パチンコ日報

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セカンドエフォート④商品コスト

「お母さん死んだ!」

妹からのショートメールは10文字にも満たなかった。

あの日。在宅仕事のやり取りを済ませた朝から4日が経っていた。定期的なコンタクトを取っていたケースワーカーさんの連絡を受け、倒れた母を見つけた兄は警察に行っていた。

事件性は無いという事だが、身内は皆パニックになっていた。

私は「通夜や告別式は今日・明日じゃないしバタバタしないように。それから遺体を見て動揺している兄への連絡は避け連絡を待つようにして」と妹から他の兄弟や身内へ伝言をお願いした。

頭の中では色々な事が浮かんでくる。

それから告別式までは本当に早かった。 推定死亡日を聞いたのは、一報を受けた翌日だったと思うが記憶が曖昧になっている。覚えているのは、枕元に立ったのか…という思いに悲しみや寂しさや後悔などが入り混じったつらい思いだった。

初七日を過ぎた頃から私は「誰を助けるの?」という、あの声の意味を考え続けていた。

多面的な視点や考えを説く機会が多かった私は、いつしか誰を助けるだけ?では無く様々な事に置き換えて考えていた。


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前回はパチンコに代わる余暇という事で公営ギャンブルについて進めました。

例えば店舗視察一つをとっても、ベンチマーキングの結果には差が有る。

STP分析などのフレームワークも大切でしょうが、ちょっとした違和感や自身(店舗や会社)との違い・その業界では当たり前な事でも部外者には??な単純な疑問への答えに、チャンスはイノベーションの種が有るように思います。

〇商品(機械代)コストの上昇

今回はコストの上昇について進めます(セカンドエフォート②で取り上げた内容を補足して行こうと考えていましたが、反応が無ければ適宜変更します)。

インフレには様々な種類が有る中で、現在の日本市場は、コストの上昇や人手不足が要因のコストプッシュインフレと言われています。

上がった物価が下がる事は、今後相当期間に渡って無いと思いますし、日本は徐々に需要が上がっていくデマンドプルインフレに移行して行く過渡期だろうと見ています。

円安を受けインバウンド需要はコロナ前より上回るのは確実視されている中、それらをターゲットにする1杯2000円~3000円のラーメンなどは、珍しくない。

現在の関西空港の国際線フロアのメニュー表

画像は先週の物だが、その時日本人は皆無で座っているのは外国人ばかり。お腹が減っても、さすがにこの価格は二の足を踏む。

海外に行けば、ラーメンなどの外食以外にもユニクロ等のアパレル店も日本より割高な価格です。

長いデフレが続き現在に至る中で、いつからか日本は先進国でも物や人件費が割安な国になっているのが現状です。

今のパチンコ業界の現状はユーザーへお金が回る(すでに回っている業種もある)状況待ちとも言えます。

あらゆる省庁の施策もこれに沿った内容が多いと感じます。

客層やロケーションにも依りますが、このまま恩恵を受けられないコストプッシュの転嫁=価格を上げられない(売上増・粗利増)ホールも数多く有る。

実質の所得は冷えたままですし、これから長い期間は日沈む国日本と無らないとは断言できませんが、少なくとも国の方向性としては第2・第3の施策を打っている途中でもあります。

自店の顧客は実質所得が上がっているのか? 実質所得が上がり可処分所得に回るのか? その回ったお金はホールに流れてくるのか?

機械の話に戻すと、ホールはジリ貧で苦しくメーカーは好調だが、それでも機械価格が下がる事は無いと見ています。

ビジネスモデル的にホール(購入客)が減り、購入金額(台数)も減っていく事に対応するために、価格を下げる経営判断をしますか?

ホールとの違いはビジネスモデルだけではなく、投資家や金融機関の目線がより影響されるという事も理由の一つです。

今後さらに省力化を含むコストダウンが有っても、価格を下げる資金は他の使途に使う方が有益と考えるのが普通です。

他業種展開が上手く行ったメーカーが、市場規模が縮小されていく本業にその利益を投資する事は考えられないですし、ホール経営に於いても仮に他業種で莫大に利益が出ていたとしても、ホールの利益率を下げるケースは無いでしょう。

これらに対するために、大手チェーンのように購買力を背景に価格交渉をする事や自社開発に取り組む事例が有ります。
前者はとてもマネできる物では有りませんが、後者は他業種のボランタリーチェーン等も含め可能性が多いように感じます。

現在はそれに繋がるか分かりませんが、企画などでは企業間のコラボもSNSの普及により一時代からは考えられ無いほど増えていますし、クローズドな場では様々な交流が沢山有ります。

ナレッジやアライアンスは立場の弱いホールにとっては、将来の「種」になるかもしれません。

大手物販ではメーカーに対して価格交渉力が強い事例や利益率の良いプライベートブランドを展開する小売り等は顕在していますが、パチンコホールが成長した先に有る進化系(残された領域)の一つはOEMや内製化だと思います。

蛇足ですがユニクロについて触れましたが、1990年代上場前のユニクロのCMキャラが小林克也さんだった頃は、内製品ばかりではない他社商品も沢山有りました。

ホールがメーカーの領域に進出する若しくはシェアする事等、これまでと違ったアクションが無いと機械代上昇は抑えられないのではないでしょうか。

10年以上前になりますが、正栄プロジェクトの美山社長がビッグサイトで「今のパチンコの単価は4円パチンコではなく6円パチンコ。 今後生き残るためには一つの案としてメーカーと物件を持分で経営しシェアする」といった講演をされていらっしゃいましたが、顧客の懐を傷めない事と上昇する販管費(低下する利益)を憂いた危機感からの発信だったのでしょう。

機械価格を直接補うには、一番は収益力の向上ですが稼働も粗利も限界となれば、相当なイノベーションが起こらない限り、残る領域は省力化という事でしょうか。

これも直接ホールの運営・管理だけでは限界で機器メーカー各社さんの今後の開発力に頼るところ大ですが…

即効性ある手立てが打てない現状で、ましてや人出不足な現代での省力化もなかなか簡単では無い。

前回の一人〇役と言う話で、働く人材の有り方も繋がると書いたのはこういう視点からでした。
自動化やAIに飲み込まれない役割や働き方は有るでしょう。

ネガティブで時間のかかる話ばかり続きましたので、少し営業視点のお話を。

適正台数という言葉が有ります。

設置比率の何%とか、アバウトだと列とかバラとか。

その点私は予算という視点からは算盤を弾きますが、営業という視点では別視点を以て考えており、成果に繋げていました。

例に挙げると、稼働や粗利の最大化という視点で、例えばある機種の適正台数は5台とはじき出されたとします。当然これらは市場に投入される台数や、スペック等の事前情報が加味された理論値です。

ところが、5台が欲しいところですが希望台数は入りませんとの回答。5台入らないならせめて4台・うちのシマは5台ダメなら後はバラ用で2台か1台…

こんな感じで進むのが多いと思います。

台数が減った場合の策や台数に於ける自店分析や傾向は把握していますか?

つづく


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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. メーカーは、台が売れないことを理由にして1台あたりの単価を値上げをして減少分をカバー。やっている事が、国が税収が減ったので税率を上げますっていっているようなもの。なぜならば、国は収入を減らしたくないから。タバコ税が一番いい例。喫煙者が減る=税収が減る。税収を減らしたくないから値上げで対応。メーカーも同じ構図。販売台数が減る=売上が減る。売上を減らしたくないから値上げで対応。
    雷親父  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 雷親父

  3. ホール目線で言えば、前は稼働重視、利益は後でついてくるだったが、今は毎日1台毎に差玉、差枚数がどれだけ店のプラスになっているかだけ。毎日1台たりとも店の赤になること自体が言語道断の営業。常に最低出玉率での営業。ホール目線では、吸い込めば吸い込むほど優良な機械。粗利益が全て。売上が減っても、粗利益が売り上げダウンする前よりも増えていれば店長の評価が上がる仕組みだから。稼働や売り上げが減ろうが関係なし。
    雷親父  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 雷親父

  5. メーカー:台数減少→台単価を上げて売上確保→台数減少・・・
    ホール :客数減少→客単価を上げて売上確保→客数減少・・・
    これでは今後も右肩下がりと思うが、自業自得。
    キリギリス  »このコメントに返信
  6. ピンバック: キリギリス

  7. 内容が多岐すぎてコメントしづらいので機械のことについてだけ

    >ホールがメーカーの領域に進出する若しくはシェアする事等、これまでと違ったアクションが無いと機械代上昇は抑えられないのではないでしょうか。

    これが将来の種だという事はなんとなく理解できるのですが具体的にはどういう動きをしたら良いと思われているのか踏み込んでもらえたらなあと思いました
    大手ホールではなく中小ホール、特に廃業が予感されるホールへの救済策としての提案だということを前提に考えてみるとなかなかに難しい

    15年前くらいでしょうか全日遊連が主導してオーイズミの機械を組合ホールへ10万円ほどの安価で導入提案をされました
    確か元祖ハネスロかリラックマかそのあたりの機械だったかと記憶していますが機械はヒットせず導入もほとんどなかったです
    ここ数年ではDAXELやJPSがホールのOEMで機械を作っていました
    ユーザーに認知が高いのはダイナムがOEMで導入したパチスロ1000ちゃん、少し話題になりましたね
    バルテックもホールが運営するメーカーですがヒット機はまだありません

    ホールとメーカーのアライアンスは存在していましたがこの程度のムーブメントにしかなりえなかったという結果です
    機械がヒットすればもちろん最高なのでしょうがなかなかそうはいきません

    三共やサミー、ユニバーサルなどクオリティの高い機械を作れるメーカーが手を貸してくれれば可能性も高くなるのかと思いますが一流メーカーはそれをするメリットがない
    ではホールの組合主導で全日遊連が加盟ホールから資金を拠出させてメーカーに作らせるのはどうか
    中小ホールだけにお金を出させるのは現実的じゃないですし全ホールから集めるんだったらメーカー主導でやるのと変わりません

    そしてもし組合主導で機械を入れて望んだとおりにその機械がヒットしてしまったらどうなるでしょう
    初期導入ホールから優先して増産分を入れていきますか?中小ホールから優先して配っていけると思いますか?
    そうならないよう見越して1万台2万台分の部材をロット先買いで用意するんですか?
    問題山積みで収集がつかなくなる予感しかしないですがこのあたりにも踏み込んで例を聞いてみたいです

    直近ではチバリヨ2が物議になりました
    地域地域で強いホールにのみ優先導入されてヒットの様相です
    先行で入ったホールと入っていないホール、増産分が入るホールと入らないホール
    ほしいと思って待っていても先々の増産には希望が持てず導入したくてもできないまま格差が広がっていきそうです

    機械のヒットは本当にいいことですし私は販売方法にケチをつける気もありません
    中小ホールの廃業に目線をおいた場合、このあたりの問題解決をどうしたら良いのかぜひ聞いてみたいです
    しょうゆ  »このコメントに返信
  8. ピンバック: しょうゆ

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