身勝手だが、心の中で言葉にはせず母の顔を思い出す事で偲び、落ち着いてからゆっくりと考えようと思ったのだ。
ただ時折あの声「誰を助ける?」が頭に浮かんだ。
それはいつのまにか「助ける」という言葉となって心の中で反芻していた…
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私の顧客の一人に治療院の経営者Aさんが居ます。
その方は資金繰りに窮しており、これまでも先輩や税理士の先生から何かとアドバイスを貰っているようだったが、効果的な改善に至っていないケースです。
匙を投げているような税理さんから試算表などの各財務諸表や必要な資料を取り寄せえて貰い、実効金利や債務償還能力等について一通り分析した。
その内容を経営者さんに伝える大事な席で、Aさんは目を逸らしたいのか関係の無い話をされます。
曰く、可愛がっている後輩がプロ野球のドラフトにかかりそうだといった内容で、ストックしたスポーツ紙をいくつも出して、これまでのエピソードを話す。
そのうち、今後有名になったらご飯奢っても良いのか?等、なんとも回答しにくい話に及んだ。何とかやり過ごして、危機感や少し心構えについて一歩でも進むような形でその席は手仕舞いにした。
そして次の機会がやってくる。
前回至らなかった内容にいくつかの改善案・施策と将来的な予測、付け加えて複利の怖さを伝えながら具体的なシミュレーション等をまとめて話しているうちに、Aさんは自身の認識のと現実のギャップに少し顔が青ざめていた。
そこで私は確信を突く話を切り出した。
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前回は国内の賃金や価格は先進国でも低い(伸びていない)事を踏まえ、インフレの質が変わる過度期であり、そのような外的要因を受け商品コスト(機械代)は下がらないのではと云う内容でしたが、内容的に少し詰め込みすぎましたね。
この内容ついては、一歩踏み込んだ内容はコメントや他の寄稿で挙げられるかなとも考えており、多様多面なご意見に期待していました。ただ具体案についてしょうゆさんからコメントをいただき(しょうゆさん有難うございます)ましたので、近いうちに(イシュー①とします)に取り上げます。
今回は営業視点的な話として、適正台数について触れましたのでそのつづきをお話したいと思います。
市場導入台数や機械評価・現状のポジション・セグメント等から、適正台数が5台と弾きだされたある機種の話でした。
ここでの5台をもう少し実態の店舗に近い形で定義すると、そもそもの導入店舗は機械評価が良いという場合は10台前後、メイン的な機種はそれ以上(20台以上)という店舗です。
今回の機種は最大で5台しか入らないが減らされる可能性も有ります。また5台以上には販売金額の10%程の台数値引きが適用されます。なおシマの台数などの設置場所の規模による個別要因は除きます。
このようなケースでは理論上から5台が最適解とすれば、次の選択順位は単純に5→4→3→2→1→0パターン(傾向)になります。
先に挙げますが、パチンコ業界もひと昔前に比べ、多くの方がマーケティングの重要性に触れ学び実践する機会が増えました。
その結果、理論値など合理的な思考や戦略に行きつくのは良い事だと思いますし、実際私自身も気づきや学ぶ機会がより簡単に増えたこと環境を実感しています。
またSNSをはじめとする環境の変化で、社会全体が単純なロジックや思い付きについても壁打ち相手が沢山居る状況(この相手が居るという事が大きい)で、よりブラッシュアップにも繋がっている状況です。
脱線しますがそんな多様な環境下で、ことブログや掲示板等の媒体では、叩かれる事や論の優位性を過激に競ったりする事や意見や視点の相違に疲れた方達は、より楽で便利でストレスの無い関わり方や各々に合った異なる媒体へシフトしています。
マーケティングの話に触れましたが、マーケティングは5→4→3→2→1→0パターンのような、そんな単純な数値のロジックでは有りませんし、実際問題として先のパターンは最適解という方は殆ど居ないでしょうから、5→4→3→2→1→0で止まるのでは無く、他の要因を踏まえて進めます。
5→4→3→2→1→0の話ですが、現実のケースでは5台の次に考えられるのは1台という結論になるケースが多いのではないでしょうか。
理由として挙げられるのはバラエティなら動く(回収しやすい)・ダメでも低玉へシフト(二毛作)という考えや転売しやすい等で、そこに至る根拠も有れば間違いでは無いです。
そうしますと、これも単純化すると5→1→4→3→2→0となります。
さらに一歩進めると、期競合への導入予測や希望台数が4以下になる可能性が高い事から、買わない選択(他の機種・リソースへの転嫁)、0も有りだと云う事になりました。
その結果5→1→0→4→3→2や0→5→4→3→2→1という答えに行きつくケースが多いのでは無いでしょうか? 0の位置は領域の違う話や・要因が増えるため、ここでは取り除きさらに単純化すると、A.5→1→4→3→2かB.5→4→3→2→1の2パターンです。
A.Bで考えられるケースは、例えばよりリアルな話で進めると、資金力や台数が多い大型店舗は、資金力・調達力・購入先(メーカー)からの評価もあるため交換条件を提案するなど、値引きだけでなく市場シェアに重きを置き5台をほぼ満額回答貰えるようなケースはどちらかというと5台にこだわったB。
5台入らなくても1台でも多くといったシンプルなケースもB。
対してAのケースでは、資金や台数的に限りがある店舗で、競合にもそれなりに導入される機種と想定しているけど、無理に台数にこだわって、余計な抱き合わせ機種を買わされる位なら、線を引いてバラエティ1台でも良いという判断でA。
どちらにも共通するのは0の扱いを除いた場合、バラエティといったセグメントの異なる属性1を除くと、5台からの降順が共通する答えとなります。
他社様を支援する立場の私は、その店舗のポジションを明確にしたうえで戦略・方向性が目標・目的にズレが無いか?を踏まえた内容を出発点としています。
その中でも、使える大きな資力が無い(資本が無いでは有りません)或いは規模で劣るなど競合が優位ないわゆる弱小店や3番手以下(2番手と3番手以下では戦略が異なるケースが多い)のホールで気を付けていたのは、コモディティ化を避けると云う事。
補足しますが、コモディティ化を避けるためにと言っても、逆張りや思い付き(思い込み)一発で大きな投資はまずやりません。
ただし思い付きを全否定することは有りません。
それは中々身になりませんし、再現性が乏しいからですが、革新的な一歩はこういった中や多様性から産まれるケースが有る事を経験上認識しているからです。
ただ現実としては、期待値が大きい或いはチャレンジしたいと云う主体の声を受けた場合、投資額を絞ったケースについてはGOを出すケース(投資というよりかは少額投機)が多かったりします。
コモディティ化を避けるために奇をてらう事は、まぐれ当たりは有っても永続を前提とする経営では成立しませんし、私の思う差別化とは本筋は抑えた上で、少し疑ってみる或いは視点や視野を変えてみる等の、僅かな差と小さな種や武器が先ずは第一歩となります。
54321や51432は1を除くと降順で同様の話に戻すと、これはあくまでも理論上の適正値です。
理論=現実・結果は適正値と異なるケースが多く存在しますし皆様も認識されているでしょう。
理論値や期待値は試行が増えるほど、収束しはじき出された結果に近づくのですが、ここで伝えたいのは、試行が少ない・たまたまではなく差別化・戦略化出来るケースが有ると云う事実です。
それもコモディティ化を避けた奇貨みたいな物では無く、実際に54321や51432と異なる答えが有ると云う事です。
これらはPDCAの中の検証(ロジック先行或いはPDに比べCAが弱い方・店舗はとても多いよう思います)から実際に多くの場面で見られた、再現性のある結論なのです。
優秀な経営幹部やマーケティングを身に付けた方も多い業界ですから、実際に過去の実績から検証されるていらっしゃる方には分かると思います。
つづく

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