しかし、まさかの横槍が入る。バイデン大統領、そしておなじみのトランプ前大統領が揃って反対の声を挙げたのだ。労働組合の反発や国家安全保障を盾に、「やっぱりアメリカ企業はアメリカのもの」という、どこか見慣れたナショナリズムが表面化した。
この事態に、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は9月3日の社説で、「アメリカの鉄鋼産業の活性化につながるだろう。しかし、最近のアメリカは“経済音痴”の連合体に率いられているようにみえる。バイデン大統領とハリス氏、トランプ氏とバンス氏の全員が、日本製鉄による買収に反対するという、これまでの大統領選挙で最も間抜けな経済アイデアに同意していることは“腐りきった政治の時代の兆候”だ」と激しく批判した。
そして、ここからが本題だ。突然パチンコ業界に話が飛ぶが、実はUSスチールの老朽化問題は、まさに日本のパチンコ業界にもあてはまる話なのである。
シンクタンクの関係者はこう語る。
「パチンコホールの多くは、設備の老朽化に悩まされているんですよ。建物が古く、建て直す余裕もない。そんな状況では、営業が改善する見込みもなく、競争力も落ちるばかりです。このままではM&Aなど業界の再編が避けられません」
USスチールと同じく、パチンコ業界も「老朽化のジレンマ」に直面している。ホールの建物や設備は古び、顧客を引きつける魅力も失われつつある。それに加え、市場の縮小や規制の強化といった逆風が吹き荒れ、パチンコ業界はまさに岐路に立たされている。
中小ホールに至っては、現状の設備で営業を続けられる限界まで粘り、その後は廃業。そのために異業種で新たな柱を建てるケースも増えている。
ここで問題なのは組織が大きくなった上位ホール企業は、簡単に廃業の道は選択できないことだ。規模が大きいからといって、老朽化から逃れられるわけではない。むしろ、膨大な維持費や人件費がのしかかり、現状維持では競争力を維持できない。まさに「身売り」や「統合」といった再編が必要な時期に差し掛かっているのだ。
パチンコ業界は成熟し、衰退期に入っている。市場が縮小し、客層も高齢化しているため、これまでのやり方ではもはや業績を回復させるのは困難だ。こうした状況下で中小ホールがM&Aを検討するのは自然な流れであり、大手にとっても同様の課題が迫っている。
だが、問題は単に「売るか買うか」ではない。業界全体の再編を見据えた、戦略的な判断が求められているのである。
USスチールの買収問題は、単なる企業間の取引ではなく、老朽化した設備をどう再生するかという、産業全体の未来をかけた戦いだった。これと同じく、パチンコ業界も老朽化した施設や縮小する市場にどう立ち向かうかが問われている。外部資本を取り入れ、新たなビジネスモデルを模索することが、今後の業界再編の鍵となる。
最終的に、パチンコ業界がどうあるべきか――答えは明確だ。既存の枠組みにしがみついていては未来はない。老朽化した施設に対しても、果敢に設備投資を行い、時にはM&Aを活用して、業界全体を再編する覚悟が必要だ。
まさに「再編こそが成長への道」である。
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