パチンコ日報

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パチンコの存在意義を具現化する動き

パチンコ日報内でパチンコ店の「存在意義」で検索すると30本以上のエントリーが出てくる。一番古いエントリーは2008年まで遡るわけだが、パチンコ店の社会的存在意義を随分前から訴え続けてきていた。

2019年3月にはシナジーアークとパチンコ日報の共催で「社会におけるパチンコ店の役割を考える集い」を開催した。この時はホール関係者が講師となり、それぞれの立場からパチンコ業界に対する熱い思いを語った。

その中で、B.K.Dプランニングの大村成憲代表は、射幸性の範囲を守れば続く産業と前置きして、国民から「パチンコはあってもいいよね」と言われる産業=周縁産業でなければならない、と持論を展開した。周縁とは中心ではなく、周り、ふちという意味がある。主役であってはならないということでもある。

またアサヒディードの河野真一郎営業部長(当時)は「お客様同士がつながりを持つコミュニティーとして社会的価値がある。朝の開店待ちや抽選待ちで、常連様同士が仲良くなって、最初に大当たりした人が仲間にコーヒーを配りあうコミュニティーが自然に生まれます。名前もどこに住んでいるのか連絡先も知らない距離感がいい」として、ホールはお客様が集うコミュニティースペースである、と論じた。

業界誌ピデアX2024年4号で気になる記事が二つあった。共通するキーワードが「パーパス」だ。パンパースは赤ん坊のオムツだが、パーパスとは存在意義だ。存在意義を日本語ではなく英語にわざわざ言い換えるから本質が伝わらない。

で、一本目の記事がマルハンの「ヲタナ基地」計画だ。

同社のリリースには次のように表明されている。

マルハン東日本初のブランディングプロジェクトで、社会におけるマルハン東日本の存在意義を問い直しながら、これからのマルハン東日本を支えていただく新たなファンの獲得と育成を目指すものです。「ヲトナ基地プロジェクト」の背景には、競合との同質化、顧客層の高齢化というマルハン東日本が抱える課題に加え、パチンコの遊技人口の減少、パチンコ業界全体のイメージ低下といった業界共通の課題があります。マルハン東日本は「ヲトナ基地プロジェクト」を通じて、これらの課題解決とカンパニーの理念である「人とつながりの力で、人生100年時代に生きるヨロコビを創造する」の実現を目指します。

ピデアによるとプロジェクトの責任者である西氏は次のように語っている。

「若年層を中心に業界や企業に対して、経済的な成功だけではなく、社会的な影響や意義を重視する動きが強まっています。要は社会的に存在意義を示せない業界は若年層を中心に受け入れられなくなっているのです」
そんな危機感からプロジェクトが立ち上がった。

もう一つは岡山県県遊協の千原行喜理事長のインタビュー記事だ。その中で遊技業界の5つ柱から成り立つパーパスを訴えている。

「定義は遊技業が社会に対しての存在意義と貢献を示すことであると考えています。業界としては利益を確保しつつ、社会や人に対して『あってよかった』と思われる存在でなくてはなりません。そのために地域コミュニティーの発展に寄与し、社会に貢献し、従業員に誇りと自信を与えることが求められるのです」

日報が訴え続けてきたことにようやく業界が追いつき、行動を開始した。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 今でも多くの人が、パチンコ店の存在自体が地域のイメージや治安を悪くしているという認識だと思う。さらに言えば、日本からパチンコ店が無くなっても何の問題もないと感じていると思う。パチンコ業界が消滅しても、その雇用は、運送業、建設業、介護業界などに流れれば良いいわけだし。
    平日の朝から、若い人や無職っぽい人がパチンコ店に並んでるのを見たら、誰でも嫌な気持ちになります。パチンコに対する嫌悪感も増します。
    あまりにもパチンコに対するイメージが悪いので、社会貢献とか存在意義など議論できるレベルではないと思う。
    換金禁止た  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 換金禁止た

    • 法的に認められたギャンブルがあることは闇賭博の抑制につながっています。
      三店方式ができたことで暴力団への資金源を断つことに成功したのは事実です。その意味では存在意義は大きい。
      「パチンコが無くなっても暴力団が闊歩していた時代に戻るわけがない!」と言うのであれば、その根拠を示す必要があります。根拠を示せないのであれば、あなたは暴力団の構成員と同じです。

      「議論できるレベルではない」
      それはあなたが議論したくないだけではないでしょうか。
      換金禁止というHNを使い続けているわけですから。
      A-R  »このコメントに返信
    • ピンバック: A-R

  3. あまりにも大きくなり過ぎた。今はリバウンドしてるって事だと思う。歌舞伎町みたいに、ひっそりとたたずむのがパチンコ。
    ベン  »このコメントに返信
  4. ピンバック: ベン

  5. 地域コミュニティー
    パチンコ店=警察黙認の三店方式を利用した民間賭博場

    社会に貢献
    パチンコ依存症による借金などで、家族や関係者にも大迷惑

    従業員に誇りと自信を与える
    就職先を友人や親戚に恥ずかしくて言えない
    キリギリス  »このコメントに返信
  6. ピンバック: キリギリス

  7. いいこと言いますね感動しました
    パチンコあってもいいよね周縁産業いいじゃないですか

    客同士のコミュニティーは客滞率(持ち玉遊技比率)を上げていかないといけませんね
    いまの機械は乗るか反るかの高単価マシンしかない状態ですから当たったらすぐヤメるし当たらなくてもヤメてしまう
    1パチですら客付き悪くなってますよね
    客が遊べて客滞率が高い機械をスタンダードにしていく努力を『メーカーが』していくべきです

    そしてマルハンのプロジェクトは何がしたいのかサッパリ伝わらない
    フンワリと耳ざわりの良い言葉だけを並べてボッタクルつもりなのかな?と思ってしまう
    顧客の高齢化、パチンコ人口の減少、業界全体のイメージ低下
    という挙げられた課題についてどんな行動をとるのか具体的に示してほしい
    しょうゆ  »このコメントに返信
  8. ピンバック: しょうゆ

  9. 客がパチンコパチスロを金増やしの道具でしか見ていないことが問題。また、それ以外の価値を何も示せない業界自体が問題。
    つまらん  »このコメントに返信
  10. ピンバック: つまらん

  11. 昔は友人や職場の同僚と一勝負して、勝った人のおごりで飲みに行ったものです。
    また、パチンコで勝った?負けた?などの話も普通にしていましたね。
    官僚も趣味がパチンコと堂々と言っていました。

    今はどうでしょう?

    私欲しか興味のない今のパチンコ屋の経営者は考えられないか。
    これが現実  »このコメントに返信
  12. ピンバック: これが現実

  13. 今のパチンコの中身を完全無視して「あってもいいよね」とか「あってよかった」なんて思われたいと言ってる時点でもうね…。
    違う世界線にでも生きてんのか?って思うけど。

    暖かい 優しい 柔らかい
    地域のつながり コミュニティスペース

    こんな一般受けするイメージを持ってもらいたいんだろ?客に。
    実際は真逆なんだけど。
    存在意義が欲しいと「思っていない」ような営業しておいて、口では真逆の事を言う。
    こんなの誰が信じるの?
    口だけのポーズで終わる、に100万ペソ。

    あ、ヲタナ基地って最初は誤字じゃなくオタクとオトナでもかけてんのかと思ったけど普通にここの十八番の誤字だったわw
    で、一本目の記事がマルハンの「ヲタナ基地」計画だ。  »このコメントに返信
  14. ピンバック: で、一本目の記事がマルハンの「ヲタナ基地」計画だ。

  15. 「ヲトナ基地プロジェクト」では「偏愛」と「脳汁」をキーワードとした第一弾の施策をこれから展開していくんだとか。

    そのターゲットは若年層。

    さすが業界の最大手と思いながら、ふと生成AIに「偏愛と脳汁というキーワードからどんなイメージを想像する?」と問いかけてみた。

    ギャンブル: 賭博への強い依存心や興奮

    ふむふむ、わかってるねー。
    三味唐辛子  »このコメントに返信
  16. ピンバック: 三味唐辛子

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