋がるか分かりませんが、企画などでは企業間のコラボもSNSの普及により一時代からは考えられ無いほど増えていますし、クローズドな場では様々な交流が沢山有ります。

ナレッジやアライアンスは立場の弱いホールにとっては、将来の「種」になるかもしれません。

大手物販ではメーカーに対して価格交渉力が強い事例や利益率の良いプライベートブランドを展開する小売り等は顕在していますが、パチンコホールが成長した先に有る進化系(残された領域)の一つはOEMや内製化だと思います。

蛇足ですがユニクロについて触れましたが、1990年代上場前のユニクロのCMキャラが小林克也さんだった頃は、内製品ばかりではない他社商品も沢山有りました。

ホールがメーカーの領域に進出する若しくはシェアする事等、これまでと違ったアクションが無いと機械代上昇は抑えられないのではないでしょうか。

10年以上前になりますが、正栄プロジェクトの美山社長がビッグサイトで「今のパチンコの単価は4円パチンコではなく6円パチンコ。 今後生き残るためには一つの案としてメーカーと物件を持分で経営しシェアする」といった講演をされていらっしゃいましたが、顧客の懐を傷めない事と上昇する販管費(低下する利益)を憂いた危機感からの発信だったのでしょう。

機械価格を直接補うには、一番は収益力の向上ですが稼働も粗利も限界となれば、相当なイノベーションが起こらない限り、残る領域は省力化という事でしょうか。

これも直接ホールの運営・管理だけでは限界で機器メーカー各社さんの今後の開発力に頼るところ大ですが…

即効性ある手立てが打てない現状で、ましてや人出不足な現代での省力化もなかなか簡単では無い。

前回の一人〇役と言う話で、働く人材の有り方も繋がると書いたのはこういう視点からでした。
自動化やAIに飲み込まれない役割や働き方は有るでしょう。

ネガティブで時間のかかる話ばかり続きましたので、少し営業視点のお話を。

適正台数という言葉が有ります。

設置比率の何%とか、アバウトだと列とかバラとか。

その点私は予算という視点からは算盤を弾きますが、営業という視点では別視点を以て考えており、成果に繋げていました。

例に挙げると、稼働や粗利の最大化という視点で、例えばある機種の適正台数は5台とはじき出されたとします。当然これらは市場に投入される台数や、スペック等の事前情報が加味された理論値です。

ところが、5台が欲しいところですが希望台数は入りませんとの回答。5台入らないならせめて4台・うちのシマは5台ダメなら後はバラ用で2台か1台…

こんな感じで進むのが多いと思います。

台数が減った場合の策や台数に於ける自店分析や傾向は把握していますか?

つづく


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セカンドエフォート③競合他業種

前回は、パチンコ業界の現況(短所)について挙げた上で、真因からズレた施策では効果は見込めないと言う内容でした。

今日では、無名匿名問わず例えコメントでも書き込みをするメリットは少ないと言う方も増えました。
特に匿名では相互間での実の有るやり取りが潜め、言い捨てや攻撃が増えた分、面倒やストレスになるだけだと。

数年前の元店長さんの最後の寄稿を思い出します。

あれだけの貢献が有り、様々な視点で寄稿を何百本も続けた方が、コメントでブチ切れてしまい寄稿を止めてしまった。

あれから日報の記事もさびしくなりました。

コメントでカッカすることも有りますが、書いて良かったと勇気づけられる事も勿論有ります。
その上で、行間と言うか意図を読み取っていただきたいなと思います。

すべてを書けない・書かないのは勿体付けている訳でも無いし、文字数の問題でも有りません。
ましてや不特定多数の様々な立場・考えの方が読んでいます。

当然すべて同じ見解になる筈も無く、伝える側は、すべてに伝わらなくとも、気付く方に気付いて貰えたらと言う気持ちや、読み手のレベルや意識の高さに、望外な解釈をいただいて勉強させていただく事も有るのです。

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さて、今回は各項目について考察を進めたいと思います。

〇パチンコに変わる余暇の多種多様化

スマホゲームやYouTubeを始めとする動画サイトも広義で言えば競合しているかも知れませんが、公営ギャンブルに絞ります。

少し前になりますが産経新聞NETからの引用です。

かつて業界で働く方のうち少なくない数は、糧を得ると同時にユーザーでもあった。そんな方たちは競馬を始めとする公営ギャンブルに行ってしまったのは周知のとおり。「勝てない」「面白くない」「当たるとデカい」「少ない小遣いでも楽しめる」‥そしてコロナが拍車をかけた訳だ。

中央競馬だけでなく、地方競馬・競艇・競輪・オート・TOTOなども好調である。

ひと昔前には、中央競馬以外はダメだと多くの地方公営ギャンブルの「場」が閉鎖された経過も有ったが、コロナ渦を境に比較的低迷していたオートや競輪も急上昇を見せている。


パチンコ業界が、これらの公営ギャンブルと同じ土俵なのか?と言った声も有るだろうが、いずれカジノも出てくる訳だから無駄にはならないだろう。

これらの売上回復の大きな要因はネット・電話投票が可能であるという事とそれ故に「場」の営業は時間以外の投票が可能で、期間中の常時投票が可能だ。

パチンコ業界では、どうしようもない部分でのアドバンテージは多い公営ギャンブルだが、その一方でパチンコ業界と同じく低迷しているのは宝くじである。

低迷する宝くじ・パチンコと公営ギャンブルの違いは思いつく限りでいくつも出てくるでしょう。そこに透けて見える事は無いのだろうか。その分析を行うことをおススメする。

一つ例に挙げると、宝くじ売り場で販売する宝くじは、どれも同じ確率でありながら、売り場によって販売量が大きく異なる。それなのに年末ジャンボでは、西銀座チャンスセンターや大阪駅前第四ビルの売り場の行列は、年末の風物詩でもある。

夢を売る宝くじとよく言われるが、シミュレーターで何度チャレンジしても当選しない気の遠くなる確率にもかかわらずだ。

何がその差を生むのか?

単純化するといつも当たりが出る売り場と当たりの出ない売り場=つまり期待感の差なのだ。期待感は確率論を超えると言える減少だが、宝くじの購入客は、そもそも生業として買っている者は殆どいない。

他の公営ギャンブルもレース中のユーザー視点に限って少し取り上げよう。

競馬
最後の直線に入るまでのポジションも大きいが脚質や戦略に寄り、勝負の行方は、ラスト数百メートル〜ゴールまで分からない。 レース後半に熱くなる。競争馬だけではなく騎手や生産者・馬主・などの予想ファクターが多様で、多種多様な予想方法がある。

ボートレース
スタートと位置取りから1マークで大勢は決する。 そこを過ぎると逆転の目はそんなに多い訳ではなく勝負が早い。 他の公営ギャンブルと比較して唯一当たり舟券を持つ者は、ゴールまで当たった幸福感・安心感が他競技に比べレース中では長く続く。

競輪
レース周回でポジション争いとけん制が続くが打鐘後の残り1~2周からが勝負。最後の直線まで分からないレースも多く、地域や人間の繋がり(チーム戦)の中、徐々に熱くなる展開でゴール前まで分からないケースが多い。

オート
スタートからハンデ(距離)があるため、強い選手はレースを進むにつれ徐々に進出し上位に近づくため、徐々に熱くなる展開。

各公営ギャンブルの違いの後は、イベントについて触れてみよう。多くの「場」では様々なターゲットに応じたイベントが開催される。パチンコと違って子供をターゲットにした「仮面ライダー」「プリキュア」のショーが開催されると、家族連れが相当数来客する。

イメージキャラとして契約された有名芸能人が表彰式に来るイベントやG1競争では、前日昼間から泊まり込むお客様も見られるなど盛況な光景も見られる。

子供のうちから固定客を作るという見方で言うと、マクドナルドのハッピーセットなんかは上手いなと感心するが、公営ギャンブルの施策はちょっとしたテーマパークや随分消えていった遊園地の代替えでもあり、手軽な遊び場の側面が有る。

未成年の遊技どころか入場さえ厳しくするホールでは、万が一が有れば厳しい行政処分に繋がるため、夢みたいな話でもある。

違法な事を推奨する分けでなはいし今すぐどうという事でも無いかもしれないが、あえて飛躍してみる。

例えばホールの内部は客室や売場と分かれている。ここに第三の区分け(例えば遊技と関係ない待機スペースや他社の飲食スペース等)が敷地内で線引き可能となれば、何かしら変わってこないか?

それに近いチャレンジは無いわけではない。

ちょっと思い付きのような事を連ねましたが、今後のホールの生き残りのカギは一人〇役という事だと思う。

前回挙げたように遊技人口減は大きな問題であるが、同じように顧客の単一化に向かう現況が良くないと見ています。

多様性が希薄になる弊害って案外大きいと考えているからです。

この一人〇役といったマルチな業態は、生き方・働き方として個人レベルで見ると様々な所で進んでいます。出玉や新台や話題機種だけではなく、ホールの役割(ポジション)を増やすこと。

そこに規制緩和や他業種との連携などをミックスした新たな形態を、私が生きているうちに見られたらなと思いますね。

そして終いになりますが、受取り方次第と言っただけでは共感は得られませんので、少し丁寧に補足を。

公営ギャンブルの比較(どのポイントが熱いのか)についてフォーカスしたのですが、パチンコ台やスロット台に置き換えると…

どのタイミングが熱いか?

熱いタイミングはどの程度の時間なのか?

付け加えると、熱いタイミングの前と後はどのような事が考えられる(必要とされる)のか?

これらについて余地は有るのでは無いか?と思います。

同様にホールに於いても、熱くなるポイントについて考えて見られては如何でしょう。何も文面通りポイントとは点だけでは無く、線でも有り、面に繋がって行く事かも知れません。

優秀な読み手様には、蛇足かも知れませんが、「熱い」は他の何の言葉に置き換えられますか?

つづく


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セカンドエフォート②

遡るとコロナ前からですが、それなりの立場と見識を持ちパチンコ業界に理解有る方から、パチンコはもう駄目だなと言う声は聞かれていました。

水面下では、多くの経営者が売り抜けようと動いている情報も入って来ました。
金融機関主導でバルクで〇〇億って話だけど、そこと繋がんないかな?

社長個人が水面下で声をかけて探しているようだけど、あれはまとまんないわ。
あの案件は万歳待った方が、ワンチャン有るから誰も手を出さないよ。
この何年かでお客様が消えただけではなく、多くの業界人やホールが去って行きました。

パチンコ業界のビジネスモデルを俯瞰して、現況(短所)を何点か挙げると‥

〇パチンコに変わる余暇の多種多様化
〇商品(機械代)コストの上昇
付け加えて、欲しい機械・台数を購入するには、機歴販売の壁が有る
〇機械依存・ヒット機種が無ければ停滞する
〇顧客数の減少・退場を補う新規顧客の獲得が出来なかった
〇顧客数の減少から、収益確保するために高粗利益営業が進み、離脱により拍車がかかる
〇法律や規制で他業種では当たり前な制度活用や独自の施策が打てない
〇ネット・スマホで顧客への情報が浸透し、勝ち負けが見える化してきている
〇予備知識無しでは他者と差が付く機械・営業形態から顧客層が単一化してきている

細かく挙げるとキリが有りませんが、このようなマイナス要因やトレンドが絡まり合い、今の現状に繋がっています。

どれか一つでも劇的に改善されれば、結果は違ってくるのでしょうが、そんな簡単なものでは無い。

端的に言うと、昔のような儲かった時代はとっくに過ぎて、ますます縮小化に向かっている。
このような状況に陥った産業では、資本の大きな企業や台数の大きなホールの寡占化は避けられません。

資本や規模に劣るホールが挽回するには、相当難しい訳です。

何よりホール経営では、規模や立地・リソース、働く経営者含む社員の人々の考え方や方向性により、戦略や施策には、合う・合わないが有る。

ズレた施策が大きな負担になる事例はいくらでも皆様ご存じであろう。
経営再建や業績アップのためには、自社の現状を正確に掴んでいるか?
つまり窮境原因の把握が適切なのか?がとても重要な事です。

一丁目一番地のここがズレていると、資金投入を伴う施策・計画は絵に書いた餅に終わってしまう。
よく有りがちなのは経営者に多分に責が有るケースでも、社内はそこを言える環境ではなく、お気に入りやイエスマンばかり(言える方は去ります)で、表面化しないケースだ。

これは何もパチンコ業界に限った事では無い。
優秀な人材の集う大手企業や、上場企業でも普通に起こってきた事でも有る。

企業どころか親子や友人関係等のパーソナルな関係でも、口うるさい人や意見の合わない人は遠ざけるのが人間。

経営者は孤独でもある。

それ自体を駄目だと言う気は無い。
核心を突く「真実の声」という実態がスルーされるのが問題だという事なのである。

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昨日のコメントで業界の良いところで頑張っている方でしょうか。
はたしてそうなの?というコメントが有りました。

書かれていらっしゃったように、スマスロやラッキートリガー等の好況や最先端を走る、レベルの高い運営をしているホールが有るのは認識しています。

今回の寄稿のターゲットは、どちらかと言うと退場するかどうかのホールやしんどい毎日を過ごす方を念頭に書き始めました。

誰に対してというのも、今後の展開の中から各々の読み手にお任せします。
今後の展開次第ですが、その中でも最先端のホールの方たちにもプラスになる話題も取り上げたいと思います。

しばらく経過を見守っていただければ幸いです。

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早朝のショートメールに妹は驚いたと思う。
直ぐに返信が有り、今の仕事について短いやり取りをした。
コロナの影響も有り、この何年か大変なようだった。

私は月に何度か在宅で出来るアルバイトをその場でやってみない?と伝えた。
収入も低く、独り身で何かと大変だろうと、たまには美味しいものでも食べてと言う気持ちだった。

携帯を置いた後、母の事が頭に浮かんだ。
母は1年位経つだろうかスマホを買い替えていた。

これまでも何度か着信が有り折り返すと、

「ごめんごめん。間違えて鳴っちゃたのよ。用事が有る時は何度かかけるから(笑)」

何度かそんなやり取りが有ったのだが、最後に1度だけの着信が有ったのは、私の誕生日だった。

その時間帯、私は金融機関の方同席の模擬的なバンクミーティングの最中で、折り返す事さえ忘れていた。

恥ずかしい話、私から電話をすることはこの何年か無かった。 


つづく


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セカンドエフォート①

令和5年10月が終わりに差し掛かる頃。寝苦しい夜は続いていた。

夜明け前に聞こえてくる声、夢か現実かは分からない。

・・誰を助けるの・・・

男か女か分からないその不思議な声に一体誰?と思った。

「誰を助けるの・・・?」

繰り返し聞こえてくる声に、あぁこれは夢じゃないなと思った。

誰の声だろうと一瞬考えた。

そしてまだ聞こえてくるその問いかけ、誰を?について考えた。

頭に浮かんだのは、離れた土地で一人暮らす妹だった。

小さな会社でOLをしているのは知っていたが、昔から電話でさえ年に1度有るか無いかの付き合い。

良い年になっているが独り身で、亡くなった父もだが、歳を取った母も心配しているだろうと頭の片隅にはあった。

「妹を助けるよ」

頭の中で呟いたのか、そう思っただけなのかは分からない。

その声は消えてしまっていた。

少し安堵したまま眠りにつき、気が付いた時には日の出頃であった。

寝床から私は妹へメールをしようと携帯に手を伸ばした。

LINEも使っているのだろうがアカウントは知らないし、ショートメールが適当だろうと思った。


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以前と言うよりもうひと昔前になるでしょう。

私が寄稿していた頃とは、随分世の中は変わりました。

パチンコ業界がここまでの状況になるとは、思っていなかった方も多いのでは?

その間この業界はもう駄目だよと言う方の多くは、すでに業界を去っています。

儲かれば商いは続くが、儲からない・将来性が無いと判断した資産の有る経営者の経営判断はある種、理にかなっています。

コロナ渦が無くとも、衰退へ向かった業界では退場や転換は必然だったのでしょう。

そして現実として、異業種と比較し売上や利益に伴う給与や家賃の高かったパチンコ業界は、良い勤務先・良い店子さんでは無くなってしまいました。

思い起こすと凡そ30年位は良い時代が有り、それを間近で見て来ました。

今回久々に寄稿しようと思い至った背景は、前段に書かれたストーリーで読み取っていただければ。

話は変わりますが、最近のパチンコ日報は厳しい打ち手さんのコメントも多く有りますね。

また現場やネット上でも多くのお客様の怒りの声を耳にしました。

自省を踏まえますと、職務を理由にそれらの声にちゃんと答えてこなかった盲目な私がいました。

口に出して言うと憚られますが、私も時に店長・役員・コンサルタントとして、その時その時で自分なりに精一杯頑張って来ましたし、そのお陰で飯を食い・今が有ります。

ただ、こんな業界にしようと思っていなくとも、結果的にお客様の怒りが渦巻く業界になってしまっていた。

頑張ってきた結果が直接・間接問わず、こういった形になっているのは、悲しいものです。

その声は、業界を去った方の多くから発せられている事ということも承知しております。

もしかしたら途中で気付くきっかけや歯止めがかかることも有ったかもしれません。

でも結果として、とても残念ですが今は皆様がドキドキ・ワクワクした業界では無くなってしまった。

「こんな業界にしてしまい申し訳ありません‥」

感謝の言葉も反省の言葉も間に合う内にしか伝わりません。

お客様や働く方々に高所から言える立場では有りませんが、他業界での取引やお付き合いが多い現在、外から俯瞰して、私なりにパチンコ業界が良くなる一助になればと思います。

懐古録や批判ではなく現実的且つ建設的な内容にしていこうと。

業況や規模は改善されなくとも、キラリと光るホールが少しでも増えれば、そこに集うお客様への+になる。

勝手なロジックですが、そういった思いで働いている方に届けば、お客様への好循環になると。

不定期ですが、何回かに分けて寄稿は続きます。

コメントに返信することは控えますが、ご意見やご要望が挙がった場合は、参考に進めさせていただきます。

しばらくの間ですが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

つづく


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