
しかし、その話題の理由が少々刺激的だ。なんと、4500円で販売されているそのキャップが、中国の激安アパレル通販サイト「SHEIN」で、わずか554円で販売されている商品と同一だったことが判明したのだ。つまり、仕入れ価格に対して約10倍もの値段で販売していたわけである。これが日本のビジネス界隈に波紋を広げているのは言うまでもない。
さて、このようなニュースが話題になると、やはり思い出されるのは同じく中国発の激安通販サイト「TEMU」の日本上陸だろう。これまで「TEMU」から商品を仕入れていた日本の業者たちは、その商法があっという間に通用しなくなってしまった。
激安商品を元に商売をしていた業者たちは、目の前で自分たちのビジネスモデルが崩れ去るのをただ見つめるしかなかったわけである。結局、物の値段が何で決まるのか、どれが「定価」なのか、ますます混迷を深める時代となっている。
では、パチンコ業界に目を向けてみよう。ここで登場するのが、頭の固い警察庁である。風営法というものが、パチンコ店をがんじがらめに縛り付けているのは周知の事実だが、この「定価販売」という考え方も、その一環である。
しかし、世の中がここまで変わっているのに、警察は相変わらず「定価」という幻想にしがみついている。これこそが時代錯誤というものではないだろうか。今こそ、警察庁は風営法を時代に即したものにアップデートするべき時期に来ている。
一般的な商習慣では、仕入れ価格に適正利益を乗せるというのが常識である。例えば、100円で仕入れた商品には、30%の利益を乗せて130円で販売するのが普通だ。
しかし、パチンコ店の場合、市場価格との等価交換が求められるため、ホール側がどれだけ企業努力をして安く商品を仕入れても、利益を乗せることが難しい。その結果、パチンコ店では「定価」と呼ばれる市場価格と等価での交換が原則となり、独自の価格設定が事実上不可能となっている。
しかし、これが現実にそぐわないのは明白だ。例えば、一般的な景品を持ち帰る運動を警察が推奨している以上、パチンコ客は市場価格よりも安い景品と交換したいと思うのが自然である。
にもかかわらず、警察は市場価格よりも安い景品が並んでいると、これを問題視する傾向がある。
しかし、ホールが企業努力で安く仕入れた商品に適正利益を乗せ、市場価格よりも大幅に安い価格で提供したとしても、これはむしろ賞賛されるべき行為ではないだろうか。それを「不正」と見なすような風営法の在り方こそが、今の時代に適していないのである。
紗栄子がキャップを10倍の価格で売っていることに対して批判が集まる一方で、警察はパチンコ店が安く仕入れた商品を適正価格で提供することを許さない。このダブルスタンダードこそ、今の日本が抱える問題点を象徴していると言えるだろう。
警察庁は一度、自分たちの「等価交換」の定義を見直し、パチンコ業界における価格設定の自由を認めるべきではないだろうか。そうしない限り、いつまでたってもパチンコ業界は本当の意味での「適正価格」を実現することができないのだ。

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ピンバック: 無理
景品に定価が存在しなければカウンターで受け取った景品が仕入れ価格変動で両替額オープンという話になってしまう。
こういう話はまず現金という景品を廃止(3店法を業界で廃止)してから発言しないと。
ピンバック: パチンコ大賞
あんまり言いたくないですがパチンコホールが大人しく常識の範疇で運用するとは思えない
集客や利益の最大化のためならレッドラインに足を置くくらいは平気でやりますからね
警察庁は暴走自滅に歯止めをかけてくれるありがたい存在くらいの感覚です
ピンバック: しょうゆ